メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『千利休 本覚坊遺文』(1989)

2009-12-05 22:51:53 | 映画
『千利休 本覚坊遺文』(1989)
原作:井上靖 監督:熊井啓
出演:奥田瑛二, 三船敏郎, 萬屋錦之介, 芦田伸介, 上條恒彦, 川野太郎, 牟田梯三 ほか

story
利休が死んで27年後、利休の愛弟子・本覚坊は、師匠が独り寂しく河原をゆく後を追うも「お前はもう帰りなさい!」と言われる夢を見た。
茶室を拝見しに、織田有楽斎のもとを訪れた際も、その後縁ある人に出会うたび、
利休が秀吉に切腹を命じられ、周囲の者もまた自害している理由を問われ、
その時々を思い出してその人となり、真の茶人とはなんぞやという核心に迫ってゆく。

まだ弟子になって間もない頃、「死」という掛け軸を前にして真っ暗闇の中緊迫した死生観を語っていた3人。
利休のほかは山上宗二、織田織部であり、3人とも切腹によって自害している。
それからまもなく、有楽斎は急病で重体となり、本覚坊が見舞いに行くと、
瀕死の病床にありながらなおも利休の謎の答えを求め、とうとう本覚坊は師匠が秀吉に最後のお茶をたてたようすを話す。
利休の茶を飲んで出陣し戦に散った戦国武士は数知れず、その無念に散った命への責任のためにも筋を通したのだと知り、
有楽斎はすっかり満足し、この世になき人々とともに利休から茶をいただき、切腹までもともにし息絶える。


とても静かだが、濃密な映像で、ふとした動きの中にそれぞれの究極の生き様が蠢いて素晴らしい1本。
単なる茶をたてる有名な人ってくらいな知識しかなかったけど、こうしてみると茶道、
いや「道」と名のつく奥義を極めるとゆうことは、究極の芸術であり、深い哲学であり、
戦国時代ではとくに命を賭けてでも守るべき道だったんだなぁ。。

荒々しい戦国武将たちが絢爛豪華な装飾を愛でた時代に、質素さの中にある美(侘・寂)を説いた。
ゆってみれば平民の出からのし上がった秀吉に、侘・寂の茶の哲学や美が理解できたかどうかも疑問。
ウィキには「死後、利休の首は一条戻橋でさらされた」とのこと/驚
秀吉から切腹を命令された原因にもいろいろあって、自分の木像を造ったからとか、
茶器を高額で売り私腹を肥やしたからとか、今作では朝鮮出兵に反対したからだとしている。


三船敏郎の利休は重みがあってさすがの貫禄。死んでなお弟子と語らう演出が幻想的。
その利休の死の謎に執念を燃やす有楽斎役・萬屋錦之介の渾身の演技も凄い。
茶室に飾られる華もまた総合芸術の重要なアイテムなんだね。刀が刺さってるオブジェは斬新!

「同時期に公開された勅使河原版「利休」との競作も話題になった」という。
利休は三國連太郎!秀吉は山崎努。こちらも豪華キャスティングで観てみたい。

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フィギュアGPF 男女フリー

2009-12-05 21:54:03 | フィギュアスケート
フィギュアグランプリファイナル 男女フリー

▼男子フリー
トマシュ・ベルネル:ルッツで転倒してから集中力切れたっぽい。ジャンプ以外も重い動き。
ジェレミー・アボット:4回転転倒。その後は落ち着いた演技でもりかえした。
ジョニー・ウィアー:プログラムの変更はあったものの、ショートに続くノーミスで自分の世界を魅せた。
織田信成:ジャンプの安定感がバツグンな選手なんだけど、2度のジャンプがシングルに。キメポーズも滑り終わった後も沈んだ表情。このプログラムも情感溢れる芸術的な完成されたものだ。
エバン・ライサチェック:端整な顔立ちのアップから。アクセルが1度失敗したほかはキレのある情熱的な演技。180cmを超える長身でここまで動くんだから、日常の食事や生活でも努力してるんだろうなあ!
高橋大輔:挑戦した4回転は転倒。「今夜はトリプルアクセルに魔物がついてる」と解説者。ラストのスピンの軸がズレたりしてスタミナも心配。このプログラムも好きだなあ!あらら結果5位。スポーツってほんと最後まで分からないものだねえ。。。

