メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

心と脳の白熱教室 第2回 本当の楽観主義とは

2015-08-22 14:35:13 | テレビ・動画配信
心と脳の白熱教室 第2回 本当の楽観主義とは
イギリス、オックスフォード大学で心理学の公開講座を収録した番組。

夫婦でそれぞれの視点から研究し続けている

 


 



楽観主義とはなにか?

例:
電車に遅れが出て、原因は資産家で有名なポール氏がうつ病で自殺したと知って驚いた。
一方、テムズ川で投身自殺しようとした女性は、移民でホームレスの男性に助け出された。
男性の言った言葉が印象的だった。

「あの人にも家族がいる。人生は生きる意義があるんだ」

この2人の根本的な違いはなんだろうか?



楽観主義と悲観主義

 

 


これまで、心理学ではネガティヴのほうばかり多く研究されてきた。

「それでは、ハッピーとはどんなことだと思いますか?」

A「友人、家族といること」
B「スポーツをしている時」
C「新しいことを学ぶこと」



認知バイアス


同じ状況であっても、見方・捉え方は人によって異なる。
時にはポジティヴになるが、通常は悲観的な見方が多い。

例:

鏡に自身を映している猫。強そうなライオンに見える人(時)と、弱く見える人(時)がある



社会不安


社会はとても曖昧なもの。そして、自分をどう解釈するかは人によって異なる。

例:
赤面が怖くて外出できない女性がいた。
そこで、彼女といっしょにカフェに行き、私は顔中に赤い斑点を描いてコーヒーを注文して戻った。

「なにか気づいたことはありましたか?」
「1、2人しか見ていなかった。それもちょっと見てから、元の話に戻っていた」

自分が思っているほどやっかいではないと、本人に認識させることが重要。



人生の満足度テスト


Q1.だいたいにおいて、自分の人生は理想に近い

Q2.自分自身の人生の状況は申し分ない

Q3.私は自分の人生に満足している

Q4.これまで人生において欲しいと思う大切なものは手に入れてきた

Q5.人生をもう一度やり直せるとしても、ほとんど何も変えたいとは思わない

点数の合計を計算する。


私は23だった



幸福感とは?

安心感、愛情が深く関係している。
家庭に問題があったり、紛争地域に暮らす子どもたちには、
1人だけでもいいから緊密に話せる“大人”がいることが不可欠。
信頼することを学ぶことで、困難に強くなる。目的・好奇心を持つことも重要。

お金も一定の安心感にはなり得るが、余分に持つと意味をなさないという研究結果がある。



イースターブルックの進行逆説


例:
私は、念願の車を購入してハッピーだった。
だが、隣りを見たら、よりステキな車を購入したのを見て、ガッカリした。

例:
長年、准教授を目指して努力していた友人。ついに准教授となって「良かったわね」と言うと、落ち込んでいた。
今は、「早く教授になって、もっと稼がなきゃ」と悲観している。


他人との比較を止める
自分より少しでも上の人と比較すると、幸福感は下がるという研究結果がある。

他人、両親、パートナーの期待に応えるより、自分を基準にするには、
 「自分は本当な何がしたいのか」自問すれば分かる。

以前の自分よりは、今の自分のほうがうまくいっているなど、正直に考えること。

(同じことを、こないだ友だちに言ったばかりだけど、落ち込んでる人に正論をゆっても届かないんだ



人間の3つの状態


統計をとると、ほとんどの人が「ぱっとしない」状態にあてはまる
ネガティヴというほどでもなく、今の状況を享受しているわけでもない。
→この「ぱっとしない」点に注目し、意欲を高める研究がさかんに進められている。



楽観性テスト


Q1.先行きが不透明な時でもベストの結果になるだろうと思う

Q2.友人関係をおおいに楽しんでいる

Q3.事前に決めたルートやスケジュールを持たずに旅に出る

Q4.自分はそんなに簡単には動揺しない

Q5.一人で長い時間を過ごすと落ち着かなくなる

Q6.いつも良いことが自分に起こると信じている

点数の合計を計算する。

数が多いほど楽観的。私は19で「ほどほど」だった。
統計では、「ほどほど」がもっとも多い(なんにせよ、私は平均的なんだよねw



感情のコントロール術を知ること~ココロの回復力

「万事順調だと思われる人とは、どんな人だと思う?」

A「スポーツで勝ち続けている人」「忍耐力を身につけているってことね」
B「友人、家族がいる」「重要な要素だわ」


トラブルになった際、立ち直るはたらきを見につけること。

例:
9.11で夫を失った女性は、幼子の育児で救われ、今はハッピーだという。

例2:

Oh!! I love Michael!!!

