本日の購入
「臨床瑣談 続」(中井久夫、みすず書房)
「日時計の影」(中井久夫、みすず書房)
中井久夫は群馬県内の友人に紹介されて「兆候・記憶・外傷」「家族の深遠」「記憶の肖像」「治療文化論」「時のしずく」と読み進めてきた。紹介してくれた友人には心から感謝の気持ち。
これまで私の思考に大きな影響を与えてくれたくれた著作者は、吉本隆明・マルクス・埴谷雄高・ドストエフスキー・魯迅・竹内好・網野善彦・白川静とつながってくる。私の中ではそれなりにずっとつながっている。
吉本隆明の著作には強さと新鮮さ、埴谷雄高の文章には自分と似た思考回路、ドストエフスキーにも発想の近さ、魯迅にはしたたかさへの憧憬を感じてきた。
白川静には限られた資料にもかかわらず、ながい時間をかけてかもし出された思考による資料解釈の自由さと体系化への強い意志を感じ、心地よい思考の飛躍を味わった。惜しむらくは考古学資料による裏打ちがなされなかったこと。これは本人の責ではなく、時代の制約によるもの。今後の中国の考古学の発展を願うばかりだ。
網野善彦にも地道な資料探査と大胆な仮説を心地よく読ませてもらった。これは自然科学の、特にプレートテクトニクスの発展の経過を見てきた私にはとても興味深く読んできた。
そして中井久夫の文章には、大言壮語も大胆な仮説もないが、ひたすら臨床に裏打ちされた思考の応用力が垣間見える。
応用力という点から見てこの「臨床瑣談」の中の「院内感染」をめぐる文章は優れている。「臨床瑣談」の正続、ある意味では専門の精神科ではない内科の医師の判断にかかわる課題を、経験に基づく思考によって丁寧にといていこうとする姿勢、これには学ぶべきものが多い。
私もこのような歳のとり方、歳相応の応用力を身につけたいものだ。
ともに早く読了したい二冊。「臨床瑣談」はまもなく読了予定。
「臨床瑣談 続」(中井久夫、みすず書房)
「日時計の影」(中井久夫、みすず書房)
中井久夫は群馬県内の友人に紹介されて「兆候・記憶・外傷」「家族の深遠」「記憶の肖像」「治療文化論」「時のしずく」と読み進めてきた。紹介してくれた友人には心から感謝の気持ち。
これまで私の思考に大きな影響を与えてくれたくれた著作者は、吉本隆明・マルクス・埴谷雄高・ドストエフスキー・魯迅・竹内好・網野善彦・白川静とつながってくる。私の中ではそれなりにずっとつながっている。
吉本隆明の著作には強さと新鮮さ、埴谷雄高の文章には自分と似た思考回路、ドストエフスキーにも発想の近さ、魯迅にはしたたかさへの憧憬を感じてきた。
白川静には限られた資料にもかかわらず、ながい時間をかけてかもし出された思考による資料解釈の自由さと体系化への強い意志を感じ、心地よい思考の飛躍を味わった。惜しむらくは考古学資料による裏打ちがなされなかったこと。これは本人の責ではなく、時代の制約によるもの。今後の中国の考古学の発展を願うばかりだ。
網野善彦にも地道な資料探査と大胆な仮説を心地よく読ませてもらった。これは自然科学の、特にプレートテクトニクスの発展の経過を見てきた私にはとても興味深く読んできた。
そして中井久夫の文章には、大言壮語も大胆な仮説もないが、ひたすら臨床に裏打ちされた思考の応用力が垣間見える。
応用力という点から見てこの「臨床瑣談」の中の「院内感染」をめぐる文章は優れている。「臨床瑣談」の正続、ある意味では専門の精神科ではない内科の医師の判断にかかわる課題を、経験に基づく思考によって丁寧にといていこうとする姿勢、これには学ぶべきものが多い。
私もこのような歳のとり方、歳相応の応用力を身につけたいものだ。
ともに早く読了したい二冊。「臨床瑣談」はまもなく読了予定。