メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ムロツヨシさん登場@土曜スタジオパーク

2015-08-07 13:16:52 | テレビ・動画配信
ムロツヨシさん登場@土曜スタジオパーク

鍋を持って登場
 
ム「なぜか2時間前にダシをとってくれって言われて」


【朝ドラ『ごちそうさん』では】
 



“この世界観を壊してもいいので、あり得ない人になって下さい。
 やりたいこと全部やってください”と言われた。

 映画『変態仮面』を観て、出演を決めてくれたらしいんです。
 アドリブも全然止められなかったから、近藤さんからビックリされた。
 街中で“教授”て言われるようになりました」


【『LIFE』では】


「これは台本通り。別に僕はウザイ男目指してないですから!
 ここ最近は、恥ずかしいけど“喜劇役者です”って言うようにしてる。
 喜んで劇をするほうっていう逃げ道があるんですけどw」


【ますもとたくやさんとの出会い】
 
27歳の時に言われた言葉

「19歳から役者をやり始めて、小劇場に飛び込んで、
 所属事務所も決まらず、劇団も入ったり出たりしていて、
 ますもとさんが初めて主役で使ってくれたんです。

 お芝居やってても楽しくなかった。
 だから“イイ芝居”っていうのを考えるのを止めて、舞台上で楽しもうって思ってから変わった。
 それが結果、ウザイと言われるようになったw」

ますもとさんからのメッセージ
「劇場で出会った頃は、ただのスベってる人だった。
 でも、粘りと、押しの強さで、だんだんお客さんがハマっていった」

そんな、ますもとさんが「最高傑作だ」という「劇場ではケータイを切ってください」というCMが流れた。

 
「芝居の最中にケータイが鳴るのってサイテーだよね」

 

 


ム「これは本当にダメで、2日目から流さなくなった」(すごい汗だく!爆



【本広さんとの出会い】


「ますもとさんと仕事してるのを観に来てくれた。
 バイトしながら芝居するのに嫌気がさしていた時期で、
 打ち上げの時にとにかく名前を連呼して、名刺も配り歩いてた。
 その名刺を見て、映画にキャスティングしてくれた」


【経歴】

ム「とにかく、いつも僕を好いて欲しいと思って周りと接している。
  グイグイ系がキライな人には嫌われます。
  “八方美人だ”と言われると、“いや、違う。十六方なんです”という。
  苦手意識は持たない。でも、年下なのにタメ口になるタイミングが超早い人とかには言うw」


【友だちに救われてきた人生】

「4歳で両親が離婚して、父が親権を持っていたけど、親戚に預けていなくなっちゃった。
 だから1人でも友だちが欲しいと思う。友だちは多いほうがイイ」


【ムロ鍋】
 

「基本、鶏がらで、白味噌、バターのちゃんこ。この鍋で映画2本ぐらい、仕事とってますv
 他の料理はしないけど、鍋だけは作る。人を家に呼ぶのが好き。
 最初に映画デビューした瑛太くんつながりでいっぱい友だちを紹介してくれて」


【「妄想ニホン料理」のMC】

「あさイチ」でよく宣伝してるけど、ムロさんが出てるんだ/驚


【視聴者からの質問】
「数学がどうやったら好きになれますか?」とか「なんか好きです」とかの声に
ビビルさんが無茶振りをして困る姿を見て笑うから、また汗だく。2人は長い付き合いだそう

「一人の時は、ずっと風呂に入ってます。部屋は汚いけど。温泉とか、銭湯も好き


【鉄道マニアの市川紗椰さん登場】
ムロさんとは初対面。

 

「車両好きなんです。銀座線は、一番古いからトンネルが他に比べて狭い(そうなんだよ
 その圧迫感をどうにか軽減するような工夫が車両内のあちこちにある」

 


このドット見た事ある! パンダやハチ公がいるのをつっこんだっけ


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美内すずえ傑作選2『聖(セント)アリス帝国』(白泉社)

2015-08-07 12:57:14 | マンガ&アニメ
美内すずえ傑作選2『聖(セント)アリス帝国』(白泉社)
美内すずえ/著

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美内すずえさんは、こないだ書いた『妖鬼妃伝』の他に『魔女メディア』も大好きだった。

