経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

死者が語る コロナ肺炎の危険度 (103)

2022-03-12 08:06:09 | なし
◇ 世界の死亡者は600万人を超す = 世界の感染者は累計4億5164万人、この1週間で1147万人増加した。この増加数は、前週より100万人ほど拡大している。死亡者は602万2223人で、とうとう600万人台に乗せてしまった。ただ増加数は前週より5000人縮小、4週連続で減少している。コロナの増勢は止まっているようだが、いぜん高水準で終息の兆しは見えない。

国別の状況をみると、アメリカの死亡者数は累計96万3819人。この1週間で9300人増加した。週間の増加数が1万人を割ったのは、1月上旬以来のこと。ニューヨーク市などで、規制の解除が進められている。次いでブラジルの死亡者数は65万人台、インドが51万人台、ロシアが35万人台、メキシコが32万人台。あとはイギリスが16万人台、イタリアとインドネシアが15万人台、フランスが14万人台、イランが13万人台となっている。

心配なのは、お隣り韓国の状況。感染者は累計554万人だが、この1週間で185万人も増えている。大統領選挙があったせいなのか。また新種の変異株が出たためなのか。その辺の情報はまだない。死亡者は累計9646人、1週間で1252人増えている。世界の感染者、死亡者の増勢が高止まりしているなかで、異常なことは確かだ。

日本の感染者は累計561万8617人、この1週間で39万7185人増加した。この増加数は前週より6万3743人少なく、4週連続で縮小している。死亡者は2万5722人、週間1320人の増加だった。前週より288人減少している。死亡者数の減少は1月上旬以来9週間ぶり。年度末、就職・入学のシーズンを迎えて、この調子が続くのかどうか心配だが、やや明るさは出てきた。

        ≪11日の日経平均 = 下げ -527.62円≫

        【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】     

インフレは避けられない : 企業物価

2022-03-11 07:39:25 | 物価
◇ 黙り込んだ日本銀行 = 日銀は10日、2月の企業物価を発表した。それによると、前年比の物価水準は9.3%の上昇。1月の8.9%から、さらに上昇幅を広げている。この上昇幅は石油ショックの後遺症が残っていた1980年以来の大きさ。これで12か月連続で前年比プラスを記録した。原油や資源の高騰に加え、円安が輸入物価を上昇させている。ウクライナ情勢が悪化したため、3月はさらに上昇幅が拡大しそうだ。  

品目別にみると、最も上昇したのは木材・木製品で前年比58.0%の上昇。次いで石油・石炭製品が34.2%、非鉄が24.9%、鉄鋼が24.5%の上昇だった。また電力・ガス・水道は27.5%の上昇となっている。円安が進んだために、輸入物価は全体として34.0%の上昇。品目では、石油・石炭・天然ガスが84.8%も値上がりした。

企業物価というのは、企業間で取引されるモノの価格。ここからモノは小売り段階へと流れるから、消費者物価もしだいに上昇する。ただ1月の消費者物価は、まだ前年比0.2%の上昇にとどまっている。これはコロナ不況の影響で、価格の転嫁が遅れているためだ。しかし時間がたてば小売り段階でも物価が上昇、インフレ傾向が強まって行くことは避けられない。

日銀は依然として「物価が2%上昇するまでは、現在の超金融緩和政策を続ける」と言い続けている。これは「景気が回復して物価が2%程度は上昇するまで」という意味だ。ところが企業物価の動向から判断すると、消費者物価はそう遠くないうちに2%上昇するかもしれない。そうなったら、日銀はどうするのか。緩和政策を続ければ、インフレは進行するだろう。と言って金融を引き締めれば、景気が悪くなる。この点について、日銀はダンマリを決め込んでいる。

        ≪10日の日経平均 = 上げ +972.87円≫

        ≪11日の日経平均は? 予想 = 下げ≫ 

原発を どうするんだ!

2022-03-10 07:46:01 | エネルギー
◇ 逃げ回っている与野党の議員たち = EUの執行機関であるヨーロッパ委員会は「EUの基本政策を遂行するために、原発と天然ガスは適格である」と決定した。ウクライナ戦争でエネルギー事情が窮迫したため、というわけではない。ロシアの侵攻より前、2月2日の決定である。EUは30年までに温室効果ガスを90年比で55%以上削減する方針だが、この目標を達成するためには原発と天然ガスは欠かせないと判定したわけである。

そこへロシア軍のウクライナ侵攻。原発の再利用に関する議論が、一気に高まった。もともとEUではフランス、フィンランドなどが原子力の推進派。フランスのマクロン大統領は、さっそく「原発14基を新設する」と発表した。一方、ドイツやスペインなどは原発には反対、天然ガスの推進派だった。ところがロシア産のガスに頼れなくなったため、たとえば原発は絶対反対だったドイツの緑の党までが、原発の再利用を考えてもいいと言い出している。

