メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『アレクセイと泉のはなし』(アリス館)

2016-05-11 12:28:11 | 
『アレクセイと泉のはなし』(アリス館)
本橋成一/写真と文

こないだ、映画『マンガをはみだした男 赤塚不二夫』を観た後、写真展を観て、本橋成一さんに興味をもち、借りてみた。

【ポレポレ坐イベント~無限抱擁】
「2016.4.19~5.8.新版『無限抱擁』(本橋成一写真集)刊行記念写真展」

チェルノブイリ原発事故から30年 ウクライナで追悼
“1986年4月26日未明に起きた原発での爆発と同時刻にサイレンが鳴らされた。
 炉心溶融(メルトダウン)が起きた同原発の事故は史上最悪の被害をもたらした。”


あらすじ(ネタバレ注意

ベラルーシの小さな村に父母と暮らすアレクセイ。

1986年4月26日、畑にジャガイモを植えて帰宅すると、
強い風が吹き、空はオレンジ色に染まっていた。
雨が降って、急にやんだ。
何が起こったのかは分からなかった。

アレクセイの村は、事故を起こした原発から180km離れていたけれど、
放射能汚染により“もうここに住んではいけない”と言われた。

大勢が村を離れ、55人の年寄りとアレクセイは残った。

「ここにはきれいな泉があるからね。
 この泉の水は、100年もかかって地上に湧き出てきたんだよ。
 この泉は奇跡さ」


アレクセイの家には、たくさんのいのちがいる。
ウマ、ウシ、ブタ、ガチョウ、ニワトリ、ネズミ、鳥、畑のミミズ、
数えきれないいのちといっしょに暮らしているんだ。

母はいつもこう言う。
「この子たちを残して、町へ行くことなんてできやしないよ」

役人が引越しをすすめた時も
「この動物、木、草はどうするんだい。いっしょに連れていってもいいのかい?」




アレクセイは何にでも話しかける。
「おーい白樺、きょうは凍てつくね」
みんな生きているものどうしだから、言葉はちゃんと伝わっている。



人間のからだは、何でもできるすばらしい道具。
僕たちはからだぜんぶを使って、たくさんのいのちを育てる。


こうして地に這いつくばって、自然とともに生きることが、ほんとうの生きるってことかもなあ


大事に育てて、美味しく食べる。
人間が食べないところは、イヌやネコが食べてくれる。
あとには何も残らない。

こうして1つのいのちは、すべてのいのちにつながっていく。




原子力発電所ができれば、生活がもっと豊かになると教えられた。
でも、僕の村は、ほんのすこしの電気で、とても豊かで、みんな満足している。

この村には、なんでもそろっている。
ただ1つ要らないのは、人間が作った放射能だけ。


保険局が放射能を測りに来ると、村人はいつもこう言う。
「測ると減るのかい?」

放射能には、何億年も力が減らないものがある。
村人はまだまだ元気。
でも、何十年か過ぎたあと、ここに住むのは僕だけになっているかもしれない。


8月の終わりの日の収穫祭には、何年ぶりかで司祭がやってきた。


その後パーティーが開かれて、隣り村からガルモニカ(ボタン式アコーディオン)弾きもやって来た。

泉は、春夏秋冬、朝昼晩、湧きつづけている。
泉の水が僕の中に流れて、僕をここに引きとめている。





【あとがき 世界じゅうの子どもたちへ 本橋成一~内容抜粋メモ】
僕が初めてアレクセイに会ったのは、この村に通いだして3年目の1995年。
その頃は、まだ大勢が住んでいて、いつも賑やかでした。

映画『アレクセイと泉』の撮影中、アレクセイの馬ルイシックが突然暴走し、
取りつけた鋤が飛び跳ねながら約50mほど走ったところで、やっと止めることができた。

普段優しいアレクセイは、ルイシックの腹を蹴り、首にパンチをした。
鋤を引いたまま暴走することはとても危険なことで、馬や人間に当たれば大事故になるところだったと後で知った。

