この本は手紡ぎ・手織りの草木染など天然素材の風合いを活かした、生活雑貨やインテリア・ファッションなどを開発・販売している『ヨーガンレール(jurgenlehl)』の社員食堂の一年間の料理を撮影し、そのメニューと簡単な説明などレシピを紹介するだけで出来上がっていると言っても良い変わった本です。ほとんどのページが上の写真のような構成で繰り返され、変化と言えば時々コラム的な文章が挟まるだけで、まるで延々と続いていく日常生活の営みを想わせます。
料理の内容は玄米に赤米入りのご飯や野菜類が中心の、いわゆるベジタリアン・メニューで野菜の中には食べられる野草なども混じるようです。年に4回の会社の展示会の時期には特別に大皿料理が供され、さながらパーティーのような情景も撮られています。
この本が不思議に魅力的なのは、もちろんその毎日の献立が文句なしに美味しそうなのと、その食事を作り味わう人達の生活感や価値観が伝わってくるからだと思います。そしてヨーガンレールの提供する商品のコンセプトと相まってその料理もより際立ってくるものです。これから何日か僕はイマジネーションの中でこれらの自然食をおいしく味わうことになるのでしょうか。
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