友人より北澤美術館の招待券をいただくことに。山梨や長野県の諏訪などの山行の折にといわれてはっとした。
山に行ったついでに美術館というのは、これまで私の行動・思考パターンにはなかった。出張先ではその地域の美術館・博物館等は可能な限り訪れている。そしてついでにその地域を取り囲む山に敬意を表して登ったことはいくつかある。こういうときは山は従。登山そのものを目的とした旅は考えていなかった。
今度意識的にこのことを山行の行動パターンに組み込んでみたくなった。登山から降りてくると、ひたすら温泉に飛び込んでビールを飲むか、地元ならではと思える居酒屋に直行して、ビールと日本酒・焼酎に飛びつくか、いづれかのパターンしかなかった。
特に長野県内に下山すれば温泉とホウトウと生ビール、お酒のお変わりは日本酒と決まっていた。
ただ美術館・博物館に行こうとする体力的な余力、柔軟な感性と思考力を保持して下山できるかというとはなはだ心もとない。
ここまで考えてから、ふと最近行っていない南アルプスに再び行きたいと思い始めた。南アルプスの山歩きにずいぶんと見せられていた時期があった。
南アルプスは確かに好きである。北アルプスより森が深く、稜線も長い山脈だ。北アルプスは日本海からの冬の季節風をまともに受け、稜線が急峻。アルペン気分は北アルプス。森の豊かさと山の奥深さ、森から突き出た稜線と森の木々の対比に強調される南アルプスの景観は、歩く者の気持ちを大きく広げてくれた。南アルプスは北アルプスよりも日本海からは遠い所為だろうか。遠くからの眺める南アルプスの冬の景色は、雪の覆われた山々、雪の下で眠っているという感じだ。森の生命力が雪の上に、また岩稜の氷の表面にまでにじみ出ている感じといったらよいのだろうか。北アルプスの雪は岩山を白い氷の中に力づくで閉じ込めたように見受けられる。
むろん実際には夏・秋の両アルプスしか体験していないが、その厳しさは遠くから眺めるのとは大違いであるとは十分に理解はしているつもりではある。
どうも中国の方の思考と言われる対表現になってしまった。でもささやかな違いをこのようにことさら対比すると、気持ちの上で整理した気分にはなる。政治の場の言語のように、ことさら辛らつにしてしまうことのないように注意しないといけないとは思いつつ。
来年当たりはふたたび南アルプスに足を向けてみよう。長野県内の鉄道の駅も懐かしいものとして思い出される。きっと今でも仕事に倦んだ頭と体にはぴったりの山々であってほしいと思う。
美術館のチケットから気ままな思考を辿ってみた。
山に行ったついでに美術館というのは、これまで私の行動・思考パターンにはなかった。出張先ではその地域の美術館・博物館等は可能な限り訪れている。そしてついでにその地域を取り囲む山に敬意を表して登ったことはいくつかある。こういうときは山は従。登山そのものを目的とした旅は考えていなかった。
今度意識的にこのことを山行の行動パターンに組み込んでみたくなった。登山から降りてくると、ひたすら温泉に飛び込んでビールを飲むか、地元ならではと思える居酒屋に直行して、ビールと日本酒・焼酎に飛びつくか、いづれかのパターンしかなかった。
特に長野県内に下山すれば温泉とホウトウと生ビール、お酒のお変わりは日本酒と決まっていた。
ただ美術館・博物館に行こうとする体力的な余力、柔軟な感性と思考力を保持して下山できるかというとはなはだ心もとない。
ここまで考えてから、ふと最近行っていない南アルプスに再び行きたいと思い始めた。南アルプスの山歩きにずいぶんと見せられていた時期があった。
南アルプスは確かに好きである。北アルプスより森が深く、稜線も長い山脈だ。北アルプスは日本海からの冬の季節風をまともに受け、稜線が急峻。アルペン気分は北アルプス。森の豊かさと山の奥深さ、森から突き出た稜線と森の木々の対比に強調される南アルプスの景観は、歩く者の気持ちを大きく広げてくれた。南アルプスは北アルプスよりも日本海からは遠い所為だろうか。遠くからの眺める南アルプスの冬の景色は、雪の覆われた山々、雪の下で眠っているという感じだ。森の生命力が雪の上に、また岩稜の氷の表面にまでにじみ出ている感じといったらよいのだろうか。北アルプスの雪は岩山を白い氷の中に力づくで閉じ込めたように見受けられる。
むろん実際には夏・秋の両アルプスしか体験していないが、その厳しさは遠くから眺めるのとは大違いであるとは十分に理解はしているつもりではある。
どうも中国の方の思考と言われる対表現になってしまった。でもささやかな違いをこのようにことさら対比すると、気持ちの上で整理した気分にはなる。政治の場の言語のように、ことさら辛らつにしてしまうことのないように注意しないといけないとは思いつつ。
来年当たりはふたたび南アルプスに足を向けてみよう。長野県内の鉄道の駅も懐かしいものとして思い出される。きっと今でも仕事に倦んだ頭と体にはぴったりの山々であってほしいと思う。
美術館のチケットから気ままな思考を辿ってみた。