魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

酒の伝統や文化考

2010年05月22日 | ワイン ~2020年
今日はちょっとだけ堅いです。ごめんなさい。



世界中のそれぞれの土地があり、その地に酒が産まれ、育んできた
歴史があります。

長年のお酒の伝統、文化、習慣が根づいています。

そうやってその土地の人たちは生きてきて、またその地を大切に
守ってきたのでしょう。人のつながりもその関係と共にあったのです。



http://www.jiji.com/jc/zc?k=201001/2010012300051


お酒の安売りはダメ!=アルコール規制指針案を承認-WHO(クリック)


この記事、ネット上では「余計な御世話だ」的な感想が多いのですが、
それは本質を見落としているのかもしれませんよ。


老婆心ながら、ちょっと堅いですが、ひとこと書いておきます。



もちろんお酒が安いこと、いくらでも飲めることは消費者としては
ありがたいでしょう。そして飲む量は個人的責任のもとに、大人と
して迷惑をかけない範囲にすべきでしょう。そんなのは当たり前で
すので今さら申しません。



ただ、あまりに安売りの競争の激化で、アルコールに味が付いた
だけのまがいものが氾濫し過ぎています。
ビールでないビール、清酒でない清酒などなど・・・・・。


最近の若者はお酒の愛飲家も減っています。何が原因でしょうか?



私が言いたいのは、競争のあまり、安酒を提供しなければならない
メーカーは、当然安原料なり、安醸造なり、まがいものを造らざる
を得ない状況にあるのです。

本来あるべき「酒」が、本来の形でなく、ゆがんだ形で供給されること
によって、本当のお酒の愛好家が(酔うことの愛好家ではない)が
減って、将来性がなくなってしまう状況が心配です。

その道を志す人にも大いに影響も出るでしょう。


ワインも最たるもので、その土地に根付き、その土地を愛する気持ちや
思いが崩れてしまいます。その気持ちがなければ美味しいワインは
生まれないのですから。



アルコールが好きでない、と思っている若者たちよ、ひとことだけ言う。

本当に素晴らしいお酒と巡り合えば、驚くほど感動を覚えるし、
それは人生にとって良き友となるのです。

一見的見方や、酔っぱらいの愚行がすべて酒のせいではなくて、
飲み手の理性や感性、判断によって、価値が変わることだけは
知っていて欲しいのです。


この規制に反対の思いの方には、上記の思いでいま一度、再考を
お願いしたいと思います。

コメント
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