花好き・旅好き80代北国女性の日記(ブログ開設18年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だが、新型コロナ禍と膝の不調、円安が重なり、今は外国行きは見合わせている。

「イラン」の旅(余録)

2015年11月02日 | 海外旅行「中近東Ⅰ」イラン
≪働く女性をほとんど見かけなかったが、現実は…≫

今まで訪れたイスラム教系の国々では、女性は男性の庇護の下、深窓の奥でひっそりと家事と育児、年寄りの世話をしている姿が見て取れた。
町に出る際は、家族以外の男性の目を避けるために「スカーフ」と「外套」や長い「チャドル」を身にまとって、顔だけ、あるいは目だけ、中には目も網で覆った姿で歩かねばならないから、自ずと社会的な役割を果たす事は難しい。
それに比べ男性は、短パン以外なら上は半袖シャツ1枚の涼しい快適な服装をしている人が大半だった。(最初に入ったレストランで「水タバコ」を吸っていた男性の一人は、何と下着姿だった)

     

次の話は専属のスルーガイド氏から聞いた話である。
『バスの座席は前が男性、後ろが女性だ。
プールは男女別に作られていて、女性は水着なら泳げる。しかし、気温が50度を超える真夏、北の「カスピ海」に面した町の海水浴場が賑わうが、そこでは海の中にカーテンが張られて、遊泳場所が男女別に分かれている。しかもそこでも女性は、服を着て泳がなければならない。』
『TVドラマでは、最近韓国ドラマが増えているが、男女が接近する場面はカットされている。』
『また、イランの女子サッカーチームは「スカーフ」をして競技に出る。』
街中には「宗教警察」がいて、歩いている女性の中に「スカーフ」から髪が1本出ていても取り締まる。』

『最近は情報がどんどん入って来る様になって、今までの考え方が急に違って来た。
「楽で高給な仕事」を求める若者が増えた。現実にはそんな仕事は無いから、無職の若者が増えて、親に金をせびる。
昔は父親が絶対だったが、子どもの言いなりになる親が増えた。そうでない場合は親子喧嘩が始る。
そんな訳で40~50代の親世代とその子どもに、断絶が生じている。』

『結局、男性1人の経済力では家族の生活を支えられないから、ここ20年で働く女性も増えて来た。現在の大学生の65%が女性、35%が男性だ。』
『経済力を持った女性は、何か問題があると離婚したがる。
30年前までは、25歳までに女性は結婚していた。今は、30歳過ぎた未婚の女性や40歳以上の未婚の男性が沢山いる。
未婚女性の理想の男性は、車を持ち、高給を取り、背が高く、親が居ない男性だというが、そんな男性は現実はいないので、結婚できないのだ。』

ガイド氏の説明を聞いていて、女性の方が大学進学率がかけ離れて高いというのも信じ難かったし、実際に私が働く女性を見かけたのは「テヘラン空港」の案内係りと個人経営の小さなレストランの女主人の2人だけだったので、実はどうなのかを知る事はできなかった。しかし、話の内容からは、今の日本の現実を「イラン」も追って来ている様に私には思えた。

これから高等教育を受ける女性が徐々に社会的な役割を果たし始めると、男女の関係に変化が現れるに違いない。そして時間がかかるかも知れないが、多くの女性が経済的に自立するようになると、今までの固定化された閉鎖的な女性の生き方は変わり、やがて社会そのものも変化して行くだろうと思った。

今回の「イラン」は情報が少ない国だったが、思い切って行って本当に良かったと思っている。できればいつかもう一度行って見たい国だと思っている。
長い報告記事になったが、庭仕事をしながらやっと書き終えて安堵している。
ブログ上で共に旅をしてくれた方々は「イラン」という国をどの様に感じただろうか。
                               (完)



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8 コメント

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魅力的な国に・・・ (伊豆の花)
2015-11-02 10:35:27
こんにちわ

「イランの旅」・・・興味深く、どうこうさせて貰いました。

私は、もう十数年前、湾岸戦争の後頃だったでしょうか・・・米国の輸出入の規制があり、国内でも物資は不足していると言われてましたが、国内は穏やかな空気でしたね。
私たちは8日間か10日間だったか、何の不安も無く旅を満喫してきました。
ただ、女性は、人前で肌や髪を見せてはならないと規制は外国人にも適用し、暑い暑いと言いながら、あちこちのモスクや遺跡を巡っていましたよ。
バスに乗り込むとカーテンを引いて、長袖㋨下に来ているTシャツになって、熱を解放したりしましたね。

女性は人前に出ないという事で、街は男性ばかりが店番や買い物をしていたのを覚えています(偶に会う女性は、全身黒づくめ)。
しかし、あの黒づくめの下は、華やかな色のドレスを着ていると後で知りました。
それなりに、女性も生活を楽しんでいるなと思ったものです。

イスラム圏の女性は虐げられているから、イスラム教は嫌いだ・・・と話されていた日本の方もおりましたが、イランにしろサウジにしろ、消費社会に馴染み、現金が必要になって来た時、やはり、女性の労働は避けられないのではと思いますし、また、徐々に、社会に進出した人からの情報は、日増しに浸透していくものと思います。
その時、かの国の女性たちが、どう判断しどう行動するか・・・私たちは、暖かい目を持って見守る事が大事なのではと考えます。

