日本労働法学会が労働法学の理論的到達点を示すとして出版した「講座」シリーズ(「労働法講座」1956~1959年、「新労働法講座」1966~1967年、「現代労働法講座」1980~1985年、「講座21世紀の労働法」2000年)の第5弾「講座労働法の再生」の第3巻。「賃金」「労働時間」「労災」の3分野13本の論文で構成されています。
学者の分担執筆で、それぞれの関心に応じて、専ら政策論・立法論を語るもの、裁判例を分析して実務の現状を語るもの、その論や裁判例のリサーチ・分析の精度も様々です。
どちらかというと学者さんが書いたもの、それも分担執筆のものは弁護士の実務にあまり役立たないし、読み物としても今ひとつと思って避けてきたのですが、現在、私が最終編集責任者の第二東京弁護士会労働問題委員会編の「労働事件ハンドブック」の3年ぶりの全面改訂作業中なので、新しい本でもあり視点を変えてヒントを得ようと読んでみましたところ、特に第4章の「企業年金」と第8章の「多元的な労働時間規制」(変形労働時間制等)で、私自身が現実の裁判では経験していない問題について多数の裁判例がありそれが分析・整理されていて、刺激になりました(ハンドブックの編集で参考にさせてもらいました)。
学者さんの論文も、あまり食わず嫌いしないで読もうかなと、思えました。まぁ業界人以外にはハードルが高いかなと思いますが。
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日本労働法学会編 日本評論社 2017年6月10日発行
学者の分担執筆で、それぞれの関心に応じて、専ら政策論・立法論を語るもの、裁判例を分析して実務の現状を語るもの、その論や裁判例のリサーチ・分析の精度も様々です。
どちらかというと学者さんが書いたもの、それも分担執筆のものは弁護士の実務にあまり役立たないし、読み物としても今ひとつと思って避けてきたのですが、現在、私が最終編集責任者の第二東京弁護士会労働問題委員会編の「労働事件ハンドブック」の3年ぶりの全面改訂作業中なので、新しい本でもあり視点を変えてヒントを得ようと読んでみましたところ、特に第4章の「企業年金」と第8章の「多元的な労働時間規制」(変形労働時間制等)で、私自身が現実の裁判では経験していない問題について多数の裁判例がありそれが分析・整理されていて、刺激になりました(ハンドブックの編集で参考にさせてもらいました)。
学者さんの論文も、あまり食わず嫌いしないで読もうかなと、思えました。まぁ業界人以外にはハードルが高いかなと思いますが。
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日本労働法学会編 日本評論社 2017年6月10日発行