メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『妄想代理人』(2004)

2011-01-04 12:33:40 | マンガ&アニメ
『妄想代理人』(2004)

オープニングテーマ「夢の島思念公園」
作詞・作曲・編曲 - 平沢進

エンディングテーマ「白ヶ丘-マロミのテーマ」
作詞・作曲・編曲 - 平沢進


story
癒し系キャラ・マロミを考案した鷺月子は、新キャラを早く考え出すよう上司に追い込まれていた。
暗い路地裏で妖しげな老婆を見かけ、逃げ込んだ駐車場で曲がった金属バットを持った少年に殴られる。
「少年バット」としてマスコミに騒がれる事件のはじまりだった。

昔堅気な刑事・猪狩と、現代っ子な部下・馬庭は捜査を始めるが、事件は連鎖的に広がってゆく。

月子を執拗に追い回したルポライターの川津、

勉強も運動もすべてNO.1が自慢の鯛良は、ローラーブレードを履いていたことで疑われ、
グズな転校生・牛山に児童会長の座を奪われそうになって・・・、

その鯛良の地味な家庭教師・蝶野は、二重人格で、もう1人の自分はホテトル嬢

猪狩の同僚・蛭川は、マイホームを建てるために汚職を重ね、それが悪いボスにバレて多額を要求され、引ったくりや強盗を繰り返す。

その蛭川の娘・妙子は、父親大好きな子どもだったが、夢のマイホームに越して間もなく、
自分の部屋に仕掛けられた隠しカメラで父親に覗かれていたと知って、ショック性の記憶喪失となる。

少年バットは、蛭川を襲って、逆に捕まり、猪狩は辛抱強く聴取を取るが、「自分は聖戦士だ」という妄想に囚われている。
詳しく聞きただすと、彼は騒動に乗って少年バットのフリをしていただけで、実際に襲ったのは蛭川と牛川だけ。間もなく、彼も殺されてしまう。

馬庭は、聖戦士のキャラと化し、謎の老人を老師として助言を聞き、アニメキャラに助けられつつ、
月子の幼少時代に起きた、ある小さな三面記事から真相を知る・・・


『ケイゾク』あたりから図らずも急に猟奇殺人じみた話ばかり続いてしまったが、
昨年8月に亡くなった今敏による原作・総監督アニメとして気になっていたので見てみたら、やっぱ面白い。
絶対、周囲にいる誰かをモデルにしてるんじゃないかってくらいリアルな人物描写。
世の中にはびこる恨み、妬み、嫉み、愚痴が渦巻いて、いつしか「少年バット」という怪物を成長させてゆく。

少年バットは一体誰なのか?関連がありそうでなさそうな登場人物たちの各エピソードは、
各話ごとに担当者が違うのでは?ってくらい作風がガラリと変わったりしていてビックリする展開。
急にゲームの世界になったりして、ついてゆけなくなりそうになりながら
今の若者にとっては、擬似世界のほうがよりリアルな現実なのかと思ったり。
第10話では、アニメの制作過程が覗けるのが面白い。

OP、エンディングテーマの他、アイキャッチまでスタイリッシュでカッコいい。
特典には、今敏さんと平沢さんの対談なども入ってたけど、チラ見しただけ。
裏話より謎めいた本編のまま楽しみたい。


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『どろろ』(2007)

2011-01-04 12:24:46 | 映画
『どろろ』(2007)
原作:手塚治虫 監督:塩田明彦
出演:妻夫木聡、柴咲コウ、瑛太、原田美枝子、中井貴一、中村嘉葎雄、原田芳雄、土屋アンナ、劇団ひとり、インスタントジョンソン、きたろう、寺門ジモン、杉本哲太、麻生久美子 ほか
テーマ曲:♪フェイク/Mr.Children

trailer

story
何十年も戦乱が続く地獄の世の中。醍醐景光は、「地獄堂」の48体の仏像?に「自分が天下をとれるならなんでも差し出そう!」と叫ぶと、
魔物は「お前の子を差し出せ」と答えた。条件を飲んだ景光は稲妻のエネルギーを得る。

薬師が川で拾った赤ん坊は、とても人間の姿とは思えない様子だったが、ココロが伝わり、
薬師は自ら研究していた死体を生き返らせる実験によって赤子のカラダを少しずつ複製してゆく。

20年後。薬師が死に、鍛えられた子どもは、「百鬼丸」と名乗り自らの48体を取り戻すための旅に出る。
魔物と闘い、勝つたびに復元してゆくカラダ。それを見た女コソ泥は「魔物を断ち切る左の刀をくれ」と請う。
「どろろ」という名をもらった女は、昔、両親を景光軍に殺された恨みを晴らそうとしていた。

景光の息子・多宝丸は、百鬼丸を用心棒に雇おうと城に連れてくると、
母は彼こそ自分が捨てざるを得なかった長男だという。
魔物は景光に天下をとるためには百鬼丸を殺さねばならないと囁き、父と子の一騎打ちとなる。。


麻生久美子出演作品としてチェック。
総製作費20億円をかけ、興行収入34億円のヒット作となり、
「日本でもエンターテインメントが成立するということが証明された」というのが謳い文句にもなっている。

原作を読んだことがないので、忠実に実写化できているかどうか分からないが、
さまざまな怪物との闘いのシーンは、CGによっていくらかマシになったとはいえ、
『里見八犬伝』や円谷さんの特撮時代とあんまし変わらないと思うなぁ

大事なのはどのみち人間ドラマであって、若手のフレッシュな顔ぶれを中井貴一らのベテラン陣が支えてこそ成立してる。
個人的には、ひさびさ原田美枝子さんの時代劇ものをスクリーンで観れたのは嬉しいかぎり

麻生久美子は、どろろの母親役としてほんの数シーンのみだったけど、
荒唐無稽になりがちな怪物もので、人間ドラマの要になる部分を、
豪華キャスティングの中で目立ちすぎず、物語の一部としてしっくり馴染んでいるところが素晴らしい演技。

荒涼とした土地が重要な舞台となっていて、ロケ地が気になったが、ニュージーかあ!

「残り24体!」と啖呵を切って次回作を予告した終わり方をしていて、
実際パート2、3を予定しているようだが、この不況下で頓挫しているとのこと

原作も気になる。チラ見したら、絵からはどろろはとても女のコには見えないけどね



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