それにしても、イラン(その他のイスラム文化圏も)の文化は、一度では消化できませんね。
でき得れば再訪したいし、出来なくても、不思議な国ではなく、魅力的な国として、心に刻んでいます。
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伊豆の花さんへ (ソナタ)
2015-11-02 11:20:02
こんにちは♪♪
早速コメントを頂き、有難うございました。

伊豆の花さんは湾岸戦争の後に行かれたのですね。
その頃の私は、自分自身の健康を取り戻すことができるのだろうかと不安に思っていた頃でした。
今回はアメリカとの和解ができた後でしたので、余り社会的経済的な不安感は無かったです。
昨年行った「ウズベキスタン」もイスラム教国でしたが、経済的に自立した女性を多く見かけました。それと比べるとイランの女性の社会的な特異性が際立ちました。
私も伊豆の花さんの意見には賛同します。その国のあり方を決めるのは、その国の国民ですからね。
ただ、エジプトと同様に、昔の皇帝や教会が残した遺産に頼った観光だけに重きを置いていると、やがて経済は疲弊するのではないかと心配です。
ただ世界3位の石油産出国なので、そこが違うと思いますが。
良い旅ができました。 
返信する
イラン読了! (モコモコ)
2015-11-03 08:09:07
只今、イランの旅記読みえ終えました!

さすがに数々の世界遺産のソナタさんの撮られた写真に敬服、どれも圧巻です!
次々繰り出される写真に、青色の印象がとても強いです、ヤズド市内のジャーメモスク、エスファハーンの金曜のモスク等々・・素晴らしい!

イランの経済ってもちろん石油なのですよね、男女の内情など、時代の流れと共に女性の地位向上の発展に、先ずはチャドルを脱がして自由に羽ばたかしてやってよ、なんて思いました
イラン到着から帰るまで外出はずっと、チャドルを覆っての見学だったのですよね、おまけにどこもアルコールなしで・・・

ソナタさん長編に渡るイラン旅記に、勉強させてもらいました、ホントお疲れ様でした
ありがとうございます!
返信する
こんにちは (Pione)
2015-11-03 08:36:03
こんにちは。
旅行記拝見しました。海外旅行はもちろん青森より北に行ったことのない者にとってほとんどすべてが「へぇ~、そうなんだ」の連続。海外の事情はいつもこことBSから。奥の深さはBS以上。楽しく読ませてもらっています。
それにしても連続10日以上のブログ更新にも驚きが。ソナタさんのバイタリティーにも完全脱帽。これからも元気をいただきにやって参ります。
返信する
モコモコさんへ (ソナタ)
2015-11-03 19:48:41
こんにちは♪♪
旅行記を読んで頂き、コメントも有難うございました。

そうですね、モスクは青色が基調でしたね。最後の王宮のモスクになると、黄色がかって来ましたね。
先ず驚いたのは、こんな繊細な模様を陶器のタイルを割って組み合わせて作り出していたことです。職人の何年も続く装飾の根気強さと卓越した技術が必要な訳です。

イランは世界三位の石油産出国なのですが、国民の生活は後回しの様でした。イスラム教の名で生活を縛るのだから、変わりに人口の半分の女性を大事にせよと言いたいですね。
でも知らない事だらけだったイランの旅は、面白かったですね。  
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Pioneさんへ (ソナタ)
2015-11-03 19:57:50
こんにちは♪♪
早速コメントを頂き、有難うございました。

私もBSの旅番組は大抵欠かさずに見ています。楽しいですね。
見て、これからの旅行計画を立てるのに参考にもしています。
私なりの見方で旅行するので、他の人なら気に止めないこともあるかも知れません。
書き始めは先が読めず憂鬱なんですが、書き出すと旅を振り返り、再確認したりできるので楽しくなります
ね。
Pioneさんの更新が何日も無いと、仕事で疲れたのではとか気になります。
またよろしくお願いします。 
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お疲れさまでした… (ガチャピン)
2015-11-03 23:26:40
こんばんは。
イランの旅行記、お疲れさまでした。
全て、大変興味深く読ませていただきました。
イスラムの寺院や王宮の緻密で繊細なモザイク模様の
美しさにうっとりしたり、
未知の国、イランの垣間見える生活の様子に興味津々でした。
宗教観の違いはあれど、イランも変わりつつあるんですね…父親が絶対でなく、子に甘い親が増える…
まるで日本のようですね~。
でも、ソナタさんが写真を撮られた方々は
皆さん、いい表情をしてみえるように感じます。
風景も素敵ですが、その国の人々の表情を
見られるのも、一緒にその場の雰囲気を味わえる気持ちになり、楽しく感じました。

札幌の天気予報に雪マークが出始めましたね…
冬の準備でお忙しいと思いますが、
お身体、ご自愛くださいね(*^^*)
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ガチャピンさんへ (ソナタ)
2015-11-04 07:10:12
お早うございます。
いつもコメントを頂き、有難うございます。
昨日も1日中働いたので、22時には寝てました。
夜遅く書き込みしていただいたガチャピンさんには申し訳ないですね。

イランの人達はカメラには同意しても、ネットの公開には確かめなかったので、本当は素敵な顔をしているのですがぼやかしました。
折り紙は、見知らぬ人と交流を始めるのにとても役立つんですよ。

素晴らしいモザイクタイルが上手く写せるか心配でしたが、今回も古いデジカメで何とかなったかなと思っています。

当地は4~5日る予報なので、薔薇の冬囲いの仕事を続ける予定です。というか完成させないと折れてしまうからです。 
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