経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

家計も企業も 現金・預金ファースト

2017-03-24 07:06:56 | おカネ
◇ おカネを手元に置きたがる謎 = 日銀が発表した資金循環統計によると、家計の金融資産残高は16年末時点で1800兆円になった。過去最高の水準で、前年比では0.9%の増加。このうち現金と預金の合計額は936兆6000億円で、全体の半分以上を占めた。前年比では1.8%増加しており、家計が現金・預金の蓄積に力を入れていることが判る。

金融機関を除く民間企業の金融資産残高は、前年比3.9%増の1100兆円だった。このうち現金・預金は244兆円で、前年より7.5%も増加している。家計だけではなく、企業も現金・預金の積み上げに努力しているわけだ。さらに注目されるのは、預金のなかでも普通預金が急増していること。日銀によると、16年末時点では定期預金が前年比3.9%減少したのに対して、普通預金は11%も増えている。

普通預金はいつでも引き出せるから、ある意味では現金を持っているのに等しい。したがって最近は、家計も企業もせっせとおカネを手元に置こうとしているわけだ。常識的に考えれば、定期預金の金利はゼロに近い。最も安全な国債の利回りもマイナスになりやすい。それなら現金や普通預金でも同じこと。だから・・・という解釈になる。

だが、そんな単純な理屈では割り切れない、何か別の理由もあるのではないか。家計も企業も、手元に置いたおカネを一向に使いたがらない。その理由は何なのだろう。将来に対する不透明感、将来への不安感。それを吹き飛ばすような政策がないと、現在の不思議な無力感はなくならないかもしれない。みなさんのご感想は。

      ≪23日の日経平均 = 上げ +43.93円≫

      ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ


3月23日(木)のつぶやき

2017-03-24 05:05:39 | 株価

取り残される日本 : デフレ脱却 (下)

2017-03-23 08:21:15 | 日銀
◇ 外国人投資家も待ち疲れ? = 市場関係者によると、最近は資金を東京市場から新興国市場へ移す外国人投資家が増えているという。長い間、東京市場は「出遅れ感が強く、そのうちに買われる」と期待されてきた。しかし日本の景気は一向に好転せず、株価の戻りも鈍い。そこで待ちくたびれた外国人投資家が、東京を見限って新興国に向かうというわけだ。

政府の公式見解である月例経済報告は、もう長いこと「景気は回復基調を続けている」と書いている。日銀も「デフレ脱却までもう一息」と言い続けてきた。もしそうなら、景気はもう少しよくなっていなければおかしい。たしかに成長率はなんとかプラスを維持しているが、1%前後での足踏み状態がずっと続いているだけだ。

そんななかでも、企業の業績は絶好調である。その利益が賃金に回れば、景気の好循環が生まれる。政府はこう考えており、安倍首相は何度も経営者団体に大幅な賃上げを要請した。だが経済に好循環が起きるほどの賃上げは、いまだに実現していない。その理由は何なのか。政府はこの点をもっと真剣に究明すべきである。

たとえば法人税が高いからなのか。消費税の再引き上げを警戒しているのか。日本経済の行く手が不明瞭だからなのか。あるいは日銀のマイナス金利政策が、心理的には景気の浮揚よりも景気の抑制に働いているのかもしれない。政府は法人企業を対象に、よく投資計画や人員計画について調査している。今後は「投資や賃上げに消極的な理由」についても、アンケート調査を実施すべきだと思う。

      ≪22日の日経平均 = 下げ -414.50円≫

      ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ


3月22日(水)のつぶやき

2017-03-23 05:03:27 | 株価

取り残される日本 : デフレ脱却 (上)

2017-03-22 07:51:59 | 日銀
◇ ユーロ圏も利上げの方向 = ECB(ヨーロッパ中央銀行)のドラギ総裁は先週の記者会見で「デフレのリスクはおおむね消え去った」と発言した。このニュースは、なぜか日本ではあまり報道されていない。しかし欧米の市場では「そう遠くないうちに、ECBが金融政策の舵を利上げに切り替えるための布石」だとみて関心を寄せている。

ユーロ圏も長らく経済の不振に悩まされ、ECBは政策金利を下げ続けてきた。市中銀行がECBに置く当座預金については、12年7月にゼロ金利。14年6月にはマイナス金利、現在はマイナス0.4%の金利が適用されている。それを遠からずプラス金利に修正して行こうというのが、ドラギ発言の真意だろうと考えられているわけだ。

周知のようにアメリカのFRBは、すでに政策金利の引き上げに着手。一昨年12月と昨年12月、さらに先週も3回目の利上げに踏み切っている。ここでECBも利上げの方向に政策の舵を切り替えると、主要な先進国で取り残される形になるのは日本だ。黒田日銀総裁は利上げどころか、いまだに「マイナス金利の深掘りも辞さない」と言っている。

こうした中央銀行の姿勢の違いは、それぞれの景気状況の差異によって生じている。たとえばIMF(国際通貨基金)が発表した成長率予測をみても、アメリカは17年が2.30%、18年が2.50%となっている。またユーロ圏は17年も18年も1.60%だ。これに対して、日本は17年が0.80%、18年が0.50%と際立って低い。しかも17年より18年の方が低くなると予測されているのは、日本だけである。

                                (続きは明日)

      ≪21日の日経平均 = 下げ -65.71円≫

      ≪22日の日経平均は? = 下げ


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