28歳でパーキンソ病を得て、一時は「俳優のキャリアは終わった」と悟ったという。
だが、彼は楽観主義なため、「長期的には状況は好転するだろう」と思った。
そして、その通り、今ではキャリアを復活させた。



楽観主義の要素


このことで言えるのは、
トラブルが起きた時、怒りなどを抑え、現実的になること。
物事は、思った通りにはならない。
ポジティヴ、ネガティヴに関係なく、経験してきた情緒的な出来事が多いほど対処できる
(私も人生は経験だと思うな

ポジティヴ、ネガティヴがちょっとずつ両方必要だということ
ポジティヴ、ネガティヴだけでなく、他の要素も必要だということ


真の目的
具体的な目標を持っている、心から手に入れたいと思うと、ヒトは集中して、行動を起こす。
「どう考えるか?」よりも、「どう行動するか?」が重要。実際に行動すること。



アナグラム・テスト~「粘り強さは脳の仕組みと関係がある」

ランダムな文字から1つの単語を見つけるテスト(答えはチーズ

どんな文字にもならない不可能な問いを混ぜて実験し、諦めた時間をはかった
楽観的なヒトは4~5分、悲観的なヒトは2分で諦めた。

エジソンの有名なセリフがある。
「わたしは、今までに、一度も失敗をしたことがない
 電球が 光らないという発見を、今まで2万回したのだ」

うつのヒトは、「感情のコントロールは出来ない」と強く思っている。



楽観性は健康にも作用する

例:
20歳前後の修道女の日記を参考にした。日課としていたため。
彼女たちは、酒もタバコもやらず、ほぼ似たライフスタイルなため、比較するのに好適だった。

彼女たちを、楽観主義と悲観主義に分け、30年かけて医療記録を調べたところ、
楽観主義者は、悲観主義者より健康で、平均寿命も10年長いことが分かった。


例2:
フィンランドにある会社での調査で、なにか大きな深刻な出来事があった後、欠勤日数に違いがあった。
楽観主義者のほうが欠勤日数が少なかった(どっちも休ませてあげてください

つまり、楽観主義者のほうが、トラブルに対してうまく対処できるということ。
(その対処法を具体的に知りたいなぁ


このシリーズは、第3回、第4回と続きます。

ほんとうにネガティヴな人は、こういう記事もスルーするな。
自分の見方に固執して、それが正しいと証明するために、失敗することすらある。

ヒトの言葉、イメージには力があると、私は思う。
アスリートがイメトレで、成功例を何度も思い描くように。
ネガティヴなイメージ・言葉は、そのままネガティヴな結果となる。

プロのアスリートは、たとえ結果が悪かったとしても、
冷静に分析して、「次は勝ちます」と言い切る。
ポジティヴなだけじゃなく、裏では行動し、努力し、継続しているってことも忘れてはならないし。


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『つるばらつるばら』(白泉社文庫)

2015-08-22 14:10:53 | マンガ&アニメ
『つるばらつるばら』(白泉社文庫)
大島弓子/著

白泉社文庫セレクション

「大島弓子選集」で近所の図書館で検索し終わって、全16巻だけど、5、6、13巻がないことが判明。

「大島弓子が選んだ大島弓子選集(全7巻)」は、ほぼ「大島弓子選集」と内容が同じ。

その他にこの「白泉社文庫」が4冊あって、中には「大島弓子選集」に収録されていないものも見つかったので、
それを借りて、大島さんの作品シリーズはひとまず幕引きになりそう。

ここでは、そのかぶってない作品のみのメモを書くことにします。


あらすじ(ネタバレ注意

ダイエット 1989年ASUKA1月号掲載

標縄福子は巨漢。ものすごく食べて、咀嚼運動が記憶中枢を刺激して、昔のことを事細かに思い出す。

父が恋人に子どもができて家を出たこと、再婚相手が来た日のこと、母からあんたはどんどん前の夫に似てくると言われること・・・
それらを新鮮な馬鈴薯にして箱に詰め、意識の奥深くに埋めると、あとはニルバーナの世界。

 

クラスの親友・黒豆数子は、「痩せたらモデルになれるよ。私が保証する!」
福子はそんな数子の前向きさが好き。

数子は、コンビニでよく会う青年・角松とバッタリ再会して驚く。
数子が恋をしていると知り、フクコは応援する。



「あたしが痩せた暁には、ご褒美として、たまにあなたたちのデートに参加させて」


フクコは見事に痩せて、モデルの審査も通過し、学校には親衛隊が出来、毎日ラブレターの山
母は自分を捨てた夫の顔がそこにあると無視する。

約束通り、カズコと角松のデートに加わるが、角松があまりに優しいので混乱する。
“もう一度太って、角松くんの今日の親切が本物かどうか知りたい!”