今作ももっとドロドロ系を想像してたけど、案外あっさりと恋愛もののオチで終わってしまって、
1冊丸ごとの長編ものだと思っていたから、次の作品も続きかと勘違いしてしまった
それにしても、出てくるキャラが濃い! お蝶夫人どころじゃない世界。あり得ないよね、こんな学校w

巻末に、少女漫画家の歴史が書かれているのが興味深い。


あらすじ(ネタバレ注意

聖アリス帝国


桃子は、両親が仕事でドイツにいるため、聖アリス学園に転校。

そこでは、優秀な生徒、能力のある生徒は「貴族」と呼ばれて優遇されていた。
授業も出ずに、占いをしている「おばば」と呼ばれる生徒がいたり、魔術を使う生徒がいたり、

 

貴族のものを盗む「怪盗ゼロ」がいたり、演劇部部長・変化さんから部活に誘われたり、
あちこちのクラブに殴りこみをかけて、学園の体制を変えようとする「海賊キッドとその一味」がいたり、、、。



桃子は、「怪盗ゼロ」が落としたロケットの中の写真が変化さんに似ていると見せると顔色を変える変化。
実は、変化こそ「怪盗ゼロ」だった。



学園の頂点に立つ、生徒会長の大和火美子が予算委員会を開いているのを屋根裏から覗く新聞部員は、
「黄色いリンゴ」という言葉を聞いて不審に思い調べ始める。

火美子の命が狙われたことで、桃子は関係していると疑われ、地下牢で拷問されそうになる。
体育館の下では、用具を使って、拷問が行われていたが、「怪盗ゼロ」と「海賊キッド」らに助けられる。
「黄色いリンゴ」とは、テキスト販売額からピンハネして、委員に配られるお金の意味だと知る。

その犯人の手に3つのホクロがあるのを見た桃子。
舞踏会で火美子が狙われていることを知り、変化らに相談する。
桃子も舞踏会に参加して、ホクロの人物は、その日、表彰されるガリ勉で有名な灰島だと見抜く。



灰島は、一歩校門を出ると、盛り場をうろつき、ゆすりなどをする不良で、バイク事故を起こし、
そのネタでゆすられ、黄金の校章を狙うために火美子に怪我を負わせようと企んでいた。



事件後、「怪盗ゼロ」はおたずね者の身になるが、たびたび助けられた桃子は想いを寄せる。
写真部部長の華房は、「怪盗ゼロ」の正体が分かったから、今度の写真展で発表するという。
桃子は部室でネガを盗もうとして失敗する。



写真展当日、「怪盗ゼロ」はネガを盗み、証拠写真をゴリラにすりかえて、学生らは爆笑。


ダイナマイト・みるく・パイ


桂木みるくは、剣道7段で、異常なほどのケーキ好きの17歳。
道場を継げとか、暴力団の跡取りになってくれと毎日言われて追い回されている。

ある日、突然、赤羽産業の社員から、1週間だけ社長の娘・カナコの身代わりになってくれと頼まれ断れなくなる。
黒羽会長が引退したら、孫息子・虹彦が跡取りとなるが、赤羽産業か青羽産業の娘のどちらかを嫁にしたいと言い、争っている状態。
だが、他に好きな人がいると手紙を残してカナコは失踪。誘拐事件の可能性もある。



みるくは1週間でピアノを習わされたり、親戚の名前や、カナコの癖を覚えさせられたりする。
青羽産業の娘・聖子は美人の上、なにもかも完璧。



そんな中、みるくは、敵対しているはずの三笠社長と、虹彦の伯父・宇田川がつるんで、黒羽家の財産を狙っていることを知る。
聖子も彼らの一味に狙われるが、少林寺拳法など身につけた聖子は、みるくとともに相手をやっつけ、すっかり意気投合する。



カナコは誘拐されたのかもしれないと聖子に相談し、みるくは一味にクロロフォルムをかがせられて倉庫に監禁される。
カナコは谷に突き落とされたが運良く助かったらしいことを突き止める。

