なあむ

やどかり和尚の考えたこと

三ちゃんのサンデーサンサンラジオ167

2018年07月15日 05時15分49秒 | サンサンラジオ
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三ちゃんの、サンデーサンサンラジオ!

今週もはじまりましたサンデーサンサンラジオ。
お相手は、いつもの三ちゃんこと三部和尚です。

7月15日、日曜日です。

西日本豪雨災害、とてつもない規模になりました。
亡くなられた方の安らかなご冥福と、被災された方々、ご家族を亡くされた方々の身心安寧を心から祈ります。

これまで集中豪雨というのは、ある一定の限られた地域に起きるもので、これほど広範囲に起こるとは思ってもいませんでした。
200名を超す死者、現地の惨状は、東日本大震災の津波を思い出させました。
「山津波」という言葉があったことを思い知らされた感じです。
「ここは大丈夫」と、避難をせずに亡くなられた高齢者が多かったことは、津波の教訓が生かされなかったと残念に思います。
それでも東日本方面では何となく平穏で、フェイスブックなどの投稿を見ていても、いつものように飲んだり食べたりの記事があふれています。
そうなのでしょうね。被災地以外には日常があります。
地域というか距離というか。自分から離れている地のことはなかなか日常の思考の中に入って来ないものなのでしょう。
東日本大震災の時も、西日本ではきっと同じように、遠い所の大変なことというぐらいの受け止め方だったのだろうと思います。
震災の後、布教の巡回で各地を回って震災の話をさせていただいても、東北から離れたところでは「またその話か」という冷めた反応であったことを思い出します。
他人を思う時に、その距離というのは大きな要素であることは間違いありません。
しかし、同じような経験をした人にとっては違います。
北海道奥尻島の津波の時、真っ先に支援物資を送ってくれたのは島原雲仙岳噴火による被災地域の人々でした。
熊本地震が起こった時、東北の津波被災地の復興商店街ですぐさま募金活動が始まりました。「他人事じゃないも」と言っていました。
シャンティ気仙沼事務所の事業を引き継いだNPO法人「はまわらす」から今年の寄付のお願い状が届きました。
そのカバーレターに、「寄付のお願いを準備している最中に豪雨災害が起こりました。大震災を経験した私たちにとっては他人事とは思えずどのように対応するか悩みました」と。そして、いただいた寄付の20%を豪雨の被災地に送ることにしました、と。悩んでくれたことがうれしいですね。

距離よりも強いものがあります。
それは共感というつながりでしょう。
カンボジア難民支援が始まったころ、募金のお願いに対して「海外よりも国内にも困っている人がいるだろう」と言われました。
確かにその通りです。日本国内にも困っている人はたくさんいます。
それならその方は、国内の大変な方に何か支援をされているのだろうか、と思いました。
海外だから、遠い所だから、という方は、結局隣の困窮にも手を差し伸べることはないのではないかと思ったことでした。
自分が経験したことがないと、同じような困難の人の気持ちが分からない。それは事実ではありますが、後は想像力ですね。
神通力というのは、どれほど相手を思う力が強いかということだと思っています。
中島みゆきの歌がすごいと思うのは、その歌の主人公になり切れる想像力です。想像力というよりも神通力なのですね。
ジョンレノンのイマジンもそれを歌っているのじゃないでしょうか。
想像してみてください。
一瞬にして家に泥水が押し寄せ、家を失い、家族を失い、炎天下の中、水もない中で、これからどう生きていけばいいのか、と途方に暮れる人々の心を。
想像してみてください。共感は距離を超えます。
経験をしたことがなくても、あなたには想像ができるはず。
痛みを感じようとする心が慈悲心です。

シャンティ国際ボランティア会では、12日より愛媛県と広島・岡山方面に調査に入りました。現地の状況を見極めて支援活動を開始する予定です。
募金の受付も開始しました。想像力を行動につなげていただければと思います。
シャンティの募金はこちらから

今週はここまで。また来週お立ち寄りください。