蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

『斬る』・・映画です。 (bon)

2021-11-10 | 日々雑感、散策、旅行

  またまた映画を観ました。 市川雷蔵主演の『斬る』と、ジョン・ウエイン主演
の『リバティ・バランスを射った男』の2本です。 

  どちらの映画も、1962年の制作で、その舞台時代は、邦画は幕末のころ、洋画は
西部開拓(フロンティア)の終り頃ですから時代背景も大体同じような時期なんです。

 当然ながら、両者の内容は全く違いますが、二枚目剣豪の生きざま、無法時代の
新しい夜明けに一石を投じた男がそれぞれ描かれていました。

 

 『斬る』は、大映制作でキャストに 市川雷蔵、藤村志保、天地茂、柳永二郎、
万里雅代などの懐かしい顔ぶれでした。
 柴田錬三郎の小説を新藤兼人が脚色した、市川雷蔵主演のカラー映画でした。

          (ネット画像より)

 出生の秘密を持つ主人公信吾(市川雷蔵)が、養父と義妹の不慮の死によりそれ
までの平和な生活は壊されてしまいますが、養父の言葉から初めてその出生の真実
を知ることとなります。
 以来波乱に満ちた孤独な剣客の半生をたどるのですが、自ら編み出した相手のノド
を狙う異様な「三絃の構え」をあやつる彼の剣は邪剣と知りつつも、まさに天下無
敵です。 これらの立ち回り場面は、時代劇の魅力そのもので雷蔵の迫力にみちた
殺陣が随所に展開され、その魅力を画面一杯に広げているのです。 当時の時代劇
ファンにとって大いに受けていたのでしょう。 

         (ネット画像より)

 お家のため、侍女の藤村志保が小諸藩主の側室を刺す激しい場面から映画は始まり、
家老の計らいで藤村志保は、しばらく天地茂の世話になり、できた子供が信吾(雷蔵)
という暗い宿命を背負って生まれ、さまざまな陰謀と戦いながら、後に仕えた主人
幕府大目付を尊王攘夷の先鋒、水戸藩の刺客から守り抜けなかったことから若くして
自ら切腹をする悲劇の主人公を演じているのですね。

 若くて美男で、すばらしい剣の使い手が、早々と自決する宿命的に残酷な滅びの
青春像が鮮烈な映像で描かれ、ファンにとってはたまらないのでしょうね。

 

リバティ・バランスを射った男』 原題:は The Man Who Shot Liberty Valance
で、ジョン・フォード監督のアメリカ映画です。  ジョン・フォード、ジョン・
ウエインの名コンビが形成されたのが、1939年の駅馬車でしたから、四半世紀を経
てこの映画が最後のコンビであったのだそうです。

          (ネット画像より)

 西部開拓時代の終り頃、まだ合衆国に包含される以前、鉄道が敷かれる前の田舎町
シーボーンに、大学で法律を学び青雲の志に燃えた一人の男、弁護士ハンス(ジェ
ームズ・スチュアート)が東部からやってきたのです。 街には当然法律のような
ものはなく、拳銃が支配する世の中で、小さな牧場を経営するトム(ジョン・ウエ
イン)と荒くれ者のリバティ・バランスがその双璧をなしていたのです。

         (ネット画像より)

 ハンスは何とかこの街に、ルールとか秩序を作り上げたいと努力しますが、拳銃
の前には歯が立たず、トムの支援を得ながら、拳銃の練習をするようになり、ある時、
事のいざこざから、リバティと決闘することになるのです。余裕のリバティにハンス
は腕を撃たれますが、次の瞬間ハンスの弾は、リバティを倒すのです。
 街中に嫌がられていたリバティが撃ち殺され、平和が戻ってきて、ハンスは持ち
上げられるのでした。 州に昇格するため、ハンスは代議員に選出されワシントン
で活躍することになるのです。

 時代は進みこの街にも鉄道が通り、学校も出来、あれから25年という歳月が過ぎ、
汽車は定刻に到着し、老紳士夫妻が汽車から降りてくる・・映画はこのシーンから
始まるのです。 紳士はハンス上院議員で夫人はその妻はリーだったのです。街も
人も新しくなり、議員は早速新聞記者に取材を求められ、来訪の目的は、支えてく
れた親友トムの葬儀に参列するためであり、夫人は元この町のレストランの娘でトム
の恋人でもあったハリーであることも明らかにされるのでした。

 回想シーンの中で、リバティとの決闘で、図らずもハンスが勝ったと見えていた
シーンは実はその時、陰からトムがライフルで撃っていたのでした。

 この映画は、モンタナ州立大学教授が1949年に書いた同名小説を基にした異色の
西部劇映画であり、映像の展開もクライマックスの決闘シーン(リバティとの)を
終盤に持って来ずに中盤で行い、終盤で決闘シーンの謎解きの種明かしをすること
も前代未聞の展開をした作品なのだそうです。

 

 この二つの映画は、それぞれの時代、それぞれの環境の中で、ともに苦労しなが
ら志を貫いて生きる一人の男の人生を素晴らしい殺陣の世界、撃ち合いの世界の映像
に載せて描かれたエンターテイメントでした。 市川雷蔵を久しぶりに見ました。

 

映画の中では挿入されなかった歌ですがヒットしたようです。

リバティ・バランスを射った男{1962年、アメリカ映画}

 

 

 

コメント (3)
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