メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

岩波少年文庫 3119 フランバーズ屋敷の人びと 4 愛ふたたび 上 K.M.ペイトン/作 岩波書店

2024-10-23 15:22:42 | 
1986年初版 1987年 第2刷 掛川恭子/訳 K.M.ペイトン/絵

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します


こんなに夢中になって読むのは、大昔からある男女の三角関係
♪けんかをやめて~ って話だからだな、とふと冷静になって思った
私たち読者も下世話な噂話で盛り上がってる農家のおくさんたちと同じかも

ものすごい長い年月が経っているような気がしても
ヒロインはまだ22歳、ディックも25歳って若さなのにビックリ/驚

それにあんなに酷いケンカをしても、まだ惹き付けるほどのマークの魅力ってのが
私には分からないな


【内容抜粋メモ】

登場人物

フランバーズ屋敷
クリスチナ・パーソンズ 22歳
ディック・ライト 以前屋敷で馬丁をしていた現夫 25歳
イザベル ウィルとの間の娘 1歳
ティジー(トーマス・マーク) マークとバイオレットの子ども

ラッセル 亡父 亡妻イザベル
マーク 長男
ドロシー・ソーンダーズ ホテル「ブドウのふさ亭」経営者の娘 マークの妻
ウィリアム 元夫 戦死
メアリー 女中頭
ファウラー
ウィルヘルム ドイツ人捕虜 農夫
ロージー・ディーキン 父シメオンはディックの父的存在
グレイスおば 洋裁で生計を立てている
ジェリーとファーガス マークの戦友



クリスチナはマークの私生児を養子にしたことで保守的な人々の反感を買ったが
元使用人のディックと再婚すると教会で発表されると、さらに噂の的になる

戦争は長引き、ずっと徴兵猶予を受けていたマスターズの長男も出兵した

グレイス叔母に結婚の報告に行くと、クリスチナが百姓の妻になれないだろうと予言する

グレイス叔母:
兄弟が死んでも、その妻とは結婚できない法律
あなたは家を守るタイプじゃない
安定した暮らしに退屈するでしょう

クリスチナは3人を3様に愛していることに気づく

質素な結婚式の3日後、ドロシーからマークの生命が危ういとの電報が届く
クリスチナ:大丈夫、助かるわ! そうでなければ、生きていけない!



6人の兵士の中に爆弾が落ちて、マークだけが奇跡的に助け出されたが
腹部にひどい傷を負って、生きているのがフシギなほど

メアリーとファウラーはディックが主人となってもまだ馬ていのように扱っている
メアリー:まっぴらごめんですよ 馬番の・・・

それでもフランバーズ屋敷の歴史であるメアリーとファウラーを辞めさせることは考えられないクリスチナ
メアリーの負担を軽くするために、エイミーを雇う



親友ドロシーが休暇で訪れる
従軍看護婦でやせ細っていたが、フランバーズ屋敷で徐々に元気を取り戻す
ドロシー:結婚すべきじゃなかった 自分が飽きっぽいのは分かってるから怖いの

ディックはクリスチナのためにスイートブライアを買い戻す
この馬のためにディックがクビになった思い出がよみがえる
スイートブライアは妊娠していて、子馬はサラブレッドの血統を引いてると分かる

ディック:真剣に額に汗する匂いが好きなのがあなたのいいところだ

クリスチナ:
働く人が好き ウィルはオイルの匂い
ドロシーはクレゾールの匂いがした



マークを見舞うと、息が苦しい、食べられない、眠れないと悲惨な様子
病院は傷ついた男であふれていて、少しでも動けるようになれば保養所に行かなければならない

従軍看護婦は常に人手不足で、ドロシーは見舞いにも来れず
マークはフランバーズ屋敷で療養したいと言うが断わり続けるクリスチナ

マーク:もっとよくなったら家に帰りたいよ
クリスチナ:あなたには家はないでしょ

マークはクリスチナに対する気持ちが全然変わっていないことをあけすけに言う



ディックはクリスチナに農場を手伝わせず、家の監督をしてもらいたがるが
裁縫も料理も苦手なクリスチナは何もすることがなく手持ち無沙汰となり
叔母の予言が頭をよぎる
ディック:目が覚めるとなにもかも消えているのではないかと思ってしまう

マスターズ夫妻を夕食に招いて、ディックをなんとか説得して社交界のルールを教える
なんとかその場を取り繕っていると、マークがひどい体調のまま運びこまれてくる

クリスチナはひと晩だけ預かるつもりで元いた部屋に寝かせるが
その日から2時間ごとに粥を飲ませ、体を拭き、下の世話をする看病が始まる

マークは時々、爆弾のショックで幻覚を見て怒鳴る
腹のひどい傷は見るに堪えられず、ディックに泣いて頼む

ドロシーに電報を打つと、チフスに感染したから数か月は隔離状態と分かり絶望する
クリスチナはマークの世話で手一杯で、ディックの食事の用意もままならない
メアリーとファウラーは元主人の命令を聞くことに慣れていて、ディックを無視する

ディックはクリスチナの立場なら乳母がいて当然だと寡婦のクララを雇う
父シメオン・ディーキンはずっと父代わりの存在で
農場を手伝ってくれているロージーは昔からディックが好きだった気持ちを秘めている
ディーキン家に行くといつも心が安らぐのを感じるディック

マーク:ボクの目を見て愛していないと言ってごらん
弱っているマークに同情し、ウィルに似た黒い髪と目に魅了される気持ちをコントロールできないクリスチナ
回復したドロシーが屋敷に来て、マークと同じ寝室に寝ることに嫉妬を感じて動揺する



マークの戦友ジェリーとファーガスがいきなりやってきて、ジャズを演奏し、ダンスする
ファーガスは顔半分に大怪我を負って、目がない状態
ウィルと一時期一緒に飛行機を飛ばしていた

マーク:彼女を愛していないんだ
ドロシー:夫に会うのが不安

ディック:雇われていた時のほうがまだましな待遇を受けていた

ファウラーはクララに夢中になり、ディックに言われた仕事をサボるようになる
ディックはマークへの嫉妬心からフェザントを売り払う
ドロシー:自分がボスだというところを見せようとしているのよ

ディック:マークに嫉妬し、傷つけたかった
クリスチナ:あなたのすべてを愛しているのよ!



マークは保養所に行く代わりに、ダーモット氏の家を買い
ふたたびみんなで狩猟するために、マリゴールドに子犬を産ませる

マークは子どもを欲しがっているが、ドロシーは産まないと決めている
ドロシー:自由にしたいし、楽しみたい 自分の性格を変えるのは手遅れ

ファーガスらがまた屋敷を訪ねて、ファウラーが酒の用意をしているのを見てディックが激怒し
ファウラーをクビにしないのなら、自分が出て行くと言う

ディック:
自分は身を粉にして働いているのに、親から譲られた奴らは浪費するばかりで感謝もしない
人生において大切なのは労働だ
ウィルは働くことを知っていた

マークとドロシーは翌朝、屋敷を出て、ダーモット氏の家に越すまでホテルで泊まる
クリスチナはディックに戻ってほしいと手紙を書き、ディックは帰ってくる






コメント    この記事についてブログを書く
« 岩波少年文庫 3118 フランバ... | トップ | 何回観ても面白いミステリー... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。