なあむ

やどかり和尚の考えたこと

カンボジアの弟妹

2014年08月15日 09時37分39秒 | ふと、考えた

お盆前の9~11日、カンボジアの弟家族と妹が訪ねてきました。

34年前、難民キャンプで出逢い、5年後に日本に移住した家族。

元気だったお父さんもお母さんも亡くなり、宿用院でお骨を預かっています。

私にとって弟と妹になる一男二女は日本に住んで、いろいろな苦労を背負いながら何とか暮らしています。

お盆でもあるのでお父さんとお母さんのお参りをしたい、ということで訪ねてきました。

宿用院で法要の後、加茂水族館、岩出山感覚ミュージアム、前森高原など、二泊して遊んでいきました。温泉にも泊まりました。

せっかく厳しい生活の中がんばって来てくれたのだから、思う存分楽しんでもらいたいと思いました。

松林寺に泊まった次の朝、朝課が始まるとすぐに後に座り、ずっと祈っていました。

終わって振り向くと、涙を流しながら、私の膝下に手をついて感謝の言葉を述べました。

アジアの人に対する日本人の対応は必ずしも優しくありません。仕事に就いてもいじめや嫌がらせもあるようです。

弟が30年も勤めている会社も、未だに1ヶ月契約の不安定な雇用でしかありません。

奥さんもせっかく勤めていた仕事をいじめで辞めざるを得ませんでした。無理して娘を保育園に入れたばっかりだったのに。

それでも「がんばりますから」と涙ながらに仏様に誓っているのでした。

50歳になる弟は、日本で暮らす方が長くなり、今さらカンボジアには帰れません。

しかし、その日本も安住の地ではないのです。未来に不安もあります。

そんな健気な弟妹を見放すわけにはいきません。

苦労の多い環境の中でも、何とか希望を棄てずに生活してもらいたい。

困った時にはいつでも頼って欲しい。と願うばかりです。

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