◇ 過去50年で10.9倍に値上がりした = 金(きん)の小売り価格が1月25日、1グラム=8977円に上昇。昨年4月以来、9か月ぶりに最高値を更新した。ニューヨーク市場での価格上昇に加えて、円安も影響している。日本は1973年4月に金の輸入を自由化したが、その当時の小売り価格は1グラム=825円だった。この50年間で、価格は10.9倍に上昇したことになる。
価格形成に中心的な役割を果たすのが、ニューヨーク市場。そのニューヨーク市場では、ウクライナ戦争が勃発した直後の22年3月、1オンス=2000ドルを突破した。その後は値下がりに転じ、昨年11月には1600ドル台まで下落。そこからは反騰して、最近は1950ドル前後にまで回復している。ウクライナ戦争の長期化で安全資産が求められたこと、FRBによる利上げペース緩和への期待が、反騰の原因となった。<注 1オンス=31.1035グラム>
金という商品は、実に不思議な矛盾する顔を持っている。1つはインフレに強いという性格。通貨の価値が下落するほど、金は買われやすい。もう1つは金利の上昇に弱いこと。金は利子を生まないから、周囲の金利が上がるほど弱みが目立つ。このため金利の上昇テンポが緩むと、金価格は上がりやすい。だが、そういう状況はインフレの終息を伴うから、金のこの2つの性格は完全に矛盾する。
ここまで価格が上昇すると利益の確定売りが出て、いったん反落するかもしれない。しかし専門家は、金価格の上げ基調はまだ続くとみている。その根拠は、中国やトルコなどの政府が大量の金を買い続けていること。また各国がコロナ規制を解除したため、これまで抑制されていた需要の復活が見込めること。いずれ近いうちに、1グラム=1万円の時代が来るのだろうか。
≪2日の日経平均 = 上げ +55.17円≫
≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
価格形成に中心的な役割を果たすのが、ニューヨーク市場。そのニューヨーク市場では、ウクライナ戦争が勃発した直後の22年3月、1オンス=2000ドルを突破した。その後は値下がりに転じ、昨年11月には1600ドル台まで下落。そこからは反騰して、最近は1950ドル前後にまで回復している。ウクライナ戦争の長期化で安全資産が求められたこと、FRBによる利上げペース緩和への期待が、反騰の原因となった。<注 1オンス=31.1035グラム>
金という商品は、実に不思議な矛盾する顔を持っている。1つはインフレに強いという性格。通貨の価値が下落するほど、金は買われやすい。もう1つは金利の上昇に弱いこと。金は利子を生まないから、周囲の金利が上がるほど弱みが目立つ。このため金利の上昇テンポが緩むと、金価格は上がりやすい。だが、そういう状況はインフレの終息を伴うから、金のこの2つの性格は完全に矛盾する。
ここまで価格が上昇すると利益の確定売りが出て、いったん反落するかもしれない。しかし専門家は、金価格の上げ基調はまだ続くとみている。その根拠は、中国やトルコなどの政府が大量の金を買い続けていること。また各国がコロナ規制を解除したため、これまで抑制されていた需要の復活が見込めること。いずれ近いうちに、1グラム=1万円の時代が来るのだろうか。
≪2日の日経平均 = 上げ +55.17円≫
≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ≫