韓国ドラマファンの方に、テレビ小説『ポッキ姉さん』というドラマのDVDを貸してもらいました。
『ボクヒ姉さん』とも訳されています。2011年のドラマ。1話が36、7分ほどの短いドラマですが、なんと130話あります。
こんなに長いと、きっとレンタルビデオ店では借りないと思います。そして、題名もあまりぱっとしない。
お借りして見始めた最初の頃は、ムムムと思いましたが、50話ぐらいまで見たころには、しっかりはまってしまいました。
話の舞台は1960年代から70年代。その時代の田舎の生活が出てきますが、その風景の中にとても懐かしいものが・・。よく韓国のドラマで見かける、たたみ1畳大の縁台。関西の田舎育ちのわたしの家には、「床几(しょうぎ)」という、同じような縁台がありました。天気のいい日は、庭にいつも床几が出ていて、夏の暑い夜は、うちわを持って庭に出て、床几に座って皆で夕涼み。大人が夕涼みしている横で、子供だったわたしは、花火をした記憶があります。また、むしろやござをひいて、いろんな野菜が干してあったり、洗った大きな籠などを干してあったり。韓国の田舎には行ったことがないのに、とても懐かしい思いになります。さすが、お隣の国。生活様式も、全く違うところとよく似ているところとがあり、興味深いです。また当時の韓国の世相もよく出ています。
それと、韓国語のこと。
韓国語って、習ったことがないので、全然詳しいことは分かりません。でも、アラビア語のようにチンプンカンプンではなくて、聞いていると発音の同じような言葉(漢字の熟語)がどんどん出てきたり、文の並び方が似ていたり、助詞も似通っているものがあったりするためか、ちょっと分かったような気分になる言葉ですね。中国、韓国と日本。言葉の面でも、ほんと、つながっているって感じます(お互い仲良くつきあってほしいです)。
ところで、ところで、肝心の内容。主人公は「ハン・ポッキ」という女の子。最初に出てくるのは小学5年生の頃。薄幸の少女です。とにかくいじめられていじめられて、かわいそうすぎる。韓国版「おしん」のようです。周りの人がどんだけえげつないか・・・。特に女たち。男の中にもどうしようもない人がいますが、いい人もたくさん。とにかく女がえげつない。これってどういうこと?そういうこと?
特に強烈なのは、一家を取り仕切っている「おばあさん」。いろいろおありだったとは想像しますが、まあ、自己チューです。「人の落ち度は何倍にもして人のせい。自分の落ち度も人のせい」。嫁いびり、嫁の連れ子(ポッキたち)いびりが半端ない(このおばあさん役の女優さん、演技が素晴らしいので、見ているほうが感情移入してしまい、憎たらしくて仕方がなくなります)。『渡る世間は鬼ばかり』のピン子さんのお姑さんも、このおばあさんと比べると、可愛く見えます。
でも、ポッキはけなげに生きていきます。そして逆境にも負けずに明るく元気な女性に成長します。成長した後は、割合いい人間関係の中にいるので、見ている方も救われます。ポッキが小さかった頃、辛く当たった女たちも、彼女に再会してどんどんいい人になっていくのが、見ていて心地よし。ここら辺が「ザ・ドラマ」です。
昨日、ほぼ見終わりました。
彼女の明るさ、前向きな姿勢、まわりを支えて行く力に圧倒されて、元気をもらいました。ポッキは誰と結ばれるのか、結ばれないのか、どんなになっていくのか、周辺の人間模様とともに最後まで目が離せませんでした。ここで、結末を書いてしまうと、ネタバレになるので、ぐっと我慢。