実は、カナコの好きな相手は家庭教師の宮下で、彼がカナコをずっとかくまっていた。
虹彦は祖父が亡くなり、遺書を書き換えたとウソの情報を流して罠にかける。


ふたりのメロディ
貴族のような暮らしをしている幸。一方、「八百長」という名前の八百屋で男兄弟とともに育った安菜。
幸の祖母が急病になったところを安菜が救ったことで知り合う。
そのお礼にデートに誘う幸だが、クラシック×ずうとるび、バイオリン×祭り太鼓と、2人の趣味は真反対。

 

幸の母は、世界的ピアニストの千代糸で、幸の将来が心配で5年ぶりに帰国し、
安菜と引き離すためにオーストラリアに連れていくという。

 

その日はちょうど祭りの日で、太鼓を叩く安菜のもとに乱入する幸の本気な気持ちに負ける千代糸。


【解説 美内すずえ登場前後 石子順(評論家)抜粋メモ】
美内すずえは、昭和42年に「山の月と子だぬきと」でデビュー。高校2年だった。
戦後派の少女漫画家たちが輩出していった時代。

昭和39年:里中満智子、昭和41年に浦野千賀子、大和和紀
昭和42年:池田理代子、志賀公子、忠津陽子、牧野和子
昭和43年:津雲むつみ、竹宮恵子、大島弓子、一条ゆかり、もりたじゅん、土田よしこ、庄司陽子、河あきら
昭和44年:山岸凉子、萩尾望都 などなど

美内すずえは、長編「はるかなる風と光」を描き、「ガラスの仮面」で頂点を極めた。

***********

戦後の翌年、昭和21年、手塚治虫がデビュー。
その後、藤子不二雄、永島慎二、松本零士、横山光輝、石ノ森章太郎、ちばてつやら、少年漫画家が登場。
少女漫画家はほぼ10年遅れた。

『少女倶楽部』『少年少女冒険王』が創刊するが、そこで描いていたのは男性の漫画家だった。
例:松下井知夫、小野寺秋風、倉金章介。

戦前からの少女漫画家は、矢崎武子、田河水泡の弟子の長谷川町子しかいなかった。
昭和24年に、上田としこが登場。

女性のストーリー漫画家で最も早かったのは昭和27年のわたなべまさこ。
昭和31年、トキワ荘の水野英子がデビュー。
昭和30年代は、牧美也子、細川智栄子、今村洋子。

女性による少女漫画家のデビューが遅れた理由
1.女性の漫画家が少なく、伝統がなかったこと。
2.ストーリー漫画が手塚治虫によって生み出されたこと。
3.少年漫画家が活躍し、少女漫画を描いたこと。
4.少女小説が根強かったこと。

戦後、民主主義、男女平等といっても、女性の進出に限界があったという
社会的な状況が漫画界にも反映されていたのではないかと考えられる。

それが大きく変えれたのは、昭和40年代からで、美内すずえは、その旗手の一人となるべくデビューした。


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美内すずえ傑作選8『黒百合の系図』(白泉社)

2015-08-07 12:39:31 | マンガ&アニメ
美内すずえ傑作選8『黒百合の系図』(白泉社)
美内すずえ/著

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巻末の「解説」にあったけど、美内さんの漫画は「怪奇漫画」なんだな。
なるほど、『黒百合の系図』なんて、金田一耕介シリーズみたいな雰囲気が漂ってる。
代々続く呪いの家系を、勇気のある少女が立ち向かう姿はなんとも頼もしく、
ミステリーの謎解きストーリー展開にもどんどん引き込まれていく。


あらすじ(ネタバレ注意

黒百合の系図
 

アキコの母・千里が急死した。高山植物の黒百合が庭に咲いてから様子がおかしかった。
葬儀に20年来の知り合いだという川口マサが来て「あなたが飛竜家最後の・・・」と謎の言葉を残して去る。
父も母の過去は知らず、一度夢にうなされて「鬼姫谷」と言っていたと聞く。



アキコは、旅行本の著者・田代に手紙を書いて谷のことを聞くと、場所と、写真が送られてきて、そこにも黒い百合が咲いていた。
アキコは、夏休みを利用して調べることにする。谷近辺の村で宿をとり、その夜金縛りにあい、霊が「おまえで最後・・・」と言う。

