気仙沼に滞在したホテルは、右の山の上に見える、温泉もある観光ホテル。
港に面していますが、小高い場所にあるので津波を逃れたのです。フロントに
行くには、中央に見えている長いエレベーターで上がります。津波のときは
海水に浸かって使えなかったでしょうね。
ホテルの部屋からは港が一望できます。右のほうにあるのが魚市場です。
大島へ行くフェリー。20分程で着くそうです。日程に余裕があれば、渡って
みたかったけどなあ。あのフェリー、津波で陸地まで流されている映像を見た
記憶があります。
夜はホテルから歩いてすぐの復興屋台村へ行きました。
まだ5時頃なので、人はまばら。
居酒屋の提灯にようやく灯がともり始めた頃です。
をばーさんがひとりでやっていました。しばらくふたりっきりだったので、例によって
津波の話になり、「語り部」になってもらうことに。
地酒の舟尾灯(ともしび)をいただきました。宮古から毎回1~2時間ほどの移動で
南下してきました。釜石、大船渡、気仙沼とやってきて、町が変わるたびに地酒も
変わりますね~。それだけ酒蔵があるってことです。東北の酒は、辛いだけではなく
コクがあってよい(^益^)b
気仙沼も津波で流された跡地に盛り土をしておりますが、元の場所に店を再建
するのは自前だから、とてもそんな余裕はない、とヲバーサンはおっしゃって
おりました。
どこも高い防潮堤を作る話が出ています。碁石浜の巨大な防潮堤の写真を見せたら、
海が見えなくなるからすごく嫌だ、と言っておりました。そりゃそうだよねえー。
コンクリートに囲まれて、まるで刑務所なんだもん。
この店のオリジナル、「おつかれ酸サワー」を最後に。クエン酸なんだって。
酸っぱいよ^^;
ホテルに帰り、露天もある温泉にたっぷり入る^^
サウナに入ったら、おっさんグループが入ってきて一杯になり、おしゃべりを聞か
される。主な話題は、気仙沼にも競馬場を作れ、ということでした。作ればもうかる
から税金が少なくなり、いいことばかりだという主張を熱く語る。ギャンブルは
おばか3たちがなけなしの金をつぎ込んじゃう残酷なシステムなんだけどなあ~。
競馬の話は盛り上がっており、「はずれ馬券を拾うといい」と勧める奴も。なぜかと
いうと、自分は当たり馬券を捨ててしまったことがあるから、落ちている券のなかにも
きっと当たりがあるはずだ、ということだそうです。そんな間抜けがどれくらいいるか
がわかれば、当たり馬券を拾う確率もわかりそうなもんだが^^;
このおっさん達、露天風呂の横で庭園のようになっている所に入り込み、でっかい岩に
うつぶせにのっかって寝るやつ(岩がシャリで、人間がでっかい脂身のネタだという
巨大な寿司をイメージして下さい)、下が砂利になっているところに入り込み、見事に
大の字になってあおむけに寝る奴(見たくない構図、わかりますね)などがおりましたw
BRTに乗って、気仙沼に到着しました。
例によって、線路が舗装されてバスレーンになっており、駅のホームはそのままなので
ちょっと不思議な感じなのです。
反対側を見ると、ホレ、線路がとぎれて舗装道路になっていますよね。
手前のレーンを右側に出ると、一般道に入るのです。
駅前は古い街並み。このあたりは津波がこなかったのですね。
古い商店なども残っています。キリンビールのロゴが崩れているのは、経年劣化に
よるもので、津波の影響ではないでしょう^^;
こういう建物は、一度なくなると再建できませんからねェ。
ちょっと歩いて港に近くなると、津波の被害が見られます。4年経ちましたが、まだ
直せないんですね。
これは登録文化財だそうです。約100年ほど前に建てられたらしいです。
一階部分はだいぶやられていますが、よく残ってくれました。
歯が抜けたように更地があちこちにあります。この酒屋さんの様子をみると、
津波は2階部分くらいまできていたようですね。
これも2階まで水がきたようです。鉄骨だからぽつんと残っておりますが、まわりの
建物はみんな流されてしまったようです。
奇跡の一本松から、陸前高田駅まで戻ってきました。次の目的地から逆の方向に、
本数の少ないバスに時間を合わせて乗ってきたのは、こちらの仮設商店街に行く
ためです。今回の旅の大きな目的は、仮設商店街をはしごで酒を飲むことなので。。。
仮設商店街というのは、町の中心部から離れて高台や、ずっと内陸のほうにあったり
するので、だいぶ歩かなければならないことが多い。地方の人は、歩くことを想定して
いなかったりするんだよなー。
んでこんな、歩いているやつ皆無な雰囲気の道路を、すごいスピードで通り過ぎてゆく
車を気にしながら延々と歩くのだw ねェ、車もいいけど、ひとりで酒飲んだらどう
するの?