原油やLNG(液化天然ガス)の価格高騰で、このようにEUでは原発論争が盛り上がっている。ところが日本では、政府も与野党議員も何も言わない。たとえば「原油の国際価格が80ドルを超えた状態では、特例として原発の再稼働を増やす」などの提案は出てこないのか。もちろん地元の承諾が必要だが、いまは非常事態。こんな議論があってもいい。

放射性廃棄物の最終処理が出来ない。だから原発はダメというなら、それでもいい。その場合は再生可能エネルギーに頼るしか方法がない。したがって政府は太陽光や風力発電の普及に、全力を傾けるべきである。たとえば年間10兆円ぐらいの予算を数年にわたって組む。そんな議論もあっていい。しかし与野党の議員は、選挙を恐れて何も言わない。そうして日本は世界に後れをとり、ダメな国になって行く。

        ≪9日の日経平均 = 下げ -73.42円≫

        10日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

コロナ前に戻らない 給与総額

2022-03-09 07:33:23 | 所得
◇ コロナの2年間で2348円の減少 = 厚生労働省は8日、ことし1月の毎月勤労統計を発表した。それによると、1人当たりの現金給与総額は27万4172円で、前年を0.9%上回った。このうち一般労働者は35万6357円で1.2%の増加、パートタイム労働者は9万5945円で1.0%の増加だった。昨年1月はコロナ第3波の真っ最中だったから、それに比べればやや改善したことになる。ただ改善の程度は、きわめて小さい。

ちょうど2年前の20年1月、コロナの影響はまだ全く現われていない。そこで、ことし1月と20年1月の数字を比べてみると――。当時の現金給与総額は27万6520円だったから、この2年間で給与は2348円減ったことになる。このうち一般労働者は4093円、パート労働者は1094円の減少だった。給与はまだコロナ前の水準には戻っていない。

給与総額が増加しない大きな原因の1つは、団塊の世代が定年に達して労働者の平均年齢が下がったからかもしれない。もちろんコロナ不況の影響もあった。たとえば1月の総労働時間は平均128.9時間で、2年前より2.4時間少なかった。特に鉱業・砕石業、建設業、飲食サービス業、教育・学習支援業の労働時間が、大幅に短くなっている。

このほか、ことし1月のパート比率は31.54%で、2年前より0.33ポイント低下した。またパートの平均時給は、最低賃金が引き上げられたこともあって1243円に上昇。2年前より45円上がっている。時給が上がっているのに比率が下がったのは、やはりコロナ不況によるものだろう。コロナの影響は「やはり大きい」と考えるべきなのか、それとも「この程度で済んでいる」と考えるべきなのか。

        ≪8日の日経平均 = 下げ -430.46円≫

        ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

‟中成長国”になった 中国

2022-03-08 08:03:20 | 中国
◇ 45兆円の減税で5.5%成長を死守へ = 中国では5日、全国人民代表大会が開幕した。まず李克強首相が、施政方針演説に当たる政府活動報告を発表。そのなかで「22年の実質経済成長率は5.5%程度を目標にする」方針を明らかにした。21年は「6%以上」としていたから、ことしは目標を引き下げたことになる。李首相はその理由として、いま中国は「需要の縮小、供給網の目詰まり、経済先行きへの期待の後退」という3つの圧力に曝されていると説明した。

この成長率を達成するため、政府は2兆5000億元(約45兆円)の減税を実施する。地方のインフラ債券も3兆6500億元を発行する。金融政策は緩和の方向を目指す。こうして5.5%の成長率はなんとしても達成するというのが、政府の強い姿勢であると強調した。というのも経済の拡大を維持し、秋に予定される共産党大会で習近平体制の続投を実現しなければならないからだ。

中国の実質成長率は、コロナの影響で20年は2.2%に低下。その反動もあって21年は8.1%に上昇した。そのあと22年が目標通り5.5%になるとしても、かつての2ケタ成長とはほど遠い。たとえば昨年10-12月期の成長率は年率4.0%に落ちている。少子高齢化の進展などもあって、中国は完全に‟中成長国”に変貌したと言えるだろう。

しかも、ことしの目標である5.5%成長の達成も、決して容易ではない。世界が原油や資源高で苦しむなかで大規模な景気対策を講じれば、インフレになる可能性は増大する。また習主席が公約している‟共同富裕”を推進すれば、景気にとってはマイナスになりやすい。こうした問題を抱えながら、いかに目標を達成するか。習政権の腕の見せ所だが、至難の道であることは確かなようだ。

        ≪7日の日経平均 = 下げ -764.06円≫

        ≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

Zenback

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