今回注目するのは
「石山の石より白し秋の風」
という芭蕉の名句である。
この句は越前の国の古刹 (こさつ=古い寺) 那谷寺に立ち寄った時に詠まれたとされている。
那谷寺は灰灰白色の凝灰岩でできた山腹の洞窟の中に観音堂がある。
千手観音を祀るお寺で、奇岩として知られている。
「石山」と言えば、普通は近江の石山寺を指すが、那谷寺〈石川県〉の石は近江の石山よりも山肌が白いので、この句は那谷寺について詠んだ句と考えられている。
一方、 芭蕉は石山寺と関わりが深いので、この「石山」が「石山寺」のことという説にも否定できないところがある。
どちらにしても、僕はこの句の「石より白し秋の風」の表現に芭蕉の思いを見る。
侘び・寂・軽ろみに該当しない突き抜けた境地ではないか。
芭蕉の俳句が一段の高みに到達した名句・・などと言ったら生意気だが。
おのずと無常観を感じないだろうか。
旅の中で体が感じる「無」と言うものを。
「石山の石より白し秋の風」
名句という事だけあって、素敵な句ですね。
お寺の石より白い風。。。爽やかな心地よい風だったのでしょうね。。。(*^▽^*)
>こんばんは。... への返信
こんにちは。ありがとうございます。
芭蕉の俳句の中でも好きな句のひとつです。
夏から秋にかけて東北・山陰に差し掛かり旅の折々に風を感じていたでしょうね。
山寺では「巌にしみいる蝉の声」ですから暑さをさらっていってくれる風でしょうし、那谷寺〈石川県〉での風は心に吹き込む風だったんではないでしょうか。
芭蕉の俳句は人それぞれに感興をもたらしてくれる素敵な作品ですよね。