一切の生きとし
生けるものよ
幸せであれ
安泰であれ
安楽であれ
(釈尊の言葉「スッタニパータ」より)
勝ち負けではない、損得でもない、東西、南北の違いもなく、上下、大小、貧富、貴賎の別なく、この世に生あるすべての命よ、幸せであれ。 それがお釈迦様の心です。 歴史に残る大災害も、時間と距離に比例してどんどん忘れ去られていきます。 それは世の常で仕方のないことだと思います。 しかし、せめて、白河以北の人々は、現に今、そこに苦しみの人々がいることを忘れてはならないでしょう。 苦しむ人々を見捨てて、自分だけが幸せになれるはずがありません。 たとえば、我が子の苦しみを見て、親は幸せを感じられるでしょうか。 「一切衆生は皆我が子なり」と見たお釈迦様。 その教えをいただく仏教徒です。 津波の映像を見て叫びませんでしたか「早く逃げて!」。 再会して抱き合う姿を見て心から思いませんでしたか「良かったね!」と。 あの時私たちは、確かに、すべての人々の幸せを祈りました。 そういう心が私たちにはあります。 今年もその心を大切にしていきましょう。 (平成24年1月「なあむ」214号)