経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

今週のポイント

2020-12-07 08:29:23 | 株価
◇ ダウは再び3万ドル乗せ = 世界の株価は11月、そろって大幅に上昇した。ダウ平均は11.8%と34年ぶりの上昇率。英FTは14%、独DAXは15%。なかでも日経平均は15.04%の上昇を記録した。アメリカの大統領選挙が終わり、コロナ・ワクチンの接種が始まることが株高の主因となっている。この流れを継いで、先週もダウは308ドルの値上がり。再び3万ドル台を回復した。

日経平均は11月、3456円も上昇した。月間の上げ幅としては30年ぶりの大きさだった。外国人投資家が出遅れ株に目をつけ、大幅に買い越している。国内の個人投資家は、むしろ売り越した。12月に入ると利益確定売りも増えたが、それでも先週は107円の値上がり。

先週の金曜日、アメリカでは11月の雇用統計が発表された。その内容は予想を裏切るものだったが、株価は上昇した。雇用の回復が遅れれば、政府の景気対策が膨張するという論理だ。ここからも判るように、市場は財政支出に期待をかける。その期待とコロナ不況との綱引きが、これから始まる。

今週は7日に、10月の景気動向指数。8日に、10月の家計調査と毎月勤労統計、7−9月期のGDP確定値、11月の景気ウオッチャー調査。9日に、10月の機械受注。10日に、10−12月期の法人企業景気予測調査、11月の企業物価。アメリカでは10日に、11月の消費者物価。11日に、11月の生産者物価、12月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が7日に、11月の貿易統計。9日に11月の消費者物価と生産者物価を発表する。

       ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ≫         

死者が語る コロナ肺炎の危険度 (39)

2020-12-05 07:49:52 | なし
◇ 日本の死亡者数が過去最多に = 世界の感染者は6450万人を超えた。人類のほぼ1%が感染したことになる。死亡者は150万人に達した。最も状態が悪いアメリカは感染者が1392万人、死亡者は27万3848人に。1日で3000人が亡くなっている。次いでブラジルの感染者は643万人、死亡者は17万4515人。インドは感染者が953万人、死亡者が13万8648人という状況だ。パンデミック(世界的大流行)は衰えていない。

続いてメキシコの死亡者は10万人台。イギリスは6万人の寸前。イタリア・フランスが5万人台。イラン・スペイン・ロシアが4万人台の死亡者を出している。アメリカ・イギリス・ロシア・中国では、ワクチンの本格的な接種が始まった。その効果は、いつごろ現われるのだろう。オリンピックまでに、間に合うのだろうか。

日本の状況も、急速に悪化した。4日午前0時の集計によると、感染者数は15万6683人。前週と比べて3万人近くも増加している。特に死亡者の数が急増した。死亡者の累計は2274人となり、前週より196人増加している。第1波がやってきた4月下旬に記録した1週間137人を大きく上回ってしまった。

死亡者が増えたのは、高齢者の感染が多かったためだと思われる。その原因に、GOTO トラベルやGO TO イートがあったのではないか。菅首相は「そのエビデンス(証拠)は認められない」と主張しているが、国民の多くは「関係あり」と考えているだろう。政府がいま対応を誤ると、政権の支持率を急落させる危険性がある。

        ≪4日の日経平均 = 下げ -58.13円≫

        【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】     

GOTO政策に欠けた 心理学

2020-12-04 08:22:40 | なし
◇ 政府の真剣度を計る物差し = 「GO TO 政策がコロナを拡大したというエビデンス(証拠)はありません」と、国会で菅首相が珍しく横文字を使って答弁した。質問した立憲民主党の枝野代表は「拡大しなかったというエビデンスもないのでは」と反論したが、議論は全くかみ合わない。テレビで見ていた国民は、肩すかしを食って虚しさを感じただけだった。

しかし政府はエビデンスがないにもかかわらず、GO TO トラベルの一部停止に踏み切った。札幌市と大阪市をキャンペーンの対象から外し、東京都民も高齢者や持病のある人は利用を控えてほしいと言っている。だが、この程度の修正でコロナの拡大を止められるのだろうか。多くに人が不安を感じているようだ。

GO TO トラベル政策の運用に関心を持っているのは、なにも旅行を計画している人だけではない。買い物に出かけたり、外食をしようと考えている人たちも、日ごろから大いに気にしている。そういう一般人のGO TO トラベルに対する印象は、政府が発する青信号だ。なにしろ政府がおカネを出してまで旅行を奨励する政策なのだから、赤信号ではありえない。

