★ともに居て梨剥けば足る恋ごゝろ 日野草城
★梨食ふと夕日に耳の透きにけり 加藤秋邨
★道元のつむりに似たる梨一つ 長谷川櫂
★梨喰うて口さむざむと日本海 森 澄雄
★梨かじる風の筋なる路傍の石 細見綾子
第3句、今の世でだれも道元の剃った頭の形などしらない。それでも梨を見て、あの禅宗の難しい悟りを得た道元を思い出したのか。禅宗では円相図が思い出される。梨の丸みからの連想だろう。しかし、丸いのは林檎でも蜜柑でもいい。だが梨の表面の粒粒に毛の生えかかった頭がピッタリである。悟りとはまだまだかなりの距離がある作者であり、読者である。
第4句、第5句、梨を口にすると、秋の風が身に沁み、秋を感じる。果汁のつめたさが嬉しい。
明日は整形外科を受診、夜は講演会がある。久しぶりに友人と居酒屋に行くこととなる予定。