経済なんでも研究会

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失速した? 中国経済

2021-10-19 08:14:42 | 中国
◇ 7-9月期はゼロ成長に近づく = 中国統計局は18日、ことし7-9月期のGDP速報を発表した。それによると実質成長率は4.9%で、4-6月期に比べて3ポイントも低下している。原材料価格の高騰で企業の設備投資意欲が弱まり、コロナ再発による移動規制で消費が減退。さらに電力不足で生産が鈍化、恒大集団の行き詰まりで不動産投資も伸びなかった。ただ欧米の景気回復と価格の上昇で、輸出は過去最大となっている。

同時に発表された9月の主要指標も、そろって下向いている。鉱工業生産は1-9月では前年比11.8%の増加だったが、9月は3.1%の増加にとどまっている。。電力不足によって工場の稼働率が、大幅に低下した。また小売り売上高は1-9月では16.4%の増加だったが、9月は4.4%の増加。1-9月の固定資産投資額も7.3%の増加に落ちている。

中国はGDPの伸び率を、前年同期との比較で発表している。これに対し欧米や日本は、前期に比べた変化を年率換算する方法を採用している。この方法で中国の7-9月期を計算すると、前期比は0.2%程度。これを年率に換算しても1%には達しない。つまりゼロ成長近くまで失速したことになる。

中国経済の減速は、10-12月期も続く公算が大きい。習近平政権は、おそらく地方政府に公債の発行でインフラ投資を増やさせることになるだろう。しかし問題はインフレ。9月の卸売り物価は2ケタの上昇となっており、これが消費者物価に波及すれば、国民の不満は爆発しかねない。したがって従来のように、景気対策を打てばいいという状態ではなくなっている。北京政府のお手並み拝見ということになる。

        ≪18日の日経平均 = 下げ -43.17円≫

        ≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

今週のポイント

2021-10-18 07:33:02 | 株価
◇ 株式市場に戻った資金 = ダウ平均は先週549ドルの値上がり。終り値は1か月半ぶりに3万5000ドルを回復した。再び史上最高値を更新する勢いをみせている。規制の緩和で経済の正常化ガ進み、小売り売上高が予想を上回ったこと。金利と原油の上昇が一服し、企業業績の先行きも明るくなったことで、安心感が広がった。

日経平均は先週1020円の値上がり。終り値は2週間ぶりに2万9000円を回復した。ニューヨーク市場の活況に引きずられたうえに、円安の進行で輸出関連株が買われた。岸田首相が金融課税の強化を見送ったこと、中国の恒大集団が持ちこたえていることも、安心感につながっている。総選挙の結果、自民・公明の与党が負ける可能性は小さく、政局はほとんど材料視されていない。

東京市場の株価が大幅に上昇した背景には、コロナ感染者の劇的な減少がある。しかし近いうちにリバウンドは、必ず起きると覚悟しなければならない。また円安は行き過ぎると輸入価格が上昇し、企業の収益を圧迫する。要するに豊富すぎる投資資金は行き先がないから、悪材料が消えれば株式市場に戻ってくる。逆に悪材料が出れば、市場から出て行く。その意味での注目点はアメリカでは物価と金利。日本ではエネルギー価格と円相場ということになるだろう。

今週は20日に、9月の貿易統計。22日に、9月の消費者物価。アメリカでは18日に、9月の工業生産と10月のNAHB住宅市場指数。19日に、9月の住宅着工戸数。21日に、9月の中古住宅販売。また中国が18日に、7-9月期のGDP速報、9月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。

        ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ≫


死者が語る コロナ肺炎の危険度 (83)

2021-10-16 08:48:09 | なし
◇ 東南アジアも鎮静の方向に = 世界の感染者は累計2億3916万人、この1週間で264万人増加した。死亡者は487万4334人で4万5964人の増加。前週に比べると、感染者の増加数は61万3000人、死亡者の増加数は8214人減った。状態は少しずつではあるが、改善を続けている。国別の死亡者をみても、その増加数はロシアを除いて縮小した。

アメリカの死亡者数は累計71万9551人、この1週間で1万1752人増加した。それでも前週よりは900人ほど減少している。ブラジルは60万人台に乗せ、インドは45万人台、メキシコは28万人台。続いてロシアが21万人台で、前週より6700人の増加。インドネシアが14万人台、イギリスとイタリアが13万人台、イランが12万人台、フランスが11万人台となっている。

