●「容疑者引渡し条例改正案」
容疑者の身柄を香港から中国本土に引き渡せるようにするもの
発端は、容疑者の身柄を中国本土へと引き渡せるようにする条例の改正案が
香港議会に提出されたことが市民の反発を招きました
男性:
これが香港の人々の怒りだ!
我々は改正案の撤回を求める
●「一国二制度」
香港は1997年、イギリスから中国に返還された際に
「一国二制度」のもとで高度な自治を保つことが保障されています
しかし近年は香港の自治が脅かされ
中国本土の政治体制に取り込まれることへの不安が高まっていました
それがかつてない大規模なデモにつながったのです
●警察とデモ参加者が衝突
9月2日 ABC News:
香港では暴力が激しさを増しています
13週連続で週末に警察とデモ参加者が衝突しました
レポ:
催涙ガスがまかれています
使われているのは手榴弾です
数百の機動隊、特殊部隊もいます
放水車が前進しています
●SNSへの投稿が増加
警察とデモ参加者の対立が激しさを増し、衝突が頻繁に起きる事態になり
SNSにも衝突の模様をとらえた動画が次々と投稿されます
●条例改正案の撤回を発表
道路や空港が封鎖されるなど、混乱が深まる中
香港政府は9月4日、容疑者引き渡し条例改正案の撤回を発表しました
しかし、さらなる民主化を求めて、今なお抗議活動は収束の兆しを見せません
ゴリ:そもそも、容疑者を中国に引き渡すことをなぜ香港は嫌がるんですか?
講師:
問題は、誰がその人が容疑者であるかを決めること
例えば中国政府に対して厳しい意見を言っている人などを
何かの容疑で「お前は容疑者だ」と言って
中国本土に連れて行き、厳しい刑罰が下される可能性があるのではないか
ということを香港の人たちは非常に気にしている
●過激なのはごく一部
講師:
もう一つ、あまり日本で知られていないのは
デモの映像はどうしても火炎瓶を投げるとか過激なシーンが出てきますが
あれはごく一部です
(メディアは派手に不安を煽るのが大好きだからね
殺人、事故、、、大きなトピックがなければ、火事のニュース
他にもたくさん楽しいニュースを取り上げればいいのに
100万人が参加するようなデモで
全員が過激なことをしているわけではなくて
いろんな抗議の仕方があるよということ
9月に投稿されたツイートを見てください
「レノンウォール(連絡通路)を外から見た 目を見張る光景です」
このレノンウォールは、香港の街中にいっぱいあるんですけれども
ジョン・レノンの名前にちなんでいるんです(驚
彼が言ったような「自由」「民主主義」というものに対する
願い、メッセージを書いて壁に貼り付ける
それをレノンウォールと言います
一方でこんな写真もあります
ツイート:
作品名 五十肩の高さ
政府寄りの支持者がレノンウォールのメモを破り取った
でも上の部分は破れ取れなかったよね
香港在住のカメラマンからは
こんな写真付きのツイートが投稿されています
ツイート:
香港の高校生が「人間の鎖」を作って街中の高校をつなげた
今朝、学校が始まる前に
なぜ抗議するのか注目を集めるために
最後に「写真やビデオのスレッド」ってありますけれども
こんな動画も投稿されています
●「手を繋いで学校同士までつなぐ」
学校から学校まで生徒たちが並んで手を繋いでいる
そうやって自分たちはデモ隊を支持しますと表明している
ゴリ:この若い年齢で、彼らはデモを理解しているんですか?
講師:
香港の若者たちは、中学生も高校生も
しっかりとそういうことを勉強していて
学校でも話し合って、彼らは本当によくわかっています
ゴリ:先生たちも止められないってことですよね
講師:
僕が撮ってきた映像です
学校の先生達によるデモなんです
ほとんどここに集まっている人達は先生で
自分たちの教え子の世代の子たちがデモをして逮捕されたりしている
それに対して私たちの世代も立ち上がらないといけないということで
先生たちがデモをするということはかつてなかったことです
本当にいろんな職業、いろんな年代の人に
広がっているというのが分かると思います
ゴリ:日本人がいたら「関係ないからあっち行け」ということないんですか?
講師:
そんなことはなくて、突然雨が降り出して困っていたら
デモに参加していた先生が傘を貸してくれて
二人でずっと傘に入りながらインタビューしていました
元ジャパンタイムズ報道部長 内藤先生:
そもそものきっかけとなった
中国本土に送るための条例は
VTR にもあった通り、すでに廃案となっています
それでもなぜデモが続いているのか?
条例の撤回後からたくさん投稿されているある言葉を紹介しましょう
“Five demands, not one less.”
5つの要求 ひとつも欠けてはならない
●私たちの5つの核となる要求
1:逃亡犯引き渡し条例の撤回
2:逮捕された全ての抗議参加者を釈放すること
3:6月12日の抗議活動を“暴動”と呼んだことを取り消すこと
4:独立した警察への調査
デモ参加者に暴力を働いた警官を第三者機関で調べてほしい
5:普通選挙 投票する権利
つまり、彼らにとっては、この5つのうち
1つの要求が叶ったに過ぎないという意思表示なんです
香港の不安定な状況が今後どうなるのかまだまだ先が見えません
Q:
5番目の「投票権、選挙権」っていうのは
香港の人達は全員持っていないんですか?
講師:
選挙という制度は一応あるんですが
いわゆる日本人がやっているような「普通選挙」
皆が1人1票持って代表者を自分たちで選ぶという選挙ではないんです
例えば中国政府の人たちが事実上選んだ候補者の中から
選ばないといけないとか
1人1票でみんなで代表者を選ぶという形になっていないということが
よりより民主主義を求める声に繋がっています
最後に香港からのこんな投稿を見てください
香港は広東語で、英語がネイティブではないので意訳すると
ツイート:
毎日毎晩ニュースをずっと見ている
ゆっくり寝ることも難しい
これから先何が起こるのか想像することも難しい
我々にこれ以上何が出来るのだろうか
という不安な気持ちをいっぱいハッシュタグをつけて
世界に向けて英語で発信している
英語がそんなに得意ではなくても
世界の人に知ってほしいという思いが
このツイートにすごく表れていると思います
香港の人たちがデモを起こして
自分たちの自由や平等、権利のために戦っている姿って
本当にすごいなと思いますし
それを世界の人たちに英語で発信して
連帯を呼びかける姿っていうのは
僕たちもこういうことをやっていかなければいけないなと思います
■ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」
(なんだか「ナオキマンショー」とリンクした
根拠のない自信=stupid confidence
1話に15億円もかけたって!!
そのお金をもっと飢餓や平和に使っておくれよ
製作者2人は小説家で、ドラマ制作は初体験
毎回、戦闘シーンが巨大化していって収拾がつかなくなったとか
「昨日、君がもらった日本酒の名前だ 『初心』って言ったでしょ」
Q:初心って言う英語はあるんですか?
おそらく日本語の初心の概念、コンセプトを翻訳されたものだと思うんです
英語でも使われるようにはなりましたけれども
日本人が外国人に日本文化を説明する時に使ったらいいかもしれませんね
<発信タイム>
内藤先生:
皆さんよく間違えるんですけれども
実は「SNS」という言葉はあまり英語では通じないんです(驚×5000
普通は“on social media”と言うんですね
(そもそも番組タイトルから違ってるってこと?!