この村では、馬なしでは暮らせず、馬もヒトなしには生きてはいけない。
あれは若いルイシックに危険を分からせる大事なコミュニケーションだった。

今、この地球にあるいのちは、33億年の時をかけてつながってきました。
この地球では、人間だけの都合では、決して生きていけないのです。


本橋成一(ウィキ参照
映画館「ポレポレ東中野」と喫茶店「ポレポレ坐」オーナーさんだったんだ/驚

「“ポレポレ”はスワヒリ語で“ゆっくりゆっくり”の意味である。」

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『ナージャの村』(平凡社)

2016-05-11 12:27:11 | 
『ナージャの村』(平凡社)
本橋成一/写真・文

『アレクセイと泉のはなし』(アリス館)

本橋さんは、この写真集をなぜモノクロで発行したのだろうか?
きっと、そこにはさまざまな季節の色があったはずなのに。

まだ村に人々が暮らしていた時期を撮ったからか、それとも一時帰宅なのか、明るい笑顔も写っている。
小さな村での楽しみは、結婚式やお祭りで集まり、食事をして、踊ること。

村の人々の詩が、とても素朴で、正直で、こころを打つ。


あらすじ(ネタバレ注意

悲しみの大地、と人は呼ぶが、
ここで暮らしている人々のことは知らない。


問題は放射能ではなく、いのちのことなのに。
そんなことは誰も言わない。
ただ、危険だから逃げろ、という。

チェルノブイリ、ベラルーシ、ドゥヂチ村。
ここが、わたしのふるさとなのに・・・。





【あとがき 本橋成一~内容抜粋メモ】
僕が初めてチェルノブイリをテーマに写真を撮り始めたのは、大事故から5年後の1991年のこと。
“核”でくくろうとするとあまりにも手がつけられず、“いのち”でくくったらなんと分かりやすかったことか。

病に苦しむ子どもではなく、汚染地域で大地とともに生き続けている人間や生き物の営みを見つけた。
3年後、『チェルノブイリからの風』『無限抱擁』にまとめることができた。

汚染されたベトカ地区パーブジェ村で移住を拒否して一人で住んでいた83歳のアルカジイさんに出会った。
事故前2頭だった牛は、買い手がつかず増え続け、今や27頭になり、世話が大変だが、
事故前と何も変わらない暮らしに引きつけられた。

「どうして移住しないのか」と聞くと、どうしてそんなことを聞くのかという顔をして
「どこへ行けというのか。人間が汚した土地だろう」と答えた。

地球にやさしくとか傲慢な言葉を平気で言っている自分が恥ずかしかった。

アルカジイさんは、僕を家に招き、50年も弾き続けているアコーディオンを聴かせてくれた。
あえて汚染地域に住み続け、自分が生きていることは、汚された大地への無言の抗議でもあった。

アルカジイさんは、翌年、牛泥棒に撲殺されるという不慮の死に遭う。
僕は、この『ナージャの村』に彼からもらったメッセージを託した。(1998年)



かつてドゥヂチ村には300家族が住んでいた。強制移住により、今は6家族15人になった。
もう、お祭りも、結婚式もない。コーリャの得意なアコーデオンの出番もなくなった。




「ソ連時代はポルカ祭りも規制されたから、若者は祭りを知らないんだよ」(ポレーシェ村)

この地方はポルカ発祥の地。民族衣装を着飾った村人たちが歌い踊る。

第二次世界大戦では、この地で十数万の人たちがナチスの手で殺された。


チャイコ:
かれらはここへやってきて、わたしの土地を占領した。
ドイツの射撃手。
ドイツが殺した、森に逃げた人すべてを。
わたしは戦争のことをよく覚えている。

しかし、放射能は、まったくすべてを占領し尽くす。
まったくひどい話だ。
すべてを奪った。すべてを。


結婚式で、電柱に取り付けられたスピーカーから、音のかすれたダンス音楽が流れ続ける(ボロソビッチ村)