飛竜家はボロボロになっていて、中には首吊りの縄と、血の跡が残っていた。
住職から飛竜家のことを聞くと、戦国時代、鬼神に「戦に勝たせてくれたら、次の子どもはお前にやろう」と約束したという。
その後生まれた娘・千也姫には角が生えていた。残虐な娘に育ち、きょうだいも変死したため、父は千也姫を殺そうとして亡くなる。



ある時、豪雨が続き、飛竜家は祈祷師に頼むと、巳年の乙女を生贄に出せと言った。
選ばれた娘フキは「代々呪ってやる!」と言って死に、その五体はバラバラに埋められた。

 

飛竜家の家臣にあたる志郎の母と祖母はなにか隠している様子。
首吊り跡は伯父、血の跡は叔母、千里は恐れて東京に行き、父と結婚した。



アキコは、同じく鬼姫伝説を調べる田代に出会い、千也姫も巳年だったと知る。
アキコは誰かに足をつかまれ怪我をして東京に戻る。父は庭に黒百合が咲いていたのを知らせずに処分していた。
そして、アキコを写した写真には、千也姫の霊が写っていた。



その後も命を何度も狙われ、アキコは田代の知り合いの霊能力者を紹介してもらう。
鬼神のしるしである角の生えた頭骨だけが見つかっていないことから、2人は再び谷に戻って首塚を探す。

志郎の母らは、千里が去ってから飛竜家の莫大な土地などを横領していた。
田代は首塚を見つけ、神水をかけて、間一髪でアキコを救う。


日本列島一万年
自然が美しいナライ沢に、観光開発で有名な千石かおるがやって来て、
高速道路をつくり観光地に変えるというのを聞いたチアキ。

 

隣り町も同様に観光地化したために、自然が死に絶え、カラスが猛繁殖して、他の動物まで襲うようになった。
チアキの先祖は、マゲン族で、この地にか自生しない花は、車の排気ガスを浴びたら死に絶えてしまうと心配する。

 

チアキのクラスに千石の息子・竜也が転校してくる。
カオルはすでに代議士らにも根回しして、ダイナマイトで山を崩し始めていた。
チアキらは、カオルと「マゲン族の遺跡を春までに見つけたら開発を止める」と約束させる。

冬山に入ったチアキらは、クマの出現に脅えたが、それはカオルらの部下の仕業だった。
雪崩に巻き込まれ、運良く洞窟の中で原始人が描いた壁画などを見つける。

竜也は、チアキらの熱意に心を打たれつつ、母が「この世に金で動かないものがありますか?」と言われて、どちらが正しいのか迷い苦しむ。
カオルは、地域住民の仕事を奪ったりして、協力者が激減する。

その上、山番だという老人が現れ、せっかく見つけた洞窟の入り口を閉ざされてしまう。
彼は20年前、急に消息を絶った考古学者で、自分の見つけた洞窟が他人に渡るくらいなら
場所を謎にしたまま自分が死ぬといって谷に身を投げる。

しかし、一連の様子を極秘取材していた記者が書いた記事が好評となり、
各地で自然破壊反対運動が起こり、ついにカオルは手を引く(もう次の土地に行くところが商魂たくましい





みどりの仮面
 

ビアンカは、冬休みを、自分を可愛がってくれる叔母と祖母の屋敷で過ごすことにする。
本当の目的は、恋するピエールに会うことだったが、なぜか彼はビアンカにだけ冷たく接する。

叔母はビアンカに養女になって欲しいと頼む。「あなたの両親が死んだ時からそう思っていたの」



ビアンカは、自分の小間使いのリリーがドレスを汚したりするのは手違いではなく嫉妬からだと知って驚く。



しかも、叔母とビアンカの母は義理の関係で、憎しみ合っていたが、
莫大な遺産がビアンカに遺されたための芝居だと知ってショックを受ける。

「みんな仮面をかぶっていたんだわ。叔母、祖母、小間使い・・・」

火事が起こり、ビアンカは部屋に閉じ込められてしまったが、
叔母は「家の中には誰も残っていない」と消防員に告げる。
そんな中、ピエールだけは命懸けで助けてくれた。



【解説 自分の血と、日本人であることを自覚させる少女達 石子順(評論家)抜粋メモ】

欲望を持って生きている者のほうが死者よりも恐ろしい。

「日本列島一万年」が描かれた頃、日本は各地で「開発」という名の自然破壊が進み、
様々な公害や破壊によって、人間、動物、植物の生命が脅かされていた。
少女漫画でも、ひん曲がった世の中に対して怒ることがあるということを示したのだった。

