久しぶりに本の頁を開いた。読んだのは「図書5月号」から、
・[表紙]レーニン 杉本博司
・本との出会い 木村榮一
・手塚治虫と宝塚 幻想の相乗効果 川崎賢子
・古代ローマの出版事情 國方栄二
・『沖縄ノート』(上) 柳 広司
・もしも夜空が明るかったら 谷口義明
久しぶりに「ヴィルヘルム・オルバースのパラドックス」という言葉を見た。
「オルバースはまず三つの仮定をした。(1)宇宙は無限に広い。(2)したがって、星の個数も無限大である。(3)星は一様に宇宙に分布している。‥これらの仮定を認めてしまうと、困ることがある。それは、夜空はどの方向を見ても、太陽のような星がびっしりとならんているように明るくなってまう‥」
学生時代にずいぶんと友人とウィスキーを飲みながら議論したことを思い出した。そしていつの間にか忘れてしまったパラドックスである。興味は大学の紛争の中ですっかり無くなってしまった。いつの間にか正解を知ることもなく、50年も経ってしまった。
「オルバースは無限宇宙を信じた。そのためパラドックスに陥った。‥人類には無限に憧れてきた歴史がある‥。古代ギリシアの時代から無限宇宙という考え方の方が主流だったのだ。」
なるほど。では筆者の掲げる正解は「この宇宙には夜空を明るくするほど、星や銀河をつくる物質はない」ということだそうである。
今晩はこの言葉を飲み込んでおくことにした。