★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

ロマンスですみません

2010-06-22 23:57:14 | 文学
「かがわ長寿大学」での授業を終えた。

180人ぐらいの先輩たち(ただし平均年齢70近く)に、「ロマンス」の話をしてどうするのか?というかんじだったが、やはりこの世代に近代文学はしゃべりやすいなあ……普段の授業より燃えるぜ、というかんじである。

「二十四の瞳」は、発表当時生きていた人じゃないと分からん。さすがに「野菊の墓」発表当時の人はいなかったか……。ちなみに私は、どちらの作品のときもまだ肉片ですらないから、――分からない人が喋ることが分かるという摩訶不思議なことになっているのであった。こうやって文化は伝承されてゆくのだ。

つい調子に乗って、ラブ・ロマンスは人類史上最大の悪質なうそっぱち、「二十四の瞳」も「野菊の墓」も最後に人物たちが大いに泣くところが最大のポイントだが、人生泣きゃいいというもんじゃない、と平均年齢70歳の先輩たちに説教してしまったけど、本当に申し訳ありませんでした。