あっという間にリバウンドしたフクコに対しても、角松は同じく優しかった。
だが、今度は、カズコが嫉妬して、友情にモヤモヤが残る。

フクコは、実父に偶然出くわす。娘にxmasプレゼントをねだられて買っている様子を見て、きれいな子だと思う。



角松は変わらない思いをカズコに伝えて2人の仲は戻るが、モヤモヤはなくならず、フクコは再び痩せてみる。
そして、実父に電話して、街を歩いていると、こないだ娘に買っていたものの色違いをプレゼントしてくれる。


“買ってもらった高級時計は、家族の前で永遠に使えない”


フクコは無理なダイエットから生理が3ヶ月も来ないとカズコに泣いて相談する。
「それはあたし困るのよね。あたしは子どもを持って、今のあたしを超えなくちゃならないんだから」

相談して安心したフクコは再び食欲に走るが、吐いてしまう。
そして、カズコらのデートに参加した時にはゲッソリ痩せすぎていた。
公園で、手づくりお弁当を食べた後、フクコは吐いてしまった。



最悪な場面を見せてしまった後悔の念にかられていると、病院の看護婦から、
「あなたのお友だち偉いわね。ベタベタのあなたの体を冷やすまいとしっかり抱いていたんですって」

カズコは、フクコが角松とカズコの子どもなんだと話す。
「あたし、あの子を育てるつもりだわ。あなたに協力してほしいのよ」



フクコはカズコが焼いてくれたクッキーを食べてみた。

“あたしははじめて食べ物を美味しいと思った”



毎日が夏休み 1989年ASUKA7月号掲載
スギナの母は再婚。義父も再婚者。

スギナはイジメのために毎日、学校をサボっていたが、
義父も会社と方針が合わずに退社して、通っているフリをしていることを知る。

夫の肩書き、娘の成績などを近所に話して羨ましがられるのが生き甲斐の母は2人を強制的に元に戻そうと奮闘する。
夫は、なぜかスギナと一緒に就活を始め、さすがに父娘いっしょに雇ってはもらえない。

そこで「なんでも屋」をやろうと言い出す父。スギナは副社長となる。
母はこんな所にいられないと引越しを考えるが、父は「ここは10年間の顔見知りが5000件あるんだぞ」と前向き。




父が元の妻・紅子にまで仕事の案内状を送って、依頼の電話が来たことでキレる母。
それだけじゃなく、母の元夫にも送っていて、激怒のため母は電話機を壊す。

紅子は、古いアルバムを棚の奥にしまってしまったから取って欲しいという。
そこには若い頃の義父と紅子がラブラブで写っていた。



「あとはあたしの話し相手してほしいの」と紅子は、スギナに映画『小馬物語』を観に行くよう追い出す。
“動物こきつかった映画なんてみたくもねーよ”(この辺、大島さんの毒が出てて可笑しい。私も納得

“あたしが観たいのはドキュメンタリー”と、義父と紅子の話を盗み聞きw
仕事に明け暮れる夫とスレ違いが生じ、チヤホヤしてくれる別の男に走った紅子。
そして、人の勧めで機械的に見合いして再婚した義父。

義父はあくまで仕事と割り切って、時間になるとすぐスギナと帰る。

義父の送別会に、母を呼び、その案内人として義父と娘を雇った会社の人間を
“見栄っ張りの母さんにとっては、史上最悪の侮辱でしょうよ”


翌朝、予想通り「当分帰りません」と置手紙を残して、母はいなかった。
久々、学校に戻ると、以前イジメから助けて、イジメる側に入ったスケープゴートの女子が遅れた勉強を助けてくれた。

スギナは、今のなんでも屋が、超一流になれば母は帰ってくるのではないかと考えた。
しかし、母は一番高級の赤坂のクラブホステスをして、2人を養うという。

義父の仕事中、紅子のマンションから火事が出た。
「もう1つ取って欲しいものがある」と依頼されていたものを、大やけどを負って取ってきたら、
それは、付き合っていた頃、海で拾ったさくら貝や石だった。


