経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

死者が語る コロナ肺炎の危険度 (40)

2020-12-12 07:34:25 | なし
◇ 日本の死亡者は5月の2倍を超えた = 世界の感染者は6900万人、死亡者は160万人に接近した。アメリカは感染者が1535万人、死亡者は28万9451人に。相変わらず最悪の状態が続いている。入院者は10万人に達し、各地で医療崩壊の声が。サンフランシスコ市でも外出規制が実施された。一方、ヨーロッパでは都市封鎖の効果が出始め、各国の感染者はひとまず頭打ちの状態となっている。

ブラジルは感染者が672万人、死亡者は17万8995人。インドは感染者が976万人、死亡者は14万1772人と増え続けている。死亡者だけをみると、メキシコが11万人台、イギリスとイタリアが6万人台。フランスとイランが5万人台に増加した。続いてスペインとロシアが4万人台となっている。

日本の感染者数は11日午前0時の集計で、累計17万3128人に。この1週間で1万6445人増えた。死亡者の累計は2526人、この1週間で252人の増加となった。第1波が襲った5月は、1か月で441人が亡くなっている。これが月間では最多の記録。ところが10日までの2週間で死亡者は448人に達した。5月を2倍以上も上回る多さとなっている。

北海道と大阪市には、自衛隊が派遣される事態となった。にもかかわらず、政府はまだGO TO キャンペーンに固執している。GO TO 政策が「感染を拡大しているエビデンス(証拠)はない」というのが、その理由。しかしGO TO は政府が“青信号”を出し続けているエビデンスと受け取る人も多く、外出自粛の要請をしても効果が限られる。政府の判断ミス、その責任はだれが取るのだろうか。

       ≪11日の日経平均 = 下げ -103.72円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】     

百合子知事 国を牽制 : ガソリン車ゼロ

2020-12-11 08:01:30 | 環境
◇ 東京だけの問題ではない = 小池東京都知事は8日の都議会で「30年までに都内で販売する新車をすべて電動車にする」と発言した。電動車というのは、EV(電気自動車)・ハイブリッド車・燃料電池車の総称。つまりガソリンだけで走る車はなくすという意味だ。これまでは「30年までに電動車を50%にする」ことを目標にしてきたが、それを大幅に強化することになる。

その理由について、小池知事は「ガソリン車の廃止は世界の潮流であり、大都市の責務だ」と述べている。たしかにイギリスは30年にガソリン車を販売停止。アメリカのカリフォルニア州と中国は、35年までに販売を禁止。フランスは40年までに販売禁止する方針を正式に発表した。

これに対して日本政府は「30年代の半ばにガソリン車の販売をゼロにする」目標を掲げている。こうしたなかで440万台の自動車を保有する東京都が率先して目標を前倒しし、政府の尻を引っぱたいた形となった。小池知事としては「私が総理大臣だったら、こうするよ」という姿勢も見せつけたかったに違いない。

その姿勢には、拍手を送りたい。しかし東京都だけで、この問題は解決できない。たとえば都民が他県でガソリン車を購入することは防げない。もっと重大なことは、ガソリン・エンジンや周辺機器を製作している中小の部品メーカーをどう救済するか。国が関与しなければならない問題が多数ある。小池知事は「唯我独尊」ではなく、国を「巻き込む」姿勢でコトを進めてもらいたいものだ。

       ≪10日の日経平均 = 下げ -61.70円≫

       ≪11日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

線香花火の消費支出 : 10月

2020-12-10 07:55:34 | 景気
◇ 前年比プラスは一瞬に終わる公算 = 家計の消費支出が、1年ぶりに前年の水準を上回った。総務省が8日発表した10月の家計調査によると、単身を除く世帯の消費支出は平均28万3508円。前年より1.9%増加した。10月はコロナの感染拡大が下火になり、GO TO キャンペーンが実施されたため、旅行や外食などのサービス消費が上向いた。

モノの消費も伸びている。たとえば冷蔵庫や洗濯機などの家庭用耐久財に対する支出は67.9%も増加している。また食事代も0.7%ではあるが、13か月ぶりに前年比でプラスとなった。こうしてコロナの蔓延で暗闇に包まれていた個人消費には、久しぶりに明るさが戻った形。だが全く安心は出来ない。