「あたしは日本人です! 日本の美しい自然を守るのは、日本人の義務じゃないでしょうか?」

生きていると、生きているということ自体が当たり前になってしまい、
一体何のために生き、またどのようにして生きているのか、ということを忘れがちである。
日本国籍でも、日本人ということを意識していないことも多い。

美内すずえが描いた頃に比べ、生命は粗末に扱われ、生きていく環境は良くなったとはいえず、
むしろ悪化しているからこそ、ここに脈打つメッセージは生きている。


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美内すずえ傑作選9『燃える虹』(白泉社)

2015-08-07 12:16:02 | マンガ&アニメ
美内すずえ傑作選9『燃える虹』(白泉社)
美内すずえ/著

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あらすじ(ネタバレ注意

燃える虹


両親の愛に包まれて育ったドーナ。父・マーリンは幼少期に嵐で家も母も失った。
父はプルー市の市長に立候補する。ライバルのロッキンガムは金のためなら殺人もする悪人。

ドーナとアンドレは、幼いながら好き合っていて、アンドレは手づくりの首飾りを贈って、将来結婚する約束を交わす。
同じ10歳なのに、貧しさゆえアンドレを大学に行かせてあげられない母親メリーは、ドーナを羨む。



ロッキンガムは、グラントという男にケシから麻薬を作らせ、取引先の大物を麻薬中毒にしていたことを突きつけるマーリン。
マーリンのもとに何度も借金を頼んで、酒代にしてしまう没落貴族・ラシュリーに声をかけ、取引をするロッキンガム。



ロッキンガムと、ラシュリー、メリーは、誤ってマーリン夫妻を殺し、家ごと燃やしてしまう。
ドーナは使用人ジョスに助けられ、その後追っ手が来て、ドーナは逃げ、ジョス夫妻も殺される。
一度は自殺も考えるドーナだが、死ぬ勇気があるならなんだってできると復讐を誓う。

 

ジョスに言われた叔母の家に行くと邪険にされ、ブランシュ慈善院に行けと言われる。
そこは、少女たちを強制労働させ、その稼ぎは院長のポケットに入っていた。
消えた少女たちは身売りされている。

ドーナは牢獄に入れられ、洞窟の中で、金山を見つける発明に没頭していたバイロット伯爵に出会う。
バイロットはドーナの身の上話を聞き、自分の知識をすべて教え、ドーナを完璧なレディに仕上げる。
身売りの海賊を金で味方につけて、少女たちと脱出。
伯爵から養女になって、最大限利用し、復讐をとげよと告げられる。



ダニエル・バイロット伯爵令嬢として社交界を席巻したドーナは、ついにプルー市に来て、
ロッキンガムや、ラシュリー、メリーらと再会し復讐の炎を燃やすが、アンドレにだけは素顔が出てしまいそうになる。



ロッキンガムの兄弟を誘惑し、敵対させ、妻と離婚した兄は弟と決闘して撃ち殺してしまい町を去る。
ロッキンガムの土地を買ったダニエルは、花畑を掘らせ、ジョス夫婦の白骨死体が見つかる。
ヒースという老人は、かつてロッキンガムに麻薬中毒にさせられた人々が地下牢にいるから助けてやってほしいとダニエルに頼む。

ジョスらの亡霊が出た芝居を見せて、アルコール依存症になっていたラシュリーは発狂。
バレてはまずいとロッキンガムに殺される。
メリーはダニエルがドーナだと知って、後悔の念で首を吊る。
ロッキンガムも事実を知って、ダニエルを殺そうとするが、逆に中毒患者らに襲われて死ぬ。

