伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。今年も目標達成!

漫画を描く 凜としたヒロインは美しい

2024-03-30 22:44:30 | ノンフィクション
 漫画家里中満智子が、作品を描く姿勢、これまでに描いてきた作品やこれまでの人生などについて語った本。
 里中作品については子どもの頃~若い頃に読んだ記憶があり、タイトルも覚えていなかったのですが、「男のことばなんか信用しちゃいけない 男にとって行動が第二 ことばは第三の価値しかない」(149~150ページ)というのを読んで、これは読んだことがあると覚えていました。発行年を見ると、私が中学生のときです。で、作者はこの台詞を書いたとき、第一の価値を考えていなくて、あちこちから第一の価値は何だという質問が来て困ったと告白しています(149~150ページ)。そうだったのか…当時、この第一の価値について答える台詞(本文ではタネ明かしをせずに、151ページの絵で答えを示しています)、わりと感動した覚えがあるのですけど。
 さまざまな個性と主体性を追求してきた作者の姿勢にはもともと共感を覚えていました。この本で説明されているところでそれが強められたところもありますが、スペースシャトルの搭乗ツアーにポンと1000万円払って申し込んだ話(197~199ページ)とか政府や自治体の委員とかの話は、功成り名を遂げるとそうなるものとは思いますが、私にはちょっとねというところでした。


里中満智子 中央公論新社 2024年1月25日発行
日本経済新聞「私の履歴書」
コメント
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