経済なんでも研究会

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迷うFRB  願う株式市場

2023-06-13 07:59:52 | 株価
◇ 14日には判明する「利上げ」か「据え置き」か = FRBは13-14日にFOMC(公開市場委員会)を開いて、金融政策を決定する。現状で考えられる選択肢は①0.25%の政策金利引き上げ②金利を据え置くが、利上げを再開する可能性を示唆する③金利を据え置き、今後も利上げの可能性は小さいと示唆する--の3つ。金融政策の大きな転換点になるだけに、全世界から注目されている。しかしFOMCがどんな決定を下すのか、いまのところは全く不明だ。

というのもFRB内部でも、物価や景気に関する見方が真っ二つに分かれているからだ。たとえば5月の雇用統計で、非農業雇用者数は予想を大きく上回って増加した。ところが失業率は上昇、平均時給は伸びが縮小した。また高額商品の売れ行きはいいが、各種の業況調査では景気の下降を示す結果が多い。要するに、インフレと景気の先行きを判断しにくくなっているわけだ。

ほかにも短期金利が長期金利を上回るという異常な状態が、長期にわたって続いている。さらに不動産価格も下落してきた。これまでに実施した引き締め政策の効果を見るためにも、今回は利上げしないという意見も強まっている。その一方、カナダは利上げを休んだ結果、物価が再上昇。利上げの中断が危険なことを物語った。結局はパウエル議長が、裁定することになるのだろう。

市場では一時「ことし後半には利下げ」という観測が強まっていた。さすがに、こんな高望みは消えたが、「金利は据え置き」を待望する声はきわめて強い。したがって、仮に「0.25%の利上げ」となれば、市場は失望するだろう。もし「据え置き」となれば、株価は新たな上昇軌道に乗る可能性も小さくはない。だが、そこまで考えると、これはパウエル議長が「利上げは必要」と判断する1つの材料になってしまうかもしれない。

        ≪12日の日経平均 = 上げ +168.83円≫

        ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ

今週のポイント

2023-06-12 07:31:11 | 株価
◇ FRBは利上げを見送るのか = ダウ平均は先週114ドルの値上がり。2週連騰で、終り値は5月1日の3万4000ドルに近付いた。地銀からの預金流出による金融不安、連邦政府の債務上限引き上げ問題が片付いて、市場の空気は急速に明るさを増した。残るは今週14日に発表されるFRBの金融政策。もし利上げが見送られれば、当面は雲ひとつない快晴に。ニューヨーク市場の株価は、新たな目標を探すことになるだろう。

日経平均は先週741円の値上がり。9週連騰で、この間の上げ幅は4747円に達した。外国人投資家による買い気はいぜん根強く、過去10週間の買い越し額は4兆5000億円を超えている。利益確定売りも大量に出ているが、買い気も強い。このため1日の値幅が大きく動く日が多かった。ただ、さすがに急速な上昇を心配する声も大きくなっている。

FRBは今週13-14日にFOMC(公開市場委員会)を開いて、金融政策を決める。市場では「利上げ見送り」説が広まっているが、実際どうなるかは不明。もし0.25%の利上げに踏み切ったら、市場は一時的にショックを受けるかもしれない。だが株価の反騰は早いだろう。もし金利を据え置いたら、市場は怖いものなし。ダウは3万5000ドルを目指して動き出すだろう。

今週は12日に、5月の企業物価。13日に、4-6月期の法人企業景気予測調査。15日に、5月の貿易統計、4月の機械受注、第3次産業活動指数。アメリカでは13日に、5月の消費者物価。14日に、5月の生産者物価。15日に、5月の小売り売上高、工業生産。16日に、6月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が15日に、5月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。なお14日に、パウエルFRB議長の記者会見。

        ≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

原油価格は 上がる? 下がる?

2023-06-10 07:34:57 | エネルギー
◇ 産油国は100万バレルを追加減産 = OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどの産油国は4日、オーストリアのウイーンで閣僚級会合を開き、現在の減産体制を24年末まで継続することを決めた。またサウジアラビアは独自で、7月あるいはそれ以降も日量100万バレルを減産する。現行の減産量は366万バレル、サウジの新たな減産を加えると計466万バレル。世界消費量の4.6%に当たる。

こうした減産量の拡大は、言うまでもなく原油の国際価格を押し上げることが目的。たとえばニューヨーク市場のWTI〈テキサス産軽質油)先物価格は、ウクライナ戦争が始まった直後の昨年3月には1バレル=130ドルにまで高騰した。しかし、その後はずっと下げ基調で、最近は70ドルを割り込む場面もあった。今回の決定で75ドルまで上昇したが、すぐに70ドル近辺へ反落している。というのも今回の会合では減産に反対する国が多く、結局はサウジアラビアが独自の減産で体面を保った形になったからだ。