ようやく到着です。ここのはだいぶ大きい感じだな。
なんか一様のプレハブじゃなくて、ちょっとしたテーマパークみたいだね。
居酒屋!という感じのところはないので、酒を飲むなら、と鮨屋を選ぶ。
沢山の人が訪れているようで、色紙やメモ書きがたくさん壁に貼ってありました。
若い人たちが2組入ってきました。酒を飲んでいるのは俺だけだった。。。
箸の袋に一本松の写真が。そういえば、陸前高田のパンフレットに「一本松だけ見て
帰らないで下さい」なんて書いてあったなあ。でも広大な更地のほかに何があるんだ?
俺は土産店でウ●コして、はるばる商店街まで歩いてきて酒を飲んでいるが…。
これでいいよね? ( ゜Д゜)y-.。o○
「なみだ巻」って何ですか?と聞いたら、ワサビの巻き寿司だとか。…注文しました。
右がそれです。たいしたこたぁねーよ^^; ワサビは好物だからなぁ。
次のバスまでだいぶ時間があるので、酒も飲んだしコーヒーを飲みたくなってカフェへ。
煙草も吸いたいので、外に座ることに。「中で吸ってもいいんですよ」と勧められたが、
他にお客さんいましたし^^; 掘っ立て小屋みたいに狭いから、気を遣うよねェ。
(^益^)y-.。o○
ここがオサレなカフェレストランで、なんかすごくきれいな、イタリアンの前菜盛り合わせ
のようなプレートを見ました。地元の農家から取り寄せたこだわりの野菜や肉などを
使用している立派な店でした。こっちでワインでも飲んだほうがよかったかなー。
陸前高田に到着しました。広大な荒れ地を通過し、バスは「奇跡の一本松」という
停留所に到着。そこには大きな駐車場と土産店、飲食店などができていました。
久しぶりに観光客が多い。
あちこちの高い位置にパイプラインが張り巡らされている。なんだ?と思ったら、
盛り土を運ぶものだったのです。土がピラミッドのように落とされているでしょう?
「一本松まで徒歩15分、あちらには何もないので、トイレはすませて行きましょう」
というご親切な注意書きがありました。たしかに往復で30分。あちらで10分いたなら…。
実は昨日食べたものが、腸内を通過して最終地点に集結しつつありました。この
状態で奇跡の一本松まで行ったなら、場合によってはまわりに何も隠れるところが
ない場所で「危機的な一本グソ」になってしまう。タクラマカン砂漠をバスで何時間も
走ったときの不安を思い出し、とりあえず土産店のトイレへ…。
おお、仮設の建物なのに、ウォシュレット装備!ちなみに今回の三陸旅行で、気仙沼と
石巻のホテルでは、それがなかったぞ。。。
さて腹もすっきりし、トイレを使わせて頂いた以上、土産に「一本松手縫いタオル」を
購入し、改めて一本松へ。
盛り土は遠い向こうの山から運ばれてきます。広大なエリアをかさ上げするので、
すごい量の土を運びます。山が大きく削れてなくなっちゃう?なくなったらそれで
住宅地にするのかな?
見えてきました一本松。内陸の町全体が押し流されるほどの津波だったことと、ずらりと
並んだ中で一本だけ残ったことを考えると、たしかに「奇跡」。
後ろのコンクリート建造物が壊されるほどだったというのに、華奢な松がよくもまあ
津波に耐えられたものです。想像していたよりもずっとひょろり、という感じ。
実はこの一本松、潮にやられて枯れてしまっているそうです。それを保護処理して
残しているんだとか。プラスチックとかで固めているのかしら?
それなら、青々と茂っている三陸町の「ど根性ポプラ」のほうが立派だなあ~。
帰りにまた土産店に寄りました。ひと部屋にはこのような展示品が置いてありました。
津波の前後の町の様子です。上のように、普通の町並みだったのです。。。