経済なんでも研究会

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インフレ注意報 : 18年の経済 (中)

2018-01-05 08:12:15 | 景気
◇ 良好な日本経済の環境 = 日本の景気回復は、昨年10月で59か月の連続を記録した。だが、その回復テンポはきわめて緩く、実感に乏しい状態が長く続いてきた。しかし昨年の秋以降は、回復のテンポが目に見えて上がってきている。その主たる理由は、世界同時好況の進行だ。18年を迎えた時点で、日本経済の外部環境はかなり良好だと言えるだろう。  

IMF(国際通貨基金)の調査によると、先進国と新興国で構成するG20(主要20か国)の経済成長率が、17年にはすべてプラスになる。10年にも20か国が同時にプラス成長を記録したが、当時はリーマン・ショックの反動という色彩が濃かった。これに対して今回は自然な形で同時好況を実現しており、持続性は強いと考えられる。

たとえばアメリカの景気回復はすでに8年を超えているが、トランプ大型減税にも支えられて拡大の勢いは衰えていない。また中国経済も、最近は減速が止まったようにみえる。中国のGDP統計を疑問視する傾向も強いが、輸入が増えているので大丈夫だろう。ユーロ圏の経済も確実に回復しており、ECB(ヨーロッパ中央銀行)が緩和政策の修正を模索している状況だ。

ロシアやインド、ブラジルなど主要新興国の経済も上向き始めた。こうした世界同時好況は各国間の貿易や投資の拡大を通じて、相手国の経済に刺激を与える。要するに、世界経済の好循環だ。この枠組みは、いまのところ全く崩れていない。少なくとも18年の前半は、好循環が持続すると期待できるだろう。

                         (続きは明日)

      ≪4日の日経平均 = 上げ +741.39円≫

      ≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ


インフレ注意報 : 18年の経済 (上)

2018-01-04 07:52:09 | 景気
◇ 景気回復はまだ続く = 2018年は、どんな年になるのだろうか。まず政府が公表した経済見通しをみると、18年度の実質GDP成長率は1.8%、名目成長率は2.5%になると予測している。17年度の見込みは実質成長率が1.9%、名目成長率が2.0%だから、それほど大きくは変わらない。ただ消費者物価が1.1%上昇すると予測したため、名目成長率の伸びがやや大きくなっている。

内訳をみると、個人消費が1.4%、設備投資が3.4%、輸出は4.0%伸びると予測している。特に個人消費はある程度の賃上げが実現して、5年ぶりの伸び率になると期待しているようだ。物価の上昇は、原油の輸入価格が11%上昇するほか、景気の回復で内需が強まる結果だと説明している。

ところが民間の予測は、もっと控え目だ。日経新聞が民間エコノミストの予測を集計したところ、18年度の実質成長率は平均で1.2%にとどまっている。景気回復は持続するものの、そのテンポは17年度より緩やかになるという見通しだ。消費者物価についても、平均的な予測は0.9%とかなり低い。

政府の場合はこの成長率予測を土台に、税収の見積もりをはじき出す。だから成長予測が低すぎると、予算編成が困難になるという事情もある。一方、民間エコノミストの間では、18年度のオリンピック需要が17年度より低下するという見方が強いようだ。また賃上げに対する期待も、政府ほど大きくはない。

                       (続きは明日)

      ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ


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