今後の原油価格は上がるのか、それとも下がるのか。まず供給面からみると、産油国側がこれ以上の減産をすることは、多くの国が反対していてかなり難しい。次に需要面での要因は、アメリカと中国の景気動向ということになる。そのアメリカは、これから景気後退に入るという見方が強い。また中国の景気回復も、いまの足取りはきわめて鈍い。

したがってWTI価格は、年内60-80ドル程度で推移する公算が大きい。日本にとっては、一息つける状況だろう。しかし電気料金やガソリン代に対する補助金は、間もなく終了する。政府はまた補助金の延長を考えるのだろうか。もっと根本的なエネルギー対策が必須だと考えられるが、決定したばかりの“骨太の方針”をみても、そんな影は見当たらない。

        ≪9日の日経平均 = 上げ +623.90円≫

        【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】    

物価高に追い付けない 賃上げ

2023-06-09 07:45:51 | 所得
◇ 実質賃金は13か月連続で減少 = 厚生労働省は6日、4月の毎月勤労統計を発表した。それによると、1人当たりの現金給与総額は28万5176円。前年同月比では1.0%の増加だった。ところが物価が4.1%も上昇したため、実質賃金は3.0%の減少となっている。これで実質賃金の減少は13か月連続。働く人の生活水準は、下がる一方だ。

就業形態別にみると、一般労働者の現金給与総額は36万9468円で1.1%の増加。パートタイム労働者は10万3140円で1.9%の増加。しかし実質賃金は一般労働者が2.9%の減少、パート労働者は2.2%の減少だった。ただ業種別にみると、不動産・物品賃貸業、複合サービス事業、運輸・郵便、飲食サービス、金融・保険の5業種は、給与の伸びが物価上昇率を上回って実質賃金が増加している。

厚労省はこうした結果について「30年ぶりの高さとなったことしの賃上げが、まだ十分に反映されていない」と解説した。だが5月も多くの商品が値上げされており、6月には電気料金もまた上がる。原油の国際価格も1バレル=70ドル以下には、なかなか下がらない。政府が言う「賃上げと消費増の好循環」は、実現がかなり難しそうだ。

それにしても、実質賃金の減少ぶりはひどすぎる。厚労省の資料によると、20年を100とした実質賃金の指数は、この4月に84.5となっている。ここ3年ほどの間に15%も減少したわけだ。これでは景気の本格的な回復は難しい。将来への不安感ばかりが増すから、若い人たちが安心して子どもを産めない。

        ≪8日の日経平均 = 下げ -272.47円≫

        ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ≫  

財源は選挙のあとで : 少子化対策 (下)

2023-06-08 07:13:53 | 人口
◇ 3兆5000億円の財源はすべて先送り = 盛りだくさんの少子化対策だけに、経費も3兆5000億円ほど必要だ。後藤経済再生相の説明によると、経済支援の強化に1兆5000億円~1兆6000億円、子育て世代への支援に7000億円~8000億円、共働き・共育ての推進に7000億円~8000億円が割り当てられるという。しかし、この財源をどのようにして賄うかについて、素案は「年末までに結論を得る」と先延ばししてしまった。

岸田首相はかねがね、少子化対策の財源について「消費税など増税は行わない」と言明してきた。このため所得税や法人税の増税も出来ない。赤字国債に頼るのも安易すぎる。そこで政府が目を付けたのが、①社会保険制度の支払い削減②社会保険制度の保険料引き上げ③既定経費の節約--の3項目。これらで合計3兆円を確保する目算を立てていた。

さらに、これらの手段を実行するには時間がかかる。その一方、対策費はすぐに支出されるので、資金不足になるかもしれない。その場合は、つなぎに「子ども特別国債」を発行。これを含めて少子化対策に関するすべての収支を管理する「子ども金庫」を創設する構想だ。ここまで考えているのに、なぜ財源は年末まで先延ばししたのか。

理由は‟選挙”でしかない。社会保険制度の保険料引き上げは、たしかに増税ではない。しかし個人と企業の支出は増える。個人は1人当たり月340-470円の支出増という試算もある。選挙の前にこんな数字が出て、論戦の材料になっては困る。だから年末まで凍結。これが真相ではないか。だとすると、解散・総選挙は秋ということになるのだが。

        ≪7日の日経平均 = 下げ ー593.04円≫

        ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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