さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

小澤征爾 水戸室内管弦楽団 サントリーホール 2016.3.29

2016年04月07日 | らくがき

 吉田秀和が提唱して発足した水戸室内管弦楽団。年に何度か、他のオーケストラで主席奏者だったり、ソリストとして活躍するような錚々たるメンバーが集結する楽団で、小澤征爾の指揮。素晴らしい芸術の祭典です。

 1曲目はシベリウスの「悲しきワルツ」。ありり?小澤の指揮はなし?オルフェウス室内管弦楽団が指揮者なしでやっていますけどね。「水戸」は、演奏会があると国内のみならず世界各地からメンバーが集まってきます。そういう個性派たちが揃って、よくこういった形式で演奏するそうです。ちなみに全曲、コンマス、コンミスが違う人でした。そういう集まりなのですね。このオケに呼ばれるだけでもすごいし、そのなかでコンマス、コンミスに選ばれるのも名誉でしょう。

 ところで不運なことに、隣に座ったすんごいデブのおばさん、鼻息がすごーいw
「ブシュー、ズヒー!」これはたまらん。ご本人もわかるらしく、ピアニッシモのときは若干息を凝らして音が小さくなる。しかし苦しいらしく、オケの音が大きくなった途端に「ズヒー!」。文句を言ってもしかたのないことだし、悲しいことに最後まで苦しんだのでした。ううう。

 2曲目はモーツァルトの「クラリネット協奏曲」。奏者はリカルド・モラレス。こちらも指揮者なし。「弾き振り」ならぬ、「吹き振り」?協奏曲って「かけ合い」ですから、ソリストとオケの技量に格の違いがあってはいけません。ここではクラリネットとオケが、お互いに認め合ってモーツァルトの優雅な旋律を一緒に楽しんでいる。それを満員の聴衆が共有する。「ライブ」ってこういう「体験」ですよね。しかしモラレスさん、太り過ぎてますよ?一流の音楽家は世界中を旅するし、それも大都市の滞在が多いだろうし、お金持ちだし、ね^^;

 休憩をはさんで、いよいよ小澤が指揮をするベートーベンの「運命」だ。本日のメイン・イベントが始まる前に、二階席がざわついてカメラが何台も出てきた。誰か有名人が来たのかな、と思ったら、天皇ご夫妻でした。。。観客はみんな立ち上がってキャアキャア。まるでアイドルみたいだ。私は相撲でご一緒になったときがありましたが、そのときも我がかあちゃんをはじめ、みなさん「ミチコさ~ん!」でしたね。主役は天皇じゃないの?

 さて小澤が出てくると、まず指揮台横に置かれた椅子に座る。そこで指揮をするの?と思ったら、少し休んで指揮台に立ちました。80代で病気上がりですから体力的に大変なのでしょう。背中もすっかり痩せて見えます。でも演奏が始まると、しっかりひざが曲がって的確な指示を出していました。そして楽章が切れる度に横の椅子に座り、息を切らして休んでいました。その間、観客はじっと見守る約30秒。ペットボトルを取る係、小澤に渡す係とヴィオラの人がふたりがかり^^;

 ベートーベンのシンフォニーは久しぶりに聞きました。うちは古いマンションなので、音量に気を遣うし、普段はCDでもシンフォニーをゆっくり聞く気になれません。静かな田舎にでも住まないとなあ。さてベートーベンのシンフォニーを聞くと、全体の構成美に感動します。旋律が展開し、繰り返されて発展する。すごいのが、それらの部分がまとめ上げられて、最後に見事にしめくくられるその偉業。音楽でも小説でも、光る「部分」と「展開」は「ひらめき」で生まれるのでしょうが、それを全体と結び付けて構成し、納得して「終わらせる」ことは途方もなく難しい。それが完成して初めて「体験後の余韻」が生まれるのです。

 音楽は、はかなく消えてゆきます。音楽人生の総仕上げの時期を迎えている指揮者のもとに、各地から集まってきた音楽家たちが、この一回のために心を込めて演奏する。経験というものは一回性のものです。人生もそうですが。だからこそ、そのかけがえのない「一回」を大切にするからこそ、音楽は人生を象徴するのだと思えるのでした。

 演奏が終了すると、観客は総立ち。出る人もなく、拍手も止まず、出たり戻ったりする演奏者のおじぎは繰り返されました。天皇ご夫妻も帰らないので、いつになったら終わるの?小澤に向かって拍手は続き、引っ込んだときは「ミチコさーん!」と皇后さまに声がかかる。(陛下さんのほうは完全におまけ扱いだ)何度か目、しまいには小澤はご夫妻に「どうぞお帰り下さい」というしぐさ?しかしご夫妻も拍手が続いている限りは帰らないぞ?天皇が帰らないと我々は帰れないらしく、ドアは閉まったままで、その前に係員が立っている。天皇夫妻、小澤&楽団、観客の3すくみは延々と続くのでした。。。


岡山:後楽園 15

2016年04月06日 | 四国・中国地方



後楽園にやってきました。タイトルに「岡山」をつけないと、東京育ちの私は
水道橋にある「後楽園ゆうえんち」(入場料だけでも高い)、「後楽園ホール」
(プロレスやボクシングの会場になる)、「後楽園球場」(ドームが出来る前の
ジャイアンツ球場)などを思ってしまうからです。