したがってGO TO トラベルの一部が停止されても、青信号が消えたとは感じられない。あの緊急事態宣言の当時に比べれば、人々が移動することの危険度はまだまだ低い。こう感じる人が多いから、街中の人出も大きくは減らない。つまりGO TO トラベル政策はそれをを利用する人より、一般の人に対する心理的な影響度の方がはるかに大きい。このことを計算に入れないと、政府のコロナ対策は失敗するだろう。

       ≪3日の日経平均 = 上げ +8.39円≫

       ≪4日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

ダウ3万ドル その先は? (下)

2020-12-03 07:10:48 | 株価
◇ 暴落を招く3つの出来事 = いま各国の中央銀行が、巨額の現金を放出し続けていることは周知の通り。金融緩和政策はリーマン危機から始まり、コロナ不況で大幅に拡大された。アメリカのFRB、ヨーロッパのECB、それに日銀が保有する国債や株式などの総計は、なんと2400兆円。この1年で1.5倍に増加した。これによるカネ余りが、長期にわたる株高の原動力となっていることは間違いない。

現在のコロナ不況は08年に始まったリーマン不況と同じか、それ以上の災厄をもたらしている。だがリーマン不況では株価が低落したものの、コロナ不況では株価は上昇した。たとえばコロナ騒ぎが始まった2月末と現在を比べてみると、ダウ平均は4200ドル、日経平均は5300円ほど値上がりしている。これは中央銀行の現金放出額が、リーマン時の4倍にのぼっていることと無関係ではないだろう。

したがって株価を押し上げる原動力は、きわめて強力だ。このため少々の悪材料は無視して、株価は上昇する。しかし落とし穴も、ないではない。その第一は、リーマン並みの金融危機が起きること。IMF(国際通貨基金)によると、信用力の低い債券を集約した仕掛け債などの高リスク資産は、世界でリーマン時の2倍、9兆ドルに増加している。

第二は、新興国の経済破綻だ。すでにアルゼンチン・レバノン・エクアドルの3国は、デフォルト(債務不履行)の状態に陥った。コロナ不況でこの流れが拡大すると、危険性は増大する。そして第三は、インフレの進行。いま物価は落ち着いているが、仮にインフレが進行し始めると、中央銀行は金融を引き締めざるをえなくなる。つまりカネ余りの供給源が閉ざされるから、株価は下降局面に入るだろう。

       ≪2日の日経平均 = 上げ +13.44円≫

       ≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

ダウ3万ドル その先は? (上)

2020-12-02 07:37:41 | 株価
◇ 小休止のあと再上昇へ? = ダウ平均株価は先週24日、終り値で3万ドルの大台に乗せた。ダウ平均の誕生は1895年。それが1万ドルに乗せたのは1999年3月で、その間に104年の歳月を要している。2万ドル乗せは2017年1月、その間は18年。そして3万ドルまでは3年10か月しかかからなかった。恐るべき加速度ぶりである。そのスピードは、今後も落ちないのだろうか。

いま専門家の間では、意見が分かれている。超強気派は株価の上昇はまだまだ続き、おそらく2年後には4万ドルに近づくと予想する。超弱気派は実体経済とのかい離が大きくなりすぎたから、すでに大天井の範囲に突入したと断定する。多くの見解は、その中間で分散している。コロナ不況の程度やワクチンの有効性をどうみるかでも、意見は変わってくるようだ。

現実の可能性は、①株価の上昇力は衰えず、今後も高騰を続ける②高値警戒感が強まり、株価は下降局面を迎える③いったん反落するが、再び上昇軌道に乗る――の3つだろう。結論から言えば、このうち①は否定できないが、可能性はそんなに大きくない。②は可能性がほとんどない。③が最もありうる方向である。

その最大の根拠は、やはり想像を超えたカネ余りに求められる。仮にコロナ不況が増大し、警戒感が高まって株価が下落しても、多くの投資家はカネの運用先がない。しばらくして株価が上昇すると考えられれば、それに乗り遅れないようにと早めに投資する。こうした力が働いて、株価の下落は長続きしないと思われる。だが落とし穴もないではない。

                                (続きは明日)

        ≪1日の日経平均 = 上げ +370.68円≫

        ≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

Zenback

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