メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ジュニア世界の文学2 草原の歌 Aitmatov Chingiz 学研

2024-10-25 13:47:19 | 
1970年初版 佐野朝子/訳 矢吹申彦/ケース・イラスト

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します

ロシアの小説はベースの社会や環境が厳しすぎて息が詰まる

【内容抜粋メモ】

■ジャミリャー
戦争が始まって3年目
15歳の少年たちは集団農場で働いていた

小さな家の主人が亡くなり
回教徒のしきたりで、父と結婚

母は2つの家の絶対的支配者
母:女の幸福は子どもを産むことと、家が豊かであることだよ

班長オロズマートは戦争に行ってる兄サドゥィクの嫁ジャミリャーに
穀物袋を馬車で駅に運ぶ仕事を頼む
セーイトとダニヤールはジャミリャーを守るよう言いつかる
ジャミリャーは快活で無邪気で美しい

ダニヤールは最近クルクレウ村にやって来た負傷兵
小さい時にみなしごになり、いろいろな地方を放浪した
無口で1人でいることが多く、みんなは彼を笑いものにした

ジャミリャーとセーイトはからかって
ダニヤールに100kgを超える袋を運ばせる
帰り道、ジャミリャーが歌い、ダニヤールにも歌わせると2人は感動する

セーイトも自己表現したい渇望を覚え
子どもの頃から好きだった絵を描きはじめる

ジャミリャーとダニヤールが寄り添い合って馬車に乗る様子も描き
ジャミリャーがその絵が欲しいというのであげる

帰還兵がサドゥィクは2か月ほどで帰ってくると教える
ジャミリャー:あの人は一度も私を愛してくれなかった

ジャミリャーとダニヤールは駆け落ちする
セーイトはジャミリャーを愛していたことに突然気づく

サドゥィクが帰り、セーイトが描いた2人の絵を見て「裏切り者」と責める
セーイトは絵の勉強をするために家を出る



■最初の先生
クルクレウ村に2本のポプラがたつ丘は「ヂュイシェンの学校」と呼ばれている
昔、学校があって、ヂュイシェンが教えていたが
彼自身あまり学がなかったのだと笑う村人たち

新しい学校の開校式に、私と学士院会員のスライマーノヴナ女史もゲストに呼ばれて
アルトゥィナーイ・スライマーノヴナはみんなから大歓迎される

ヂュイシェンも同席するよう言われるが郵便配達があるからと断る
戦争から帰った際「死にに帰ってきた」と言っていた

アルトゥィナーイは数日滞在する予定だったのに、急用があるからと汽車に乗って帰る
後日、私に彼女から長い告白の手紙が来て、すぐに発った理由が書かれている

14歳の頃、亡き父のいとこの家に引き取られていた
母も亡く、叔母はアルトゥィナーイに辛く当たる

ヂュイシェンは村に学校を開いて教えたいから、丘の馬小屋を使いたいと提案するが
代々百姓の村人は学問など必要ないと反対する

ヂュイシェン:
私たちは貧乏で無知でした
でもソビエト政権は私たちに読んだり書いたりするよう望んでいるのです

馬糞を集めていたアルトゥィナーイに勉強したいかと聞き
ほかの子どもたちも学校に連れて来てくれないかと頼むヂュイシェン

先生に馬糞を分けて、また探しに行くが袋の半分しか集まらず叔母に叱られる
叔母:学校なんかに近づいたら、足をへし折ってやるからね!

ヂュイシェンは農家を1軒ずつ回って子どもたちを学校まで連れて来る
擦り切れたレーニンの肖像画を見せて熱く語り
知っているすべてを文盲の子どもたちに忍耐強く教えた

村人たちが橋を造る手伝いもしなかったため
切るように冷たい川を渡る子どもたちをおぶって渡らせる
ヂュイシェン:君は才能がある

レーニンが亡くなった日、ヂュイシェンは子どもたちと一緒に喪に服す

ヂュイシェンが入党するため町に3日行っている間
アルトゥィナーイは仕事も手につかず、サイカルばあさんの家に泊まるよう言われる
そこはヂュイシェンが厄介になっていた
ヂュイシェンは生徒との約束を守るために飢えたオオカミに襲われ、老馬が身代わりに食われた

ある日、叔母はアルトゥィナーイを赤ら顔の太った男の第二の妻にする

ヂュイシェンは丘に2本のポプラを植えて
アルトゥィナーイが町で勉強できるようにすると約束する

赤ら顔の男が2人の男と学校に来て、アルトゥィナーイを連れて行く
叔母:こいつはあの娘ととうにデキてたんだよ あの雌犬をタダでたぶらかしてたんだ!
ヂュイシェンは止めようとして、殴られ、骨を折られる

気づくとテントの中にいたアルトゥィナーイ
15歳でトコール(第二の妻)にされ、テントに監禁される

ヂュイシェンが民警を連れて来て、赤ら顔の男を捕まえる
ヂュイシェン:お前の時代は過ぎ去って、彼女の時代がやってきたんだ!

アルトゥィナーイを守りきれなかったことを謝り
川で体を洗って、すべてきれいさっぱり忘れるよう言う

町に行く汽車に乗り、ヂュイシェンが名前を呼ぶ声が今でも忘れられない
私の初恋よ、さようなら

戦争が始まり、疎開に行く途中、2本のポプラがたっているのを見る
学校はなくなっていた

大学に出張に行った際、鉄道用の小旗を振っている男をヂュイシェンと間違える
客:可哀想に夫か兄弟かと思ったんだよ

アルトゥィナーイは結婚し、子どもを産み、哲学博士となった
ヂュイシェンの生徒の多くは戦死した

新しい学校を「ヂュイシェン学校」と名付けるよう提案したいと手紙に書いてある



■ラクダの瞳
ケメリはトラクターの運転を学ぶためにアナルハイの処女地開拓にやって来たが
すでに助手がいたため、水くみ係となり、アバキルに「学者先生」と呼ばれてバカにされる

歴史のアルヂヤーロフ先生がアナルハイのヨモギ草原の素晴らしさを何度も吹き込んだため
この地に来たのに、毎日アバキルにののしられることにウンザリするケメリ

母はケメリを医者にしたかったのを反対して家を出たから、帰るわけにもいかない
助手のカリーパはケメリをかばってくれる
誰も自分を非難できないよう夢中になって働こう

泉のそばに子羊を連れた少女がきて、泉の名を聞くので「ラクダの瞳」と教えるケメリ
アルヂヤーロフ先生を知っていて気が合う

サローキンはみんなを集めて、ケメリは水はこび係はイヤだと言うと
カリーパが仕事を替わってくれ、すきの上に乗る仕事になる

少女は畑にやって来て、アバキルはケメリにトラクターの乗り方を教えて
自分は少女を口説きに行き、羊飼いの少女は来なくなる

カリーパはアバキルの子どもを身ごもり、捨てられる

土から金が出てきて、昔、遊牧民がいた証拠だとアバキルに見せる
アバキルは具合が悪いとウソをついて、金を持ってアナルハイから去る

カリーパ:
よく働く人だと思った
優しく愛せば、あの人の悪意はなくせると思った
でも昔の彼のまま行ってしまった!

ケメリは全部の責任を持つことになり、この荒れた地に
素晴らしいアナルハイの国が必ずできると羊飼いの少女に信じてもらいたいと願う

コメント    この記事についてブログを書く
« ゲームで遊んでみた part30~... | トップ | 映画『夏の嵐』(1956) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。