≪「ワシントンD.C」市内観光≫(1)
「ワシントンD.C」は、全米で唯一の特別行政区なので、州には属していない。
「D.C」は「District of Columbia」の頭文字で「コロンビア特別行政区」のことで、建国の父と言われる初代大統領ワシントンとアメリカ大陸の発見者コロンブスの二人の名を含んだ名前となっているのだ。
「ワシントンD.C」の設計者は、フランス人技師「ピエール・シャルル・ランファン」で、公園を中心にデザインされた町だ。
その最大の公園が東西に長い広大な3.5km×400mの緑地帯「モール」で、その西側に「リンカーン記念塔」があり、ほぼ中央に「ワシントン記念塔」が聳え、東側に中に「国立自然史博物館」や「ナショナルギャラリー」「スミソニアン キャッスル」などの一大展示場が建てられている。
そして「モール」の東側には「国会議事堂」「最高裁判所」がある。
「ホワイトハウス」は、「モール」のほぼ中央に立つ「ワシントン記念塔」の約700m北にある。
ツアーのバスは、ほぼその全体を回ってくれた。
ガイドブックによると、「ワシントンD.C」の人口は全体で586万人で、首都圏にはその11%が住んでいる。人口の50%がアフリカ系民族で、白人は43.4%だという。
緯度は仙台に近いと聞いたが、観光した日は曇りで冷たい小雨が降っていた。
①「リンカーン記念堂」
先ず「リンカーン記念堂」に行った。
ここは「人民の人民による人民のための政治」を訴えた第16代大統領の「エイブラハム・リンカーン」が、1865年4月14日に凶弾に倒れた後、1922年に建立された。
記念堂の36本の柱は、当時の州の数である。
大きな大理石の座像の高さは、つま先から頭まで5.8mあり、後部に「リンカーンの名声は……この神殿に永遠に秘められる」と書かれている。
キング牧師が20万人の聴衆に向けて演説した事もあり、差別撤廃を目指し、自由と平等を実現するためのシンボルとなっているという。
記念堂の階段の上から東側を見ると、950m程向こうに「ワシントン記念塔」が聳える「モール」が見渡せた。
②「ホワイトハウス」
大統領公邸で塀で囲まれていて中には入れないが、大勢の人達が見学に来ていた。公邸までは250m位の距離がありそうに見えた。
(2001年のテロ事件後は、国会議員の紹介無しでは見学できない)
公邸は地上3階、地下3階で部屋は132あり、大統領執務室、閣議室、記者会見室、大統領夫人執務室などがある。また地下には核シェルターも装備されているという。
③「国会議事堂」と「ポトマック川」周辺の桜並木
ワシントンの桜並木は、日本が贈った木として有名だ。明治時代の終りに、アメリカ大統領夫人ヘレン・タフトの要請を受けて、当時東京市長だった尾崎行雄が1910年、2000本の桜の苗木を贈ったのが始まりと言う。
しかし残念にもその大半が虫害で枯死した。そのため1912年、改めて3000本が贈られて「リンカーン記念堂」の背部を流れる「ポトマック川」河畔に植えられ今に至っている。
そして毎年、桜祭りが開かれているという。
私が訪れた4月9日には大半が葉桜になっていたが、まだ花を付けている木もあった。少し誇らしい気分になった。