義父の手術の知らせを聞いた母は、慣れない仕事で倒れて、2人は枕を並べて入院。
「回復した時は、はじめからやり直せばいい。もし死ぬようなことがあれば、いっしょに死のう」
この言葉で夫婦仲は戻る。

そこに母の元夫・江島が現れ、母からの頼みで借金の立替と、娘の保護を頼まれたという。

父は回復、仲間が増え、今や前の会社と肩を並べている。



スギナは学校に戻らなかったが、父がお茶の時間に教えてくれたことが全て勉強だったと分かる。

“考えてみれば、あの日のあたしは、まぶしい永遠の夏休みを手に入れたのだと思う。
 計画する。実行する。失敗する。出会う。知る。発見する冒険とスリル。自由と喜び。
 今、私は海外出張から戻ったところだが、海で思いきり泳いだ後のような気分がしている”

(こうゆうのがほんとの仕事っていうんじゃないのかな



恋はニュートンのリンゴ 1990年ASUKA5月号掲載
8歳のサトコは、天才児。
いつも見かける青年・泡盛に本気で恋をしている。



泡盛は、サトコが兄のように慕ってくれているんだと思い、一緒に遊んであげるが、
それを見ていた同じゼミの松本は、女児誘拐か、変態かと心配する。

サトコは泡盛に本気のラブレターを出す。
一応、返事を書いて、ポストに入れるが、それを見た家族も心配する。


泡盛と同じゼミの菊姫は、泡盛のトラウマが聞きたいと居酒屋に誘う。



「トラウマって自分でハッキリ自覚すると、新たな解決法がひらけるっていうわよね。
 幼児体験とか、親子問題とかにトラウマは必ずあるはずなの」

泡盛は、サトコに菊姫を紹介して、大人の付き合いがあることを見せつける。
実は、菊姫は、松本に頼まれて、トラウマを語る声を録音し、防犯ブザーを持って、警戒していたのだった。


帰ってみると、サトコは泡盛のアパートの玄関前で眠っていたため、家に入れる。

“そういや、これが子どもの眠り方だったよ。本格的に眠ったら最後、完全に眠り尽くすまで目を覚まさない。
 うつつの際のいっさいの悩みも問題も放棄して、ただひたすら眠る”

家族が迎えに来て大騒ぎとなる。
泡盛は警察に取り調べまで受けて釈放される。

家族は、サトコにアメリカ留学させようとするが断る。
泡盛のアパートに行くと、引っ越したという。学校に行くと休学届けが出ていた。

兄は、泡盛をイスに縛って、夫婦で共働きの酒店は父から継いだもので、弟のせいで潰したくないと激怒。
そんな中、サトコが町一番の高い木に登って、泡盛を連れて来ないと死ぬと言っていると、母親が泣いてすがってきた。



サトコはアメリカに留学に行き、「8年後帰ってくるから、その時、ここで会う約束をしてほしい」という。
泡盛は約束する。「それからのことは、また話し合えばいいし」



[あとがきマンガ]

 

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『いちご物語』(白泉社文庫)

2015-08-22 13:53:09 | マンガ&アニメ
『いちご物語』(白泉社文庫)
大島弓子/著

白泉社文庫セレクション

「大島弓子選集」で近所の図書館で検索し終わって、全16巻だけど、5、6、13巻がないことが判明。

「大島弓子が選んだ大島弓子選集(全7巻)」は、ほぼ「大島弓子選集」と内容が同じ。

その他にこの「白泉社文庫」が4冊あって、中には「大島弓子選集」に収録されていないものも見つかったので、
それを借りて、大島さんの作品シリーズはひとまず幕引きになりそう。

ここでは、そのかぶってない作品のみのメモを書くことにします。


あらすじ(ネタバレ注意
ラップランドで暮らしていたいちごの父(日本人)が死んだ。

 

いちごは、一度ラップランドに旅行に来た青年と結婚する(父に面影が似ているから)と言って、列車に乗る。
家族同様の養父母は、新しい土地に行くから、もう会えない。
母がいちごが6歳の時に亡くなってから育てた養母は泣いて見送る。

やっと日本に着いて、「しぶやくじんなん いくた」と言って家を探すいちご。

“草がない 雪もない 色のわるいやせた木ぎ
 砂ぼこりとも 草いきれともつかない もうもうたる これは空気か!?”

