メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『ロフト』(2005)

2013-03-13 16:55:32 | 映画
『ロフト』(2005)
監督:黒沢清
出演:中谷美紀、豊川悦司、西島秀俊、安達祐実、鈴木砂羽 ほか

trailer

story
女性作家・春名礼子は、担当編集者・木島に急かされながら次の小説を書いているが、
咳き込むたびに黒い泥のようなものを吐くようになり、病院に行くとどこも異常は見当たらないといわれる。
「精神的なものかも。どこかに引っ越せば書けるかもしれません」と木島に物件を頼み、郊外の大きな一軒家に引っ越す。
その家の前には、大学の元研究施設があり、廃墟かと思いきや、教授・吉岡を見かける。
彼は、真夜中に死体のようなものを車に積んでいたので気になり、友人の記者に調べてもらうと、
その大学は、以前みどり沼からミイラを引き上げたという記事が見つかる。
礼子は、なぜか家の中で女の影を見るようになり・・・


西島秀俊さん出演作シリーズ。ちなみに電気技師としてバイトくんも出てた!驚
いまやハリウッドにリメイクされるようになったジャパニーズ・ホラー。
雰囲気を出すのはイイけど、90分くらいにまとめてくれないかなあ、といつも思う
この長~い感じ。最近観たホラーに似てるぞ。なんだっけか???『ハサミ男』か?
せっかく、この豪華なキャスト、監督なのに、なんだかピントがボヤけている。

西島さんは、ふつーの好青年、サラリーマンに見えて、実は異常な一面を持っているって役も多いな。
単なる二枚目役よりは、観ているほうも面白いし、似合ってる気がする。

それにしても、千年後に蘇ろうとしたミイラの話は、どこにいってしまったんだろう?
どっちかといえば、殺された作家志望の女の話が中心になっている。

コメント

『ターシャ・テューダー最後のことば』

2013-03-13 11:36:54 | 
MOE BOOKS『ターシャ・テューダー最後のことば』~ラスト・インタビュー「人生の冬が来たら」(白泉社)
ターシャ・テューダー/述 リチャード・W. ブラウン/写真

2008年6月に92歳で生涯を終えたターシャ。
彼女を知ったのは、母がBSで特集を見て大ファンになってから。
毎年、母の誕プレや、母の日のプレゼントに本を贈っていたけれども、自分で読むのは今回が初めて。

きっと、ターシャの生き方が、ガーデニングや、スローライフブームの引き金になった感じだよね。
物語りに出てきそうな木造りの家。広い庭には四季折々の花が咲き乱れ、
コーギーやヒツジ、野鳥、いろんな動物に囲まれて、庭からとれる果物でジャムを作ったり、
仕事のあとはアンティークのティーカップでお茶を飲む。。

これこそ本当に豊かな時間の過ごし方、豊かな人生と憧れるけれども、
そこに至る道はとても苦労の連続だったと聞いている。
その庭、花、果物、動物たちの世話は、毎日、毎日繰り返されるもので、
炊飯器でご飯を炊いたり、電子レンジでチンして食事を済ませる現代の生活に慣れた私たちにとって
実際、彼女の生き方をそのまま真似できるかといったら、夢のまた夢のように思える。

お孫さんが撮る写真の中のターシャは、私たちがとうの昔に諦めた“豊かな生活”というものを
思い起こさせてくれるに十分なほど色鮮やかで、ゆったりとした時間、彼女の人となりがそのまま伝わってくるように温かい。


【内容抜粋メモ】
Where there is a will, there is a way.
(意志あるところに道はあり)
理想を実現するために、もちろん時間はなくてはならないものですね。労働は時間なのです。
でも、もっと大切なものは、それを成し遂げるという意志です。


『コーギビルの村まつり』がいちばん大好きな本。
こうした人の心が生み出したものが、読者の皆さんの心を惹きつけるんです。p56


大手出版社のカタログのページをめくれば、数多くの作家や挿絵画家がいることがわかるでしょう。
こうした作家や挿絵画家のほとんどは、その本で十分な額のお金を得ることができなくて、
他の仕事をしなければ生活していくことはできません。
また、本が出版されるすべての作家・挿絵画家の陰には、認めてもらえない数多くの人たちが存在しているんです。p58


私にとって、ニューイングランドの長い冬は、内省と室内での作用のための穏やかで静かな時間です。


私たち自身の選択の問題なのですよ。
こうした選択をするには、ときには意志の力が必要かもしれません。
また、ときには、楽しく愉快な満足をもたらしてくれるかもしれません。
それらをすべて合わせて、こうした選択が、私たちの人生を、特別で素晴らしいものにすることができるのです。


【セス・テューダー(長男)の回想メモ】
みんなが母によくこんなことを言います。
「あなたみたいに生きられればいいいのに」と。
すると母は「そう? じゃあ、なぜそうしないの?」と答えるでしょう。

私が静かな田舎での暮らしを選び、自分の手で何かをつくり上げることに、
人生の喜びを感じたいと願うのは、生き方の手本を示してくれた、母の影響なのです。


【マージョリー・テューダー(セスの妻)の回想メモ】
彼女のおかげで、私は人生の早い時期に「ひとつのことを続ける勤勉さと忍耐力を身につけることが、成功への近道になる」ということを学んだのです。


ターシャから最も影響を受けたのは忍耐力ですね。
静かに落ち着いて働くこと、慌てないこと、そして、ことがうまく進まなくて、挫折しそうになったときは、
少しそのことを忘れてお茶を飲んだり庭を歩いたり、ぐっすり眠ったりしてから、
もう一度はじめればいいのだと教えてくれました。


【ウィンズロウ・テューダー(ターシャの孫)の回想メモ】
10月後半から4月末までの間は、とても寒い日が続きます。
この時期、祖母は手紙を書いたり、友人や家族を訪問したり、
また彼女にとって人生の親しい友である「孤独」を楽しんだりしながら、愉快に過ごしていました。


【エイミー・テューダー(ウィンズロウの妻)の回想メモ】
10代の頃から、私は「自分の興味があることを追い続ければ、たとえそれが些細なことだとしても、
自分にぴったり合った人生を見つけられる」と信じていました。

「ターシャのように生きられればいいのに」と言うのをよく耳にしますが、どうしてそうしないのでしょう?
仕事を辞めることができないから?
いいえ、おそらく彼らは仕事で稼いだお金で買ったステキな車や、
おしゃれなドレス、大きな家が好きなのです。
これこそが、人生において、何かを選ぶ本質ではありませんか?

コメント