なあむ

やどかり和尚の考えたこと

すべての幸せを願う

2012年01月06日 09時26分05秒 | 今日のありがとう

一切の生きとし

生けるものよ

幸せであれ

安泰であれ

安楽であれ

(釈尊の言葉「スッタニパータ」より)

勝ち負けではない、損得でもない、東西、南北の違いもなく、上下、大小、貧富、貴賎の別なく、この世に生あるすべての命よ、幸せであれ。

それがお釈迦様の心です。

歴史に残る大災害も、時間と距離に比例してどんどん忘れ去られていきます。

それは世の常で仕方のないことだと思います。

しかし、せめて、白河以北の人々は、現に今、そこに苦しみの人々がいることを忘れてはならないでしょう。

苦しむ人々を見捨てて、自分だけが幸せになれるはずがありません。

たとえば、我が子の苦しみを見て、親は幸せを感じられるでしょうか。

「一切衆生は皆我が子なり」と見たお釈迦様。

その教えをいただく仏教徒です。

津波の映像を見て叫びませんでしたか「早く逃げて!」。

再会して抱き合う姿を見て心から思いませんでしたか「良かったね!」と。

あの時私たちは、確かに、すべての人々の幸せを祈りました。

そういう心が私たちにはあります。

今年もその心を大切にしていきましょう。

(平成24年1月「なあむ」214号)