まず昨年10月には、消費税が10%に引き上げられた。したがって、19年10月の消費支出は前年比で2.0%減少している。仮に消費増税に伴う消費の減退がなかったとしたら、ことし10月の消費支出が前年比でプラスになったかどうか。微妙なところである。また11月以降は、再びコロナの再拡大が始まり、不要不急の外出や店舗の営業時間短縮が要請された。

このため11月以降は。再び消費支出の前年割れを覚悟しなければならない。要するに10月の消費回復は、いわば一瞬の明るさ。線香花火の火はすぐ落ちて、再び暗闇に包まれる。するとGO TO 政策は何だったのか。国民の多くが首をかしげ、菅内閣の支持率が急落。その理由が家計調査からも、読み取れる。

       ≪9日の日経平均 = 上げ +350.86円≫

       ≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

がんばれ 公明党 : 高齢者医療費

2020-12-09 08:26:37 | 高齢者
◇ 「参院選後なら」は頂けないが = 75歳以上の後期高齢者が、医療機関の窓口で支払う自己負担金が引き上げられる。現行は医療費全体の1割だが、これが2割負担となることは確実。ただ2割負担となる人を収入いくら以上の人にするかで、いま政府・与党が大揉めに揉めている。菅首相は「年収170万円以上」に固執しているが、公明党は「240万円以上」を主張。自民党内にも、公明党に同調する声が強まっているからだ。

高齢者の自己負担金を引き上げるのは、現役世代の重荷を和らげるため。後期高齢者の医療費は現在、その4割を健康保険組合が分担している。ところが団塊の世代が75歳に達すると医療費が急増、健康保険料を支払っている現役世代の負担が重くなる。これを軽減することが目的で、政府は来年の通常国会に法案を提出、22年度から実施する方針だった。

ところが22年夏には、参院選が予定されている。そこで公明党は、まず「参院選後の実施」を強く要求。さらに引き上げの対象者も「240万円以上」に緩和するよう申し入れた。菅首相が主張する「170万円以上」だと、引き上げの対象者は520万人。公明党の「240万円以上」だと200万人に減る。

いま高齢者はコロナの感染に怯え、外出もままならない。年金の支給額も実質では減らされた。だから公明党には「がんばれ」と応援したくなるだろう。しかし「参院選のあとならいい」という言い分は、いささか頂けない。あまりにも、見え見えすぎる。それより「もっと時間をかけて引き上げる」とか「85歳になったら再び1割負担に戻す」とか。もう少しチエを出してもらいたいものだ。

       ≪8日の日経平均 = 下げ -80.36円≫

       ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

財源に触れず 菅経済ビジョン

2020-12-08 08:46:29 | なし
◇ グリーン&デジタルは結構だが = 菅内閣の長期経済ビジョンが明らかになった。①50年までに温暖化ガスの排出をゼロにする目標に向けて、技術革新に投資する企業を支援するために2兆円の基金を創設②デジタル化を促進するため1兆円の予算③コロナ対策として営業時間を短縮する企業への支援金1兆5000億円――がその骨子。要するにコロナ対策を実施しながら、「グリーン化とデジタル化」で日本経済の再建を図る。きょうの閣議で正式に決定する予定だ。

ひと口に「グリーン化」と言っても、その範囲は広い。再生可能エネルギーや原発の扱いから、EV(電気自動車)や燃料電池の開発まで。同様に「デジタル化」も、遠隔通信から6Gの技術、ロボットから宇宙開発までが含まれる。いずれも日本の将来を決定づける重要な分野だから、ここに着目した政策は正しい方角を向いていると言えるだろう。

ただ範囲が広いだけに、予算はバラマキ型になりやすい。中核的な部門に、資源を集中すべきだろう。それと財源の問題は、どうするのか。すでに政府は20年度に2回の補正予算を編成、合計57兆円の支出を決定済み。さらに第3次補正で20兆円程度の追加支出を決める予定。そこにグリーン化、デジタル化ガ加わることになる。

コロナという不測の事態に直面したので、すべて仕方がないことは確かだろう。だが、それにしても財源はどうするのか。国債を増発して日銀が引き受ければ、それで済むのか。菅首相は長期ビジョンを発表した記者会見で、財源には一言も触れなかった。記者側からも、財源を聞く質問は出なかった。これでいいのだろうか。

       ≪7日の日経平均 = 下げ -203.80円≫

       ≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

Zenback

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