農家の土間は広い。10坪ほどのその一隅に姿形のいい高さ2m幹回り15,6cmはあろうかという若松を山から切り出し飾る。勿論束ねたり刻んだりはしない自然木そのままの姿にである。また、縄を綯い玄関から座敷周りには注連縄を張り、そのところどころに幣束を鋏みみかんや榊の小枝をつるす。その作業をするのは、お正月を迎える父親の姿であった。それを子らは正月を迎える慶びの中で頼もしげに眺めていたものである。
これは、遠い昔の故郷の今頃の光景であった。
さてさて、我が家では、昨日息子から「明日松飾り 取り付けに伺います」とのメールあり。このところ任せきりである。当家の主としては、せめて神棚に榊、お神酒、新米、お塩を供える準備をするか。