今年のショパンコンクールで2位となった反田恭平氏のコンクールでの演奏をYoutubeで聴いてみた。
まずは予備知識として、コンクールでの演奏曲目と演奏日時を列挙してみる。その過酷な日程に驚くと同時に、課題曲からの選曲の妙にも驚く。
3回の予選の間は5日間、それぞれ25分余、35分余、49分余。本選は4日後で、第1番の協奏曲で43分余。
予選では、それぞれの課題曲を並べて演奏するだけではなさそうで、ひとつの音楽のような流れを作ることも求められているように思える。今回の反田恭平氏はそれも念頭に置いているようだ。
本日は1次予選、2次予選まででやめた。とても演奏に緊張感があり、聴いているほうも力が入り、じっくりと聴かせる演奏だったので、ある意味では疲れる。
反田恭平氏の演奏は、表情や仕草は情感たっぷりであるが、リズムは正確だと思う。特にトレモロの音は一つ一つが均等で、乱れがなく美しい。強弱もメリハリが効いて、躍動感がある。
私には好感の持てる演奏である。
《演奏曲》
1次予選: ノクターンロ長調 (作品62-1), エチュード ハ長調 (作品10-1), エチュード ロ短調 (作品25-10), スケルツォ 第2番 変ロ短調 (作品31) ⇒1次予選
2次予選: ワルツ ヘ長調 (作品34-3), マズルカ風ロンド ヘ長調 (作品5), バラード 第2番 ヘ長調 (作品38), アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ ホ長調 (作品22) ⇒2次予選
3次予選: マズルカ(作品56), ソナタ 第2番 変ロ短調 (作品35), ラルゴ “神よ、ポーランドをお守りください” (遺作), 英雄ポロネーズ 変イ長調 (作品53)
ファイナル: ピアノ協奏曲 ホ短調 第1番 (作品11)
《演奏日時》
1次予選: 10月4日(月)
2次予選: 10月9日(土)
3次予選: 10月14日(土)
ファイナル: 10月18日(水)
3次予選、ファイナルはまた気分が乗った時に視聴したいと思う。また4位になった小林愛美氏の演奏もYoutubeで聴くことができる。こちらも聴きたい。
僕は今年のショパンコンクールは予備予選から注目して聴いていました。きっかけがあり、この夏は反田恭平をシューマンの協奏曲で一度、オール・ショパン・リサイタルを一度、大ホールで聴きました。公演ではもっともったいぶったような弾きぶりでしたが、コンクールでは繊細な表情もありましたか…
小林愛実は奈良の中ホールで二日間、ショパン・プログラムを生で聴けました。彼女も華奢な体で力強い演奏ですね。
ぜひ受賞者記念コンサートもYouTubeで聴いてみてください。みんな若いですが、各人各様の個性が出ていて楽しめました。
「表情や仕草は情感たっぷりであるが、リズムは正確だと思う」というのは、「表情やしぐさが過剰ではないか」という意味合いを含めての表現です。