メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ジュニア・ベスト・ノベルズ 12 恐怖の地すべり ベロニク・デイ/作 岩崎書店

2024-10-26 21:00:22 | 
1973年初版 1975年 第3刷 三橋宣子/訳 織茂恭子/画

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します

タイトルからして私のニガテな状況で後回しにしていたけれども
ストーリーに引き込まれて一気読みした

地すべりの土砂に埋もれて、電気も通わない真っ暗な部屋で過ごすって息苦しすぎる↓↓↓
5人の子どもたちが、励まし合いながら生き抜く姿が逞しい

そして、ヒトの便利な暮らしのために丸裸になった山が
雨風にさらされると災害が起きやすいという自然保護の観点も重要だ


【内容抜粋メモ】

登場人物
コルソン家
ローラン 14歳
ベルティーユ 妹
ダニエル 弟 6歳

ベロニク 友 14歳
アレクシス ベロニクの弟 6歳
ノーティエ 兄妹 発明家



父は部屋で過ごすのが好きなローランを食べる時しか顔を出さないカタツムリに例えて
子どもたちだけでグンターさんのホテルで冬休みを過ごして
弟や妹たちの面倒をみる責任者となるよう言い聞かせる

グンターさんのホテルにいたのはたったの2日
ベルティーユはローランとケンカして、家に帰ると言ったため駅まで来たが
仲直りして、ホテルに戻る途中、発明家ノーティエさんの家に寄るが
兄妹は村の住まいへ行っていない










それを知らない子どもたちは、しばらく待っていて、そのまま眠ってしまう

3週間もぶっ通しで雨が降った後で、丸裸の山が地すべりを起こし
鉄道も道も、ノーティエ家も埋めてしまう

酷い吐き気がしてローランが起きると停電で真っ暗
ストーブが有毒ガスを出して、ムクドリのフリケは死んでいる









子どもたちは皆無事だったが、ドアを開けると土砂が入ってくる
台所には木が入りこんで、ようやく地すべりが起きたと知る

リュックに食べ物をたくさん詰めてもらったため、サンドイッチを食べる

家畜小屋の2階が落ちて、ヤギが鳴いている
ローランは父からもらった古いライターで火花を出した灯りだけを頼りに
なんとかヤギを2頭連れて来る

ベルティーユ:私たちがここにいることを誰も知らないわ
ローラン:便りがなければ、2、3日でパパやママが心配すると思うよ

ベルティーユは郵便局にいた女の子に頼んで
まとめて書いた絵葉書を毎日1枚ずつ出してくれと頼んだことを話して泣く
帰る予定の1月5日まで、あと8日もある







時間の見当もつかないため、カッコウ時計を持ってくる
ヤギが空腹で鳴くため、干し草を取りに行き
ローランは穴に落ちて、左腕を深く切ってしまうが
弟たちを心配させないために、傷を隠す

食器棚を探すと、砂糖やぶどう酒などが置いてある
ちびヤギからは乳がとれ、ベルティーユは乳しぼりができる
あるだけの食糧を10日間で割って、1人あたりにするととても少ないと分かる









ベルティーユは夕飯に食べるはずのバナナを昼に食べてしまう
ローランは父から責任者に決められたのだから、自分の言うことを聞かなきゃダメだと話すが
怒ったベルティーユは暗闇に隠れてしまう

地下室に水がたまっていて、ベルティーユが落ちて助けを求める
服や下着が濡れてしまっても乾かすこともできない









大事なパンやリンゴがネズミにかじられ、ペストに感染するのを怖れて
かじられた部分を切り取らねばならない








コルソン夫人は、ショウコウ熱が流行り、冬休みが1週間延びたと手紙を書く



ベロニクは退屈した下の子たちのために『ロビンソン・クルーソー』の話を聞かせる

子ヤギが2頭生まれて、ダニエルとアレクシスは夢中になる
ちびヤギは鎖で初めてつながれたのをイヤがって逃げ、地下室の水に落ちてしまう
かあさんヤギの初乳は不味くて飲めない









食料が尽きたら、子ヤギを殺すしかないと話し合うローランとベロニク
(生肉を食べるつもりだったのかな/汗

窓の土が落ちて、西日が入って、感動する子どもたち
互いに見ると、髪の毛はくしゃくしゃ、部屋も体も汚れ放題と分かる

天井に見事なハムが下がり、暖炉の上にはロウソクと石油ランプ、マッチがあって喜ぶ
窓の外は雪で銀世界 コップに雪をすくえば水問題も解決した









ローランの傷は痛みを増し、熱も出て、干し草を持って来る仕事などを
ベルティーユに頼むと、なぜ兄がやらないのかと不満をもつ








道路が雪に埋もれている間は、モンピエールから誰も来ないだろう
窓の外は崖で、谷底の川までは30mほどある

運動に自信のあるベロニクはシーツを割いてロープをつくり
体に巻いて、谷底まで降りると言い張るが、川は水かさが増し
土砂が崩れそうになって止められる









ローランは鏡で反対の斜面に光のモールス信号を送るアイデアを思いつく
ベルティーユは学校で教わった符号をなんとか思い出し
“SOS たすけて 地すべり ノーティエの家 とじこめられている”と送る

ローランは人が来たら火薬を破裂させるよう提案する



足を捻挫して学校を休んでいたジャン・ルイは
山の斜面に定期的に光が点滅するのを見てフシギに思い
モールス信号の本を弟に借りてきてもらう








モロー先生に光の点滅が4日連続あることを話して
2人でモールス信号を黒板に書くとノーティエになって
ノーティエ氏の発明の1つだろうと推測するが、ノーティエ氏は否定する

2人でふたたびアルファベットを入れ替えて試すと、SOSの意味が分かって救助隊を呼ぶ



コルソン夫人は筆無精のベルティーユが毎日きちんと絵葉書をよこすのに
ローランからは1通も来ないのをフシギに思い、グンターさんに手紙を書くと
12月28日にホテルを出てパリに帰ったと返事が来て、夫婦は慌ててホテルに向かう

村の青年が村長に言われて山からノーティエ家を見るが窓からは誰も見えない
ジャン・ルイ:あそこに人が絶対いるんです

2人が帰ろうとすると、爆発音がして驚く

アスピリンを飲んでなんとかしのいでいたローランは、もう限界
2人が通りかかったのを見て、火薬を爆発させた

コルソン夫妻が村に着き、少女がベルティーユに頼まれて絵葉書を出していたと話す







5人の子どもたちは救助隊に助けられ、ローランは病院に運ばれて治療を受ける
旅館の女将さんがごちそうを作って子どもたちにふるまう









ダニエルは種をまいて森をつくる夢を見る
地面をしっかりくいとめるための森だった




あとがき
本書の原題は『やみの中のロビンソンたち』

ベロニク・デイ
本名はマルセル・プティ
10人の子どもを持つ女性作家

彼女の子どもたちをモデルにした“イザベルシリーズ”で知られる
『イザベルのバカンス』
『イザベルと巨人たち』
『イザベルところがる家』
『SOSイザベル』







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