これでライサチェックが金、銀メダルの織田くんがオリンピック出場内定!!!おめでとうううう!!!
インタビューの表情がホッとしてて、やっと笑顔がこぼれてた。


▼女子フリー
アシュリー・ワグナー:また両足着氷が2度あったけど、その他のジャンプは落ち着いてた。最後に大きなガッツポーズ。
鈴木明子:ジャンプノーミスで勢いが増し、世界的にもレベルの高いステップは♪ウエストサイドストーリー のまさにミュージカルを見ているよう。コーチも大病をして、元気を与えたいって思いの力もあったのかも。力強い素晴らしい演技だった。
ジョアニー・ロシェット:ジャンプがまったく決まらない、やっぱ不調なんだな。実力が並んでる選手たちが試合で差がついてしまう。個人競技の面白さと怖さはここにある。
アリーナ・レオノワ:♪シカゴ は色っぽい曲。表情は今日も硬い。転倒もあって、軽快でスピーディな曲だけに生気がないと見ていてもツラい。キスアンドクライでは号泣してた
キム・ヨナ:うーーーん。本来の完璧さは出せなかったけど、オリンピック出場はすでに決まっているとのこと。緊張感からは抜けられなかった。
安藤美姫:途中ジャンプの変更があって、手をついてヒヤっとさせられたけど、この胃の痛くなるような緊張感の中での演技は立派。

フリーはジャンプが8種類。みんなとんでもないプレッシャーとの闘いで見ていても胸がつまった。
そしてどれも素晴らしいプログラムばかりで、スポーツとしてだけじゃなくアートを見ている満足感もあり。
欧米のカメラが近距離すぎたのと比べたら、日本は逆に遠景が多かった。
氷の広さを感じさせる一方、肝心なキメポーズや表情を撮りにがしてたのが残念
待っている場所も映されたけど、キムヨナと安藤がいっしょの場所にいる緊張感もすごいな

キム・ヨナ金、安藤が銀、鈴木が銅。安藤はバンクーバーオリンピック内定。

次は・・・「第78回全日本フィギュアスケート選手権大会」かな???
開催期間:2009年12月25日~2009年12月27日

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飛鳥・奈良時代

2009-12-05 12:03:17 | 
『少年少女日本の歴史2 飛鳥の朝廷 / 古墳(大和)・飛鳥時代』
著者名:監修/児玉幸多 まんが/あおむら純
予約している1巻がまだ1人待ちなため、早めに借りていた2、3巻を読んでしまうことにした。
今年2月あたりに夢中で読んだ『天上の虹』を復習するも、すでに誰が誰だったか忘れている

<主な登場人物>
●聖徳太子:冠位十二階、憲法十七条を定め、遣隋使を派遣して仏教を深く信仰した。
●推古天皇:日本最初の女帝。欽明天皇の皇女。聖徳太子を摂政にして新しい政治を試みる。
●小野妹子:遣隋使として文化の交流に関わる。
●蘇我馬子:敵対関係にあった物部氏を倒して、飛鳥寺(法興寺)を建てる。息子は蝦夷、孫は入鹿。
●天智天皇(中大兄皇子):蘇我氏を滅ぼし、大化の改新を行う。戸籍をつくった。
●天武天皇:大友皇子と戦い(壬申の乱)、天皇となる。天皇中心の律令体制を固める。
●中臣鎌足(藤原鎌足):中大兄皇子に協力し、蘇我氏を倒す。藤原氏の祖。
●持統天皇:唐の長安にならって日本初の都城・藤原京、大宝律令をつくる。
●柿本人麻呂:『万葉集』最大の歌人として活躍。息子は不比等。

仁徳陵はピラミッドや始皇帝陵にも負けない世界最大級の面積てゆうから驚き。
いまと違って日本もまだまだ土地がひらけて使い放題だったろうけど。
前方後円墳て形のデザインもフシギ。関わった人数も、埴輪、土偶などの副葬品の数もハンパない!

『少年少女日本の歴史3 奈良の都 / 奈良時代』
著者名:監修/児玉幸多 まんが/あおむら純

<主な登場人物>
●聖武天皇:東大寺・国分寺を建て、仏教を広める。天平文化を支える。遺品は東大寺の正倉院に納められた。
●鑑真:日本に戒律を伝えた中国の高僧。東大寺に戒壇院をつくり、唐招提寺をつくる。
●阿倍仲麻呂:遣唐留学生として唐に渡り、玄宗皇帝に仕える。とうとう帰国を果たせなかった。
●吉備真備:貴族、学者。留学生として唐にわたり、帰国後朝廷で大活躍。
●大伴家持:豪族・大友氏の長。『万葉集』を編纂した歌人。

奈良の大仏デカい!!!鋳造物としては世界最大。それを納める大仏殿もまた世界最大の木造建築物!
平城京ほか難波宮、恭仁京、紫香楽宮など転々と都を移し、大仏づくりとともに民衆への負担は過酷で、
貴族と民衆の暮らしぶりの差が激しかった。
また、和同開珎は日本で初めて本格的につくられた銅銭。まだ物々交換が主流で広まらなかった。
こないだ観た『天平の甍』が復習できた。



万葉列車
「来年開かれる平城遷都1300年祭に合わせ、奈良県中南部の観光PRを目的に運行される」とのこと。
ちょっと乗ってみたいかもv 生せんとくん・・・リアル・・・


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