こちらの後楽園は、17世紀に作られた大名庭園。実に美しい。



いったい何人くらいの人が日々の手入れをしているのでしょうか。



ちょうど梅が咲く季節でした。







こういうのを撮り始めるときりがなくなります。



向こうには岡山城が見えていました。

さてさて、これで今回の鳴門~徳島~高松~岡山の旅のレポートを終わります^^


岡山城 14

2016年04月05日 | 四国・中国地方



最終日、岡山に来たのですから、路面電車に乗って岡山城と後楽園に行きました。



岡山のマンホールは桃太郎。鬼の財産を強奪するという、法的に微妙なお話。
きびだんごで雇われた「傭兵」の動物たちもなあ~(^益^;

鬼の子供が「ぼくのお父さんは、桃太郎というやつに殺されました」って
話すのも何かで読んだぞ。



この旅は天気に恵まれ、一度も傘を使わなかったねェ。



右に岡山城が見えてきました。あの橋を渡って左に行くと後楽園です。



岡山城は例によって明治に入ったときと、太平洋戦争の空襲でぶっ壊され、いまある
のは復元された鉄筋コンクリート造り。味わいないねェ(^益^)w



上に登ると、後楽園が見えます。



ううむ、短い滞在でした。。。

岡山っていうと、観光はなんだろ。内陸部に入ると古い街並みなどが残っている
ようなのですが、新幹線が通った「開けた」海岸沿いには、近代化された町ばかり
のようですね。


岡山駅前の居酒屋 竹浜 13

2016年04月04日 | 四国・中国地方



高松から「快速マリンライナー」に乗って、瀬戸内海を渡り岡山へ向かいます。
考えてみれば、いつの間にか列車で九州にも四国にも、北海道にも行けるように
なりましたねェ。



列車なんて重いものを橋渡し。鉄の強度ってすごいもんです。



海の上は長い直線だから、本当にあっという間だなあ。



ホテルは岡山駅につながっているので、いくらも歩かずに高松から到着してしまい
ました。荷物を置いたら、さっそく居酒屋へくり出します。



一軒目の候補は、一階が魚屋で二階が飲み屋という素晴らしい感じだったのに、
週末ということもあって宴会で貸し切り。二軒目もまだ6時前なのに満席!
というわけで、第三候補の「竹浜」にまいりました。



あっちもこっちも満席だったから少しあせりましたが、ここに入ってみると誰も
客はいませんでした。。。老夫婦ふたりだけでやっている店。大丈夫か?と考える。



おすすめは、今が時期の「さわら」でした。なかなか旨いぞ^^



おお、魚はとてもよい。このあたりで「当たり」だったな、と腰をおちつける。

ここの老夫婦、なかなかきさくで感じがいい。「りゅうちゃん♪」「おかあさん♪」と
呼び合っている。

突然おかあさんが、「りゅうちゃんは釘を打つのがヘタなのよ。曲がっちゃって」と
不満を言う。見ず知らずの客に、突然何を言い出すのだろうか、と苦笑^^;

二度も言うので、りゅうちゃんは「俺は料理は習ってても、大工仕事は習っちゃ
いねえんだよ」と小さな声で言い返す。「まあ失敗してもしょうがないじゃない
ですかあ」ととりなしたつもりなのに、おかあさんは「男ならちゃんとできなきゃ
ダメよ!」と手厳しい^^;



りゅうちゃんに高松からやってきたこと、あちらで「いいだこ」を食べたことを
話すと、「いま、いいタコが入っているんだよ。こっちのほうがずっといいんだよ」と
勧められる。たしかに柔らかくて、いいタコでした。「あっちは硬いだろう。こっちは
ず~っといいんだ」と熱く語っておられました。どっちもおいしかったよ^^



客が我々だけだったので、すっかり打ち解けて楽しくご夫婦とおしゃべり。
おふたりとも相当なご年配なので、このしあわせがいつまで続くのかと心をよぎる。



同行した青年がメニューを見て「天茶」があるなあ~、と話すと、りゅうちゃんは
「それはどこでも食える。さわら丼を食べな!」と主張。おかあさんも一緒になって
語るので、抗うのは不可能な空気。

素直にさわら丼を注文すると、りゅうちゃんは納得の雰囲気。「まず半分食べて、
それから残り半分にお茶をかけるんだよ」とご指導。食べ始めたところで、「半分
食べたら言ってね!」とお気遣い頂きました^^;

りゅうちゃんとおかあさん、どうかいつまでもお元気で…(^益^)ノシ


屋島の山頂へ 12

2016年04月03日 | 四国・中国地方



四国村を見物したあと、バスに乗って屋島の山頂へやってきました。
なんか「たぬきのお寺」?



展望台からは、瀬戸内海の海と高松の街が見渡せます。なかなか素晴らしい眺め。
「瓦投げ」がありました。どれだけ遠くに飛ばせるか。風に乗って街まで?



ちょっと霞んでいますが、中央奥の方に見える高層ビルが高松駅前です。



瀬戸内海は、外洋と違って実にほのぼのとしています。こういうところに育つと、
人柄にも影響しそうですよね。



名物の「いいだこおでん」がありました。なかなか柔らかくておいしいぞ(^益^)b