◇ 利上げは見送り、重石を2つ置いた = FRBは13-14日に開いたFOMC(公開市場委員会)で、政策金利の引き上げを見送ることを決めた。昨年3月に金融政策を引き締めに転じてから、10回の会合すべてで利上げを決定してきたが、今回はじめて金利を5.25%に据え置いた。ところが今後の見通しとしては、年内に0.5%の引き上げもありうると示唆。このため発表を受けて、ダウ平均は230ドルほど下落した。
FRBが利上げ見送りを決めた最大の要因は、直前に発表された5月の消費者物価だったろう。前年比で4.0%上昇にまで落ち着き、昨年1月の記録9.1%上昇の半分以下に鈍化した。たとえば雇用統計では非農業雇用者が予想以上に増加する一方、失業率は上昇。景気の強さを測り切れなかった。だが物価がここまで落ち着けば、引き締めを強化する必要はない。しかし利上げを見送ると、株価は急騰するかもしれない。FRBとしては、株価バブルも好ましくない。
そこで考え出したのが「年内0.5%の利上げもありうる」という重石である。現状では1回0.5%の利上げはありえないから、0.25%の利上げが2回。FOMCは8月がお休みだから、7月と9月ということになる。こうして重石は2つになり、年内の利下げ期待にも水をかけた。なかなか巧妙な作戦であり、市場もびっくりしたことは確か。
だが量的引き締め政策がまだ不十分で、カネ余り状態は解消していない。したがって市場はすぐに元気を取り戻すに違いない。その証拠に14日のニューヨーク市場でナスダックは下落せず、15日の東京市場でも株価はほとんど下落していない。株価バブルは、物価上昇を促進する原因になりかねない。FRBと市場との駆け引きはまだ続く。
≪15日の日経平均 = 下げ -16.93円≫
≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
FRBが利上げ見送りを決めた最大の要因は、直前に発表された5月の消費者物価だったろう。前年比で4.0%上昇にまで落ち着き、昨年1月の記録9.1%上昇の半分以下に鈍化した。たとえば雇用統計では非農業雇用者が予想以上に増加する一方、失業率は上昇。景気の強さを測り切れなかった。だが物価がここまで落ち着けば、引き締めを強化する必要はない。しかし利上げを見送ると、株価は急騰するかもしれない。FRBとしては、株価バブルも好ましくない。
そこで考え出したのが「年内0.5%の利上げもありうる」という重石である。現状では1回0.5%の利上げはありえないから、0.25%の利上げが2回。FOMCは8月がお休みだから、7月と9月ということになる。こうして重石は2つになり、年内の利下げ期待にも水をかけた。なかなか巧妙な作戦であり、市場もびっくりしたことは確か。
だが量的引き締め政策がまだ不十分で、カネ余り状態は解消していない。したがって市場はすぐに元気を取り戻すに違いない。その証拠に14日のニューヨーク市場でナスダックは下落せず、15日の東京市場でも株価はほとんど下落していない。株価バブルは、物価上昇を促進する原因になりかねない。FRBと市場との駆け引きはまだ続く。
≪15日の日経平均 = 下げ -16.93円≫
≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ≫