魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

モンドヴィーノ

2010年05月03日 | ワイン ~2020年
本日はちょっとかたい話題かも?


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世界中の土地には同じだけの時間、過去があり、何かの必然によって
その土地、その土壌、成分などが形作られたのでしょう。

これは人間にも言えて、優劣とかではなく、何か必然性があって人種、
民族、その歴史があると思うのです。



以上は前置きです。





映画「モンドヴィーノ」を初めて見ました。
あるお客様からお借りしたんです。
見たかったのですが、なかなか見つけられませんでした。


まあ、今さら遅れているのですけどね・・・





さて、「造り」、「評論家」、「ワインジャーナル」、「ワインの流通」


それらをまるでムッソリーニやヒトラーになぞらえ、独裁のように
ワイン業界を操り、本来あるべき造り、テロワール(地味と訳してあった)、
自然に対する人間の介入など、本来と現実の乖離を描き告発した映画です。



しきゃ~~し!


マニア以外の方には退屈極まりないもので、よくこんな映画作ったもの
だと感心しました。興業収益なんて考えていないのかもしれません。



ミシェル・ローラン、パーカー、ワインスペクテイターやカリフォルニア
ならびにUSAやニューワールドのワイン造りをかなり批判した内容に
映るかもしれません。

確かに人の手が入り過ぎている部分はあるのでしょう。世界中のワイン
が同じ方向性になるという危惧もあるでしょう。

しかし、それほど地球はやわではないとも思います。
いろんな特徴や個性は人知の及ばぬほど多様性を持っているとも考え
られます。



ただ、ここが問題なのですが、

私が一番印象に残ったシーンは「ユベール・ド・モンティーユ」の
オヤジが狭量で、「ニューワールドにはテロワールがなく、それを
新樽のバニラ風味でごまかしている」と言い放ったところでした。
(まあ、本人は言いたいことを言ったつもりでしょうが、テロワール
で優位に立つと思われる?人間の優位性を保つための浅はかな、
多様性や世界観に欠けた戯言にしか聞こえませんでした)


「ユベール・ド・モンティーユ」は今は息子に代替わりしているので、
幸いなのかもしれません。


本来テロワールでワインの質が決まるのなら、テロワールに恵まれた
地域だけが特権的に王様であり続け、他の地域は入りこめないでしょう。

また、ワインが熟成することによって、個性が見えにくくなり、最後
にはどのワインも同じようなベクトルになってしまうという「熟成曲線」
とも矛盾してしまいます。



現代の技術は、いろんな地域や気候に対し、挑戦し続け、いろんな
人間にチャンスを与えています。作者はどうやらそれに不満がある
らしい。


結局のところ、ワインを選ぶのは私たち消費者です。
選択権は消費者以外にはないわけなので、本当に美味しいと感じる
ところのものを選んで、飲むしかないのですよねぇ。

いろんなメディアや情報に「惑わされることなく」ですね。



さて、次は「スキャンダル」でしょうか?これも見ねば。

「フランス vs USA 対決」をもとに作られた映画・・・、
フランス人の審査員を擁しながらも、USAがフランスを撃破するお話です。


でも言っておきますが、私はUSAが国家として嫌いなんですよぉ。

コメント (2)
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