本日は「近代絵画史(上)」の第6章まで読了。前回第2章のターナーについて言及してある個所の引用を忘れていた。
「(ターナーは)自然の中に、人間の存在をはるかに超えた強大な力――それも悪意に満ちた力――のみを見ていた。自然とは決してコンスタブルのように平和な静けさに満ちたものではなく、、またウィルソンのように静かに観照するものでもない。‥自然と人間との激しい闘争がテーマとして取り上げられるが、それはつねに自然の圧倒的な優位に終わる‥。ターナーの風景画の持つ荒々しさは、彼自身の心のなかの荒涼とした世界の反映である。‥ルネサンス時代や17世紀オランダの作品にみられたような自然と人間との調和のとれた関係は、もはや存在しない。‥自然と人間とのバランスのとれた友好関係が失われて、人間の理解を超えた不気味な自然が登場してきた時から「近代」が始まったのだとすれば、ターナーは紛れもなく、「近代」の先駆者のひとりであった‥。」
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