村一番のアコーデオン弾きもひと休み



ニコライ:
人々はパンを食べる。
わたしたちは放射能を食べる。
もしロシアを捨て、天国に生きよ、といわれたら、わたしはいう。
天国はいらない、故郷を与えよ、と。

一人者のニコライは、エセーニンの詩句「天国はいらない、故郷を与えよ」が大好きだ。
彼は、コルホーズ閉鎖のために捨てられた、目が悪い馬を拾ってきた。


隣り村のセブローヴィチ村(強制移住地区)の森が野火で焼けた




チャイコバーバはヤギのシロをとても可愛がっている。
シロは毎日コップ1杯のミルクをくれる。
シロはいつもチャイコバーバのそばにいる。



チャイコバーバと2匹の猫。冬ごもりの仲間(歳をとったら、チャイコバーバのようになりたいなあ


タイーシャ:
国はいう。
たくさんの家を与えたのに、拒否すると。
わたしはここからでたくない。でたくない。



ボクサーは廃屋の中から目ぼしいものをみつけ、ヤミで町に持ち出して「ビジネス」をする。


ペチカのそばはナージャのお気に入り。母さんはいるし、暖かい。


学校

黒板には「さようなら私の村の学校」と書いてあった。
ナージャにとっては、放射能より、友だちがいなくなったことのほうが悲しい。



ナージャは畑仕事の手伝いが大好きだ。町に引っ越すことが決まったから、今年は少しでも多く収穫したい。


町で仕事が見つからなかった父ボーブカを残して、ナージャ家族は引っ越した。
このゲートを出ると、チェチェルスクでの生活がはじまる。



家財道具がなくなった部屋に家族の写真を飾ってもやはり寂しい。
妻タイーシャは、町で夫の仕事を探しているが、なかなか見つからない。



タイーシャは、夫が心配で、たびたび村に戻る。
町の家にはまだバーニャ(サウナ風呂)がないため、週末には村に帰る。


冬にはボーブカも家族のもとに行き、ドゥヂチ村の住人は5家族8人になってしまった。



村の数箇所に「放射能危険」「立入禁止」と標示されている。



ニコライ:
「皇帝には帝国、そして神には予言」
ふるさとに何が残ったかって。わたしのふるさとに?

何も。



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topics~#くまモンあのね@あさイチ ほか

2016-05-11 11:05:08 | 日記
最近の気になるトピックス。

[速報]シアターコクーン7月公演「ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン」上演決定!
作・演出:松尾スズキ 邦楽演奏:綾音

出演:阿部サダヲ、岡田将生、皆川猿時、池津祥子、宍戸美和公、
 村杉蝉之介、顔田顔彦、近藤公園、平岩紙、岩井秀人、
 阿部翔平、井上尚、伊藤ヨタロウ、
  松尾スズキ、吹越満、寺島しのぶ 他

公演期間:2016年7月7日(木)~7月31日(日)

チケット一斉発売:5月15日(日)10:00AM~
S席10,500円  A席8,000円  コクーンシート5,000円 (税込・全席指定)

急に決まったから、チケットのことも悠長に考えていたら、
ぴあやイープラでもう先行が始まっていて、日曜の18時までだから、スマホのスケジュールに入れたのに、
音に気づかずに気づいたら19時。なにやってんだろ
一般で頑張ります・・・


日本生命のCMで、はるかちゃん×ディーン・フジオカさん共演
「みらいのカタチ 5つ星『どっちも!』篇」



この組み合わせは、今最強だな


口内フローラ~「3DS」@あさイチ
 

 

 

 
除菌にはまだ保険がきかないので、10万円かかる!

HPが刷新して、コンテンツが増えたv



被災地の状況や思いをくまモンに伝える #くまモンあのね に集まったツイートがどれも心にじんわりくる



熱中症対策
熊本地震の車中泊の方や、ボランティア活動される方は、とくに注意が必要。

 


ハンカチなどに保冷剤を入れて首の前側を冷やす

ポイントは、太い血管が通っている場所を冷やすこと。
首の正面には頚動脈があるので、前側を冷やす(後ろかと思ってた



追。
「2355」の「一人ナイツ」が面白いw


大体、誰もが知ってる有名人を、初めて知ったから「ヤホーで検索して」説明するって設定なんだけど、
ツッコミとボケを別々にしても笑えるってスゴイ。



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