さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

秋田 夜の居酒屋を彷徨う

2016年07月08日 | 東北シリーズ



「秋田美人」のポスターがあちこちに貼ってある。右の「なまはげ」は論外だが、
左のお嬢さんたちも、俺のイメージとはちょっと違うなあ~~w 「カワイイ」と
「美人」って、違うよね?

      

この女性、巨大なポスターが駅に貼ってありましたが、こういう人が「秋田美人」
だよねェ~(*´д`*)



さて秋田で有名なこちらの居酒屋、ホテルから30分ほども歩いてやってきました。
タクシーに乗るくらいなら歩けば、酒を一杯よけいに飲めるじゃないか、と考える
私なのです。スカース、開店時間も定休日も確認してきたのに、やってないじゃんか
よっ!うーむ、こういうの何度あったか…。でもひとりだと予約もしにくいし、
居酒屋に電話かけたりしないからなぁ~w



というわけで往復1時間ほども歩きまくり、結局ホテルの近くの居酒屋へ行くのでした。



ここもなかなか味わいのある店です。



歩き疲れてビールが旨いよ^^;



岩牡蠣はいまが旬です。味わい濃厚。


イザベラ・バードに神童が訪れる

 
バードが秋田を去ろうとする頃、隣の家の住民が「寝台と蚊帳を見せてほしい」と言って菓子折りを届けてきました。それにはいつもの通り、「熨斗」がついていました。バードはそれを「海藻」と言っており、「日本人は先祖が漁民であることを誇りに思っている」と説明しています。

 
おそらくは従者・通訳のイトウに説明を受けたのでしょう。熨斗は本来、海草ではなく「干しアワビ」です。しかしこのときは代用の昆布だったのでしょうか。アワビは長寿をもたらすという縁起物だそうで、さらに仏事には生臭物が避けられたのですが、お祝い事であれば、その逆で生臭物が選ばれたということだそうです。今は印刷してあるだけですが、この頃は当然、本物だったのですねェ。

 
さて訪問客がやってくると、それは男5人、女5人、子供2人という大人数。クソ暑いときに、狭い部屋に大勢でゾロゾロやってきて、畳に額がつくまで深々と3回もおじぎをしました。「こいつぁ午後一杯いるつもりだな…」とバードは考えます。

 
お茶を飲んでお菓子を食べて、みんなで煙草を吸って、訪問客はバードに「ご立派な旅行者」にお会いできて光栄であると語り、バードは「ご立派な国」を見られて光栄であると返します。

 
バードは地図や横文字を見せたり、刺繍を見せたりし、訪問客はバードを何かともてなそうとするのですが、まもなく訪問客の本当の目的は、ひとりの「神童」を見せたかったのだ、とバードは気づきます。

 
その4歳の少年は、てっぺんのひと房を残して頭はつるつるに剃ってあり、縞模様の濃紺の着物に赤い絹の袴という身なりで、優雅に扇子で自分をあおいでいます。思慮深く威厳のある様子で、大人のような顔つきとふるまいをしています。子ども扱いをしようものなら、侮辱と取られてしまいそう。

 
この「モンスター」は、決して遊んだりせず、自分で読み書きができるようになってしまい、詩も書くとか。どうやらバードは「何か書いてほしい」と頼まないといけない状況になったようなので、そうすることにしたのでした。

 
それはそれは厳かなパフォーマンスでした。赤いブランケットがフロアの真ん中に広げられ、そこにはラッカーの塗られたライティング・ボックスが置かれました。コイツはインク石の上で、水と一緒にインクをこすりつけ、4枚の紙を広げた。それは5フィートもあり、そこに9インチもある中国の文字を書いた。すごく複雑なやつである。ブラシでしっかりと、優雅に曲線を描いた。ジョットーが○を描くときのように、たやすく、しっかりとである。そして朱色の印を押し、3度お辞儀をして、そのパフォーマンスは終わったのでした。

 
父親は、その息子のすごさを確かめるために、京都に連れてゆくという。バードは「これほど大袈裟な子供礼賛の例を見たことがない」とあきれます。両親、友達、従者たち、周りのすべてがこの少年を「王子様」のように扱っているのです。

 
バードは日本人が、とても子供をかわいがっているのに好印象を持ちました。大人たちは仕事が終わると、夕べに集まっては子供自慢をするのがほほえましいと言っています。しかしさすがにこの「神童」には、だいぶあきれたようですね。