うちのまーさん、
とにかく頭の回転が早い人で、テレビで『東大王』やってたら、
その問題もどんどん解いてしまう91歳。
なのに、
直近のことはすぐに忘れて、
目の前で一緒にご飯を食べてた孫がトイレに立っていなくなると、
「まだ帰ってきていない?」と聞いちゃう。
シャープさとのんびりさがないまぜになってる91歳。
そんなまーさんが、
ベッドに横になってる時に突然喋り出すんです。
手を振り振り、
「あんた、〇〇したほうがいいよ。〇〇しておきな」と突然とても大きな声で明快に喋り出す。
「え、何?」
とそばに寄って様子を見ると、
明らかに目を閉じてるから、寝てるんでしょう。
その後も誰かと延々と喋ってる。
内容もとてもリアルで、
そばに誰かがいて、その人と会話をしてるような感じ。
10分とか15分とか続きます。
これに気づいた最初の頃は、とてもびっくりしましたけど、
今ではもう誰もびっくりしません。
むしろ、息子なんて「ばあばは今日もたくさんの人と話してる」と喜んでさえいます。
こちらにまーさんを引き取ったのが6年ほど前。
これまで一人暮らしだったまーさんは、
家族がそばにいる生活が始まりました。
一緒に住むことで、もちろん家族間の関係は深まりましたが、
かわいそうだったのは、
関西から関東に来たことで、
付き合いのあった方々との関係が切れてしまったことです。
もちろんそのまま関西にいても、すでにだいぶ認知症が進んでましたから、
周りの人のことも徐々に忘れてしまうような状況だったと思います。
けれど、周りの人はまーさんのことをしっかりわかってましたから、
なんとか人間関係は続けていけたかもと思います。
そんなまーさん、
こちら関東に来てからも、週に数回デイケアに行き、
新しい人間関係の中に入ってます。
けれど、今では誰と仲良くなったかどうかも定かではないんです。
行って帰って来た直後に、もう行ってたことを忘れてますから、
新しい人間関係は作れていないのです。
ところがです。
白昼夢なのか明晰夢なのかよくわかりませんけど、
とにかく眠り出した最初の頃に、喋る、喋る。
それも昔、まだしっかりしていた頃のまーさんが顔を出す。
姉御肌の彼女、
誰かにアドバイスをしたり、
指示をしたり、
時に大笑いしたり・・・。
その時のまーさんは、往年のまーさんなんです。
家族としては不思議な彼女を見ている感じですけど、
突然喋り出したら、
逆に懐かしくじっと聞き入るようになってます。
夢の中でも、
過去のシュチュエーションなのか、今なのかわかりませんけど、
まさに若かりし頃のまーさんが生きている、
それもありかな、そういう時間の経過もありかなと思っています。
いろんな人生の過ごし方がありますもんね。
現実には人間関係の幅はぐっと狭まって来ますが、
そんな中でも本人が、
過去に戻ってその時代の生き直しをしてたり、
今の時代に若返って生きたりなんてこともしてるとしたら、
それはそれで素敵じゃないかと思います。
大声で喋りながら寝ているまーさんを見つつ、
「ありだな〜」と家族全会一致しています。
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