■『海辺の王国』The Kingdom by the Sea
ロバート・ウェストール作 坂崎麻子訳 徳間書店
「児童文学の歴史に残る作品」と評され、ガーディアン賞、カーネギー賞銀賞受賞。
以前読んだクリスマスの物語に魅了され、上の評価に興味を持ち、犬と少年の旅を題材にしてることで借りてみた。
本てすげえや!自分の1コの人生だけではとても経験出来ないことでも、様々な世界を体験させてくれる。
久々少し長くて、挿し絵もない本だったけど(^^;)、想像がどんどん広がって、バスの中でも夢中に読んでいたら泣いてしまった。
▼あらすじ
1940年代。世界は割れて暗黒の戦争の真っ只中。少年の家族はドイツ軍飛行機の空襲によって一瞬で瓦礫の山に消えた。
1人残され、大嫌いな叔母の家に預けられる前に、少年はあてもなく歩き始めた。誰も自分を知らない土地へ!
海岸の壊れたボートで一夜を明かし、同じく家族を亡くした犬ドンと出会う。
非常用に持ち出したカバンの中には銀行通帳も入っている。「よし、うまくやれるぞ」
使われなくなった電車の車両の中には、すでに亡くなった牧師家族が旅人のために用意した缶詰めや寝床があった。
農夫に話しかけた時は、干し草を荒らされたといきなり激しくぶたれる。
いい人に出会ったかと思えば、今度は酷い状況に打ちのめされるという繰り返し。
海岸では海からいろんなものをいただいて暮らす男がいた。少年はあらゆる生きる術を猛スピードで吸収してゆく。
トーチカに住処を落ち着かせ、軍人と親しくなる。
彼もまた幼い子どもを家に置いて戦っていた。
しかし、楽しい日々は続かず、性癖の悪い伍長につきまとわれ、トーチカを追われる。
若い頃にたくさんの冒険をして今は年老いた女性のもとで素晴らしい一夜を過ごした翌日に、
やっとたどり着いた神の島で冷たい仕打ちを受け、危うく海に沈みそうになる。
傷ついたドンを救ってくれたのは、教師。妻を亡くし、一人息子は軍艦に乗り、日本軍に沈められた。
2人は一緒に山に登り、教師は「子どもを亡くしためす羊には、死んだ子羊の皮をはいでみなしごになった子羊に巻きつけると、自分の子の匂いがするから、子羊を受け入れてうまくゆくんだ」と話す。
「それが自然というものだ。1頭のめす羊と、1頭の子羊が幸せになれる」
教師と暮らすために少年を生まれた町へと連れてゆき、家族の消息を調べにゆき、今までの旅した場所はあっという間に車中から巻き戻されてゆく。。
これは、少年が大人になる過程の物語りだ。
自分で築き上げた「海辺の王国」へ、少年はいつか必ず戻ろうと心に決める。
今まで読んだたくさんの本の中でも、10本指に入る素晴らしい物語りだった。
ロバート・ウェストール作 坂崎麻子訳 徳間書店
「児童文学の歴史に残る作品」と評され、ガーディアン賞、カーネギー賞銀賞受賞。
以前読んだクリスマスの物語に魅了され、上の評価に興味を持ち、犬と少年の旅を題材にしてることで借りてみた。
本てすげえや!自分の1コの人生だけではとても経験出来ないことでも、様々な世界を体験させてくれる。
久々少し長くて、挿し絵もない本だったけど(^^;)、想像がどんどん広がって、バスの中でも夢中に読んでいたら泣いてしまった。
▼あらすじ
1940年代。世界は割れて暗黒の戦争の真っ只中。少年の家族はドイツ軍飛行機の空襲によって一瞬で瓦礫の山に消えた。
1人残され、大嫌いな叔母の家に預けられる前に、少年はあてもなく歩き始めた。誰も自分を知らない土地へ!
海岸の壊れたボートで一夜を明かし、同じく家族を亡くした犬ドンと出会う。
非常用に持ち出したカバンの中には銀行通帳も入っている。「よし、うまくやれるぞ」
使われなくなった電車の車両の中には、すでに亡くなった牧師家族が旅人のために用意した缶詰めや寝床があった。
農夫に話しかけた時は、干し草を荒らされたといきなり激しくぶたれる。
いい人に出会ったかと思えば、今度は酷い状況に打ちのめされるという繰り返し。
海岸では海からいろんなものをいただいて暮らす男がいた。少年はあらゆる生きる術を猛スピードで吸収してゆく。
トーチカに住処を落ち着かせ、軍人と親しくなる。
彼もまた幼い子どもを家に置いて戦っていた。
しかし、楽しい日々は続かず、性癖の悪い伍長につきまとわれ、トーチカを追われる。
若い頃にたくさんの冒険をして今は年老いた女性のもとで素晴らしい一夜を過ごした翌日に、
やっとたどり着いた神の島で冷たい仕打ちを受け、危うく海に沈みそうになる。
傷ついたドンを救ってくれたのは、教師。妻を亡くし、一人息子は軍艦に乗り、日本軍に沈められた。
2人は一緒に山に登り、教師は「子どもを亡くしためす羊には、死んだ子羊の皮をはいでみなしごになった子羊に巻きつけると、自分の子の匂いがするから、子羊を受け入れてうまくゆくんだ」と話す。
「それが自然というものだ。1頭のめす羊と、1頭の子羊が幸せになれる」
教師と暮らすために少年を生まれた町へと連れてゆき、家族の消息を調べにゆき、今までの旅した場所はあっという間に車中から巻き戻されてゆく。。
これは、少年が大人になる過程の物語りだ。
自分で築き上げた「海辺の王国」へ、少年はいつか必ず戻ろうと心に決める。
今まで読んだたくさんの本の中でも、10本指に入る素晴らしい物語りだった。