なあむ

やどかり和尚の考えたこと

三ちゃんのサンデーサンサンラジオ129

2017年10月14日 09時39分10秒 | サンサンラジオ
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三ちゃんの、サンデーサンサンラジオ!

今週もはじまりましたサンデーサンサンラジオ。
お相手は、いつもの三ちゃんこと三部和尚です。

10月15日日曜日。

とっぷりと秋の真ん中となってきました。
木々の葉も次第に色づきはじめてきたようです。

 花開必結真実(花開けば必ず真実を結ぶ)
 青葉逢秋即紅(青葉秋に逢うて即ち紅)
時節因縁が到来すれば、結果は自ずからやってくる。という意味の禅語です。

木々の葉の変化は人の一生に似ています。
春に芽吹く新芽は、生まれたばかりのしわくちゃにたたまれた赤ん坊の手のようです。
みずみずしい新緑は、青春と同じに透き通るような美しさです。
夏、キラキラと照り返す濃い青葉は、たくましく成長した成年時代と言えるでしょう。
やがて秋、緑が少しずつ変化をし、黄色や赤に燃えていきます。
冬、風に任せて大地に舞い降り、雪の下で次の命を優しく育む掛け布団となります。

老年はまさに秋の季節。
私にも紅葉が始まりました。
錦とまではいかないまでも美しく染まりたいと思います。
秋になっても青葉でいたいと思うと無理が出てきます。
しわを伸ばしたりたるみを引き締めたり、気持ちは分からないではありませんが、顔は誤魔化せても首や手の老いは隠せませんね。
紅葉でもなく青葉でもない、どっちつかずのまだらな色は決して美しいとは言えないと思います。
アンチエイジングなどという無駄な抵抗はせずに、自然に任せて開き直った方が美しく見えると思うのですが違うでしょうか。
老いが美しくないと思うから老いを敵対視し、老いを嘆くことになります。
「100歳100歳」のキンさんギンさんがいましたが、彼女たちがアンチエイジングしてたとは思えません。
なのに名前の通り輝いていたと思います。
紅葉のように、人生は美しき変化を遂げるのであり、老いは決して敵ではありません。
赤ん坊がハイハイから立ち上がり一人で歩き出すのを「成長」と呼ぶなら、老いの変化も人間一生の成長ととらえることができるでしょう。

檀家のおばあちゃんに声をかけました。
「鈴木さん」「……」、「鈴木さん」「……」、「鈴木さーん」「うーん?」
ようやく気がつきこう言いました、
「最近耳が十日町」、「ふふふ」
「ついでに目はかすみ町」、「うまいこと言うね」
ということで、気に入ったのでその続きを付け足しました。
「耳は十日町、目はかすみ町。腰は大曲、足は足摺岬。体のアチコチ小姓町。頭の中は大歩危小歩危でさっきのことも稚内。だけど、あなたを見ると心はいつも若葉町」。
老いを笑ってしまえれば楽しくなります。
これは老人にしかできません。
美しく染まって生きましょう。
染まるまで生きられたことを感謝しましょう。
老いは怖くない、老いは楽しいと若い者に知らせてあげましょう。
突然の嵐が吹いた後は、落ちた場所で次の命を育みましょう。
散った後も役に立てるのです。嬉しいことじゃないですか。
「青春」に対して秋は「白秋」というのが決まりですが、白よりも赤の方がいいので「紅秋」と呼びたいと思います。
「われら紅秋!」
「紅秋とは何だ!」
「これが紅秋だ!」
「飛び出せ!紅秋」
「燃えろ!紅秋」


今週はここまで。また来週お立ち寄りください。