(私もいつも都心の街路樹を見ると悲しくなる

やっと生田の家に着くと、小説家の父、虚弱だが家族を支える大学生の長男・森太郎、
次男・林太郎と、そのGF然子がいた(彼らの母は亡くなった

 

林太郎といちごは同じ17歳。「お嫁に来た」といういちごに激しく動揺する家族と然子。
一度は自分の勘違いだったと家を出るいちごだったが、一晩、林太郎と手をつないで眠ったことでもう結婚したと思い込む。

然子は焦りを感じ、林太郎に告白し、林太郎も幼なじみの頃から好きだったと言う。
森太郎の婚約者・美の宮が来て、どこかで見た顔だと言ったことで、父は身元を調べたほうがいいかと迷う。



いちごに振り回される林太郎を見て、然子は自分の貯金でいちごの帰りの旅費にしてもいいという。
もの覚えが速いいちごを、小学校に入れる森太郎。そのためにバイトを増やして体を壊してしまう。

然子は林太郎に告白したことを告げ、いちごにフェアで戦おうと言う。
いちごは、大学一女好きな狼男・日向に襲われそうになって、初めて大人の恋愛の意味を知る。

 

それから急に男性恐怖症になってしまういちご。日向は諦めず、女装していちごに接近する。
日向は、両親が結婚してから10年目の子どもだということを涙ながらに話して、いちごに同情させる。

森太郎が倒れてから、いちごは慣れない風習の中でバイトを探し、林太郎も学校を辞めて働くと言い出す。
然子は、林太郎からのキスがきょうだいにする額へのキスだったことから、林太郎はいちごが好きだと気づく。



林太郎は、学校を辞めるのは、父のような小説家になりたいからだと夢を初めて家族に話す。
いちごは、養母が「困った時はこの結婚指輪を売ってお金にしなさい」と言っていたことを思い出し、
指輪を売ってしまうが、父はすぐ買い戻そうとして、倍の値段で売れてしまったことを知り悲しむ。

なにも役に立てないことを後悔して、いちごは横浜港から密航しようとして捕まる。



父がいちごのことを書いた「いちご物語」が採用され、売れたことで問題はいったんおさまるが、
然子は自暴自棄になって不良と付き合っていることが林太郎の耳に入る。

いちごは日向に助けを求め、林太郎は然子のためにケンカして入院し、
「ぼくは、いちごを愛している」と然子に告げる。
日向は然子を慰めて、いつしか2人は大接近する。


「薔薇を抱えるとどんなときでも楽しくなるよ」(日向


いちごは咳き込むことが多くなる。
そんな折、「いちご物語」を読んで訪ねてきたのは、父の母だった。父の名前は有馬司。
父の兄(養子)の息子・猛(相続人)は、「あなたと結婚する運命にある」と言う。

 

 

このままだと呼吸器系がやられるため、空気のいい場所での静養が必要と医者に言われるいちご。
有馬家は、大企業の総本山で、猛とその家柄を狙う女子3人組は、なんとか仲を裂こうと画策する。
猛はいちごを好きになり、林太郎にどちらがいちごを射止めるかフェアに競うと言う。



林太郎は、自分の書いた小説を懸賞に出し、入選したら、小説家となって、
いちごにプロポーズしようと決心していたが、ことごとく落ちる。

女子3人組の1人・薫子がいろんな策を講じるのと、祖母や長男が悲しそうなワケを知りたくて、
咳が出るのも構わずに駆け回るいちご。

会社を継いだ長男は、いちごに実情を話す。
高校入試の時に、自分が養子だと気づき、父が亡くなった時、社員が2派に分かれて
途方に暮れていたら、兄が大好きだった司は姿を消し、二度と戻らなかったという。


一族にいちごを紹介すると高揚する祖母。
だが、「私は司の子どもではありません。あれは勘違いでした」と皆の前で言ういちご。

林太郎の時評が出版社で採用され、いちごに告げようとした時にはもう家を出てしまい、全員で探す。
司の兄は、「いちごは環境不適応で、日本にいては長く生きられない。どこに行っても成人はできないと医師に言われた」と話す。

いちごは、皆の幸せを見届けようと、然子と日向の仲の良さを見て安心し、庭で倒れているところを日向が見つける。
林太郎はいちごとラップランドに行くと決心する。
いちごは「その前に、森太郎と美の宮のブライズメイドになりたい」と言う。



2人の式で、日向は然子にプロポーズし、林太郎はいちごと仮祝言まであげた。
その後、ラップランドに猛が薫子と婚約したとの手紙が届く。

林太郎はいちごと手をつないで眠り、いちごは翌年の3月に逝ってしまう。
林太郎は日本に戻り、いちごは信念で生き返るのではないかと時々夢を見る。

“私の青春の、一番奥にしまった物語である”




[あとがきマンガ]

 


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