元家庭裁判所調査官として長らく少年(刑事)事件に取り組み、その後学者、社会福祉士となっている著者の立場から、現在の日本の刑事司法について検討しあるべき姿に向けて提言する本。
「今の裁判は、関係者が寄ってたかって被告人に恥をかかせ、人格を貶めているようにしか見えない」(10ページ)というあたりに著者のスタンスが見え、その視点に清々しさを感じます。
第1章の岡山地裁での刑事裁判傍聴、第2章の統計による刑事裁判の流れというか犯罪者の処遇・振り分けは、初心者には読むに値すると思いますが、著者の言いたいことは、第3章後半の刑事手続下にある人の「福祉ニーズ」と第4章の刑事手続きと被告人の刑事裁判後の更生に向けた社会福祉士の取り組み・活動にあると思います。実践の拡大も、それを弁護士が担いあるいはそこに弁護士が関わっていくことも、大変なことだとは思いますが。
藤原正範 岩波新書 2024年4月19日発行
「今の裁判は、関係者が寄ってたかって被告人に恥をかかせ、人格を貶めているようにしか見えない」(10ページ)というあたりに著者のスタンスが見え、その視点に清々しさを感じます。
第1章の岡山地裁での刑事裁判傍聴、第2章の統計による刑事裁判の流れというか犯罪者の処遇・振り分けは、初心者には読むに値すると思いますが、著者の言いたいことは、第3章後半の刑事手続下にある人の「福祉ニーズ」と第4章の刑事手続きと被告人の刑事裁判後の更生に向けた社会福祉士の取り組み・活動にあると思います。実践の拡大も、それを弁護士が担いあるいはそこに弁護士が関わっていくことも、大変なことだとは思いますが。
藤原正範 岩波新書 2024年4月19日発行