今日5日は、週刊金曜日の発売日です。
特集『大震災と宗教』の中で、「救いの力を取り戻すには」というタイトルで、上田紀行先生と私の対談記事が載っています。
機会がありましたら手にとってお読みいただければと思います。
以下はその目次です。
対談といえば、昨日は、曹洞宗東北管区教化センターの「禅を聞く会」で、板橋興宗禅師様と服部幸應先生との対談が行われ、私がコーディネーターを務めさせていただきました。
20周年、120回目の開催の記念講演ということで、著名なお二人の対談ということになったものでした。
その中で、禅師様に「被災されて苦しみの中にいらっしゃる方々に、それを乗り越えるアドヴァイスのようなものをいただけたら」とお願いしましたら、「いや~私はそんなことは何も言えない、ただ合掌するのみです」とおっしゃいました。
謙虚にそうおっしゃったのかと思い、別の角度から「越後の良寛さんは『災難に遭うときは遭うがよろし』と言われたと聞き及んでいますが、そのお心を教えていただけますか」と、伺ったところ、「それは本当にそう思います、だけど、私は被災者に向かってそうは言えません」とまた合掌されました。
これは、被災された方を心から不憫に思われ、かける言葉もない、という「同悲同苦」の無言のお言葉だったのだろうと受け止めさせていただきました。
世に言うえらい人たちは、聞かれれば、何か教えなければならないと思って、形のいい言葉を並べるのではないでしょうか。
禅師様は、曹洞宗の管長も努められた、いわば宗門のトップにあられた方です。
その禅師様が「とてもとても、私にはアドヴァイスなどはできません、ただただ合掌のみです」というのは、心から被災者にお心を痛めていらっしゃる表れなのだろうと思ったことです。