伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

労働法はフリーランスを守れるか これからの雇用社会

2024-05-14 23:29:21 | 実用書・ビジネス書
 ウーバーイーツの配達員など雇用契約の形によらずに働き会社側からは業務委託だとか自営業者だと言われている人々について、労働者であれば当然に受けられる最低賃金とか解雇規制、失業手当、労災保険などの保護それ自体やそれに類する保護をどのように及ぼしていけるかについて、労働法の歴史やヨーロッパでの動きなどを紹介して論じた本。
 著者の主張は、「フリーランス新法について指摘したとおり、個人事業主に対する保護を実現するためには、労働者に認められる場合よりも劣る保護を新たに追加するという方策が、常に取られてきたと言わざるを得ない。そして、いったん自営業者に対する特別規制ができれば、その対象となった自営業者の労働者性は否定される傾向になりがちである」(245ページ)というところに端的に表れています。労働者性の判断では、労働者性が積極的に認められるかという姿勢ではなく、事実上の拘束を重視し、事実上の拘束を受けているものは事業者性が弱く、事業者であり得ないものは労働者だということかと思われます(237~238ページ)。
 ヨーロッパの法制や判決の紹介は勉強になりましたが、同時に各国の具体的な法制度や使われている概念・用語を私が理解できていないので、今ひとつ消化しきれませんでした。残念。


橋本陽子 ちくま新書 2024年3月10日発行

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 動物園を100倍楽しむ!飼育... | トップ | 放課後ミステリクラブ3 動... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

実用書・ビジネス書」カテゴリの最新記事