復讐がすべて終わっても空しいダニエルは、ドーナに戻り、アンドレのもとに走る。




ジュリエッタの嵐


優雅で家族愛に包まれた暮らしをしていたステンプルドン王家。
次の王位継承者・ヘンリーは白血病で、姉のジュリエッタはいつも弟をかばってきた。
コルウェー国王の皇太子アルベールは、ジュリエッタの婚約者で人も羨む幸せなカップルだった。



市民革命によって、運命が逆転する。革命を扇動したのは、黒い狼と呼ばれる男。



「今こそ民衆よ、立ち上がれ! 農民は自分の作った穀物を食べ、仕立て屋は自分の作った絹の服を着て、
 猟師は自分のとった獲物で腹を満たすのだ! 国民こそこの国の王なのだ!」



国王と王妃は、幼い姉弟の前でギロチン処刑され、ジュリエッタも首を切られそうになるが雷が落ちて助かる。
「幼い子どもまで殺したとあれば、これからの貿易、外交に差し障るかもしれない」と、黒い狼は2人を一生牢獄に幽閉させる。

 

門番はアルコール依存症の男と、世話人の女性は、貧しさゆえに一人娘を亡くしたことを王政のせいだと恨んでいる。
男は酒代のために、ジュリエッタの金髪も売ろうと切ってしまう。
そこにブルーノー大臣から脱出計画の手紙がきて、希望に喜ぶ2人。



祖母が亡くなり、その棺の中に2人は隠れ、墓地に埋められたところを救われる予定が、
墓堀り人は面倒臭いと別の墓地に埋めてしまう。
嵐が起きて、墓地は崩れ、九死に一生を得たジュリエッタは、衰弱した弟を連れて迷い、黒い狼の土地に来てしまう。



黒い狼の母は貧しかったが、国王に愛されて、自分が生まれ、王位継承するはずが、
母が貴族でないために殺されかけ、かばった母は死んだと話す。
城を逃れて、身分の差なく愛してくれた人たちに恩義を感じている。

彼は少年のフリをしたジュリエッタを見抜くが、2人はコルウェー国王のもとまで逃げる。
だが、国王は冷たく、アルベールには別の国の婚約者がいた。

絶望の中、洞窟に隠れていると、つららがヘンリーのお腹に突き刺さり、いつも自分を心配してくれた姉に別れを告げて亡くなる。
ブルーノー大臣が迎えに来て、再び王政を復活させ、女王になってほしいと言うが断るジュリエッタ。
黒い狼は、「帰ってくるんだ、水車小屋のあるあの村へ」と抱きとめる。


泥棒シンデレラ


平凡な望は、いつも人を羨んで生きている。

  

お金持ちの梅宮、美人のミエコ、美声のツグミ、いつもトップの成績の五十嵐、
そして、いつも電車で見かける貴公子のような紫門の彼女・百合。



ある日、望は車に轢かれたのに軽傷で済み、その日から「あれが欲しい!」と望むたび
頭に激痛が走って、望みが現実化するようになる。



ミエコは硫酸を顔に浴びて醜悪になった代わりに、望は生まれ変わったような美人となり、
喉を痛めたツグミの代わりに、美声となりコンクール出場に選ばれる。

父が金持ちになった代わりに、梅宮の父は倒産、五十嵐は試験当日病気になり、望はトップの成績をとる。
そして、紫門に声をかけられ、「百合には悪いけど、ただの幼なじみだよ」とデートに誘われる。



すべて望み通りになったにも関わらず、自分の努力のせいではなく、人の不幸の代わりで望は苦しむ。
その日記を読んだ4人は、望を追い詰め、学校の屋上から落ちるが奇跡的に助かる。

それ以来、頭痛は消え、4人は元に戻り、望も平凡な学生に戻って「今のままが幸せ」だと気づく。
だが、紫門だけは「君みたいなコは初めてだ」と去らなかった。



【解説 ひびきあう人生にあきらめないという発想 石子順(評論家)抜粋メモ】
2つの運命逆転ドラマは、ヒロインが運命を逆転させて元の世界を取り戻そうとするのではなく、
「新しい生活」へと身を乗り出している。そこに進歩があり発展がある。
自分の幸せを自分で掴む力を備えていて、読む者に励ましを与えてくれる。

自分の運命が不幸ばかりだと思い嘆く人たちに、その運命を逆させる底力の持ち方を教えてくれる。

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