東南アジア諸国でも、目立って鎮静化した。たとえば8月上旬と直近の1週間で死亡者の増加数を比べてみると、インドネシアは1万4116人→354人。ベトナムは1697人→771人、タイは1101人→611人、マレーシアは1294人→612人など、大幅に縮小した。これら諸国ではコロナの流行で工場の操業が止まり、日本でも部品や冷凍食品の不足に悩まされた。この調子なら、遠からず復旧するだろう。

日本の感染者は累計171万2979人。この1週間で5241人増加した。前週の増加数より1100人ほど減っている。また死亡者は1万8055人で、195人増加した。これも5週連続で縮小している。ワクチン接種率の上昇と、マスクや手洗いの励行によるものだろう。10月1日から緊急事態宣言がすべて解除されたが、その影響でリバウンドがいつから出始めるかが注目のマトだ。

        ≪15日の日経平均 = 上げ +517.70円≫

        【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】    

新聞に モノ申す

2021-10-15 08:11:59 | 新聞
◇ 要らない情報が多すぎる = 全国紙も地方紙も、結構なスペースを割いて天気予報を載せている。だが、この気象情報は何時間前のものだろう。紙面の編集→印刷→発送→配達にかかる時間を考えると、かなり古いものに違いない。テレビやSNSは、気象庁の発表を即座に流している。人々はどちらを信用するだろうか。いったい新聞の天気予報欄を読む人は、どれほどいるのだろうか。

夕刊に大きな見出しで「午前の株価、急騰」という記事が載っている。だが午後は急反落し、読者がその記事を読むころには前日比で下落していることも少なくない。なにか騙されたような気さえしてしまう。すべての新聞ではないが、まだ夕刊に相場表を載せている新聞がある。これも読者の手に届くころは、終り値が出ているのだから無意味だろう。

社説にも疑問がある。なにも主張せず、ただ事件を解説しているだけの社説をよく見る。また乱暴な主張をする社説もないではない。たとえば「アルカイダは自制せよ」なんて書いても、どうなるんだ。社説として取り上げるべき適切なテーマがないときは、社説を休んだらどうか。ムリに創作した論説を読まされるのは、やりきれない。

新聞はいま、テレビとSNSに浸食されて苦戦している。電子版を立ち上げても伸び悩み。あのニューヨーク・タイムズは、昨年からテレビ番組表の掲載を止めてしまった。理由は「多くの読者がテレビやSNSで調べるからだ」という。新聞はよく苦境に陥った企業や業界に対して「改革が必要」と解説する。いまこそ新聞自体が、改革を必要としているのではないか。きょうから新聞週間。

       ≪14日の日経平均 = 上げ +410.65円≫

       ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

エネルギー がぶ飲み / 中国

2021-10-14 07:04:43 | 中国
◇ 天然ガスの輸入は4割増 = 中国税関総署は13日、9月の貿易統計を発表した。それによると、輸出は3057億ドルで前年比28.1%の増加。輸入は2390億ドルで17.6%の増加だった。この結果、貿易収支は668億ドルの黒字となっている。輸出は予想より伸びが大きく、輸入は予想より伸びが小さかった。欧米諸国の景気が回復中である半面、中国の景気は鈍化していることを反映している。

輸出を相手国別にみると、第1位はアメリカで輸出額は574億ドル。次いでEU向けが445億ドル、ASEAN向けが404億ドルとなっている。とにかく、この3地域向けの輸出額が大きい。また日本への輸出額は144億ドル、日本からの輸入額は181億ドルだった。日本側の輸出超過となっている。

景気の鈍化を反映して輸入の伸びは予想を下回ったが、エネルギーの輸入だけは急増した。ことし1-9月間の輸入額を前年同期と比べてみると、石炭は26.1%、原油は33.8%、天然ガスは39.6%も増大した。いま中国では石炭火力発電所の稼働率が低下し、全国で停電が発生している。この状態を改善するため、天然ガスなどの輸入が急増しているわけだ。

新型コロナの流行が落ち着き、欧米諸国が経済の正常化に踏み切った。このためエネルギーに対する需要が増大、その一方で供給が追い付かない。その結果、エネルギーの国際価格が急騰している。そこへ中国の輸入増加が、追い討ちをかける形となった。日本も高いエネルギーを買わされるから、経済的には大きな打撃を受けることになる。

        ≪13日の日経平均 = 下げ -90.33円≫

        ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

Zenback

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