トップ一人が替わるだけで国がこんなにも変わるんだということを目の当たりにしている。
もしかしたら我々は、今、独裁者誕生のプロセスに立ち会っているのかもしれない。
戦争が始まるそのスタートの目撃者なのかもしれない。
トップ一人の決断で憲法の解釈が変わってしまうという前代未聞の現場に我々は居合わせてしまった。
解釈を変えれば憲法さえ意のままになるのだから、これからは何だってできるのだろう。
暴走の助走は経済政策にあったように思う。
経済を立て直す政策として三本の矢を喩えとした。
三本の矢?それが暴走の進む方向を暗示していたとすればなかなかの詩人だ。
その政策が多少成功するや、済界も護送船団よろしく、取り巻き船から下りようとはしない。
経済という虎の子を質草にとられ沈黙を守っているうちに、とんでもない海域に漕ぎ出して元に戻れなくなりはしないか。
暴走の目標は経済再建ではなく、戦争なのかもしれない。
黙して伴走することが片棒を担ぐことにもなりかねない。
目を覚ませ、企業よ。
黙している場合ではない。
国が戦禍に見舞われれば経済の地盤が崩壊するのだから。
永続した安定のためには平和が一番なのだから。
それとも、戦争のための死の商人を目指すのか。
済界が目を覚まして諫めることによって暴走は止められるかもしれない。
経済のために国を戦争に導くことのないように。
経済よりも大事なのは命であることを、企業が示して欲しい。
